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三話「鳩語をしゃべる女の人」
私は逃げた。ひたすら逃げ続けた。誰にも見つからないところへ。餌を満足に食べれるところまで。
「ハイストーっプ!」
どこから声が聞こえ、私は飛ぶのをやめる。
今まで私をいじめてきた鳩たちの誰かではなかった。冷たい声ではなく、どことなく暖かい声が聞こえた。だから、止まった。
「よしよしいい子だ!私についておいで。餌をあげるよ。私は鳩を飼っていないから存分に食べれるぞ。」
他の鳩が居ない、という言葉に引き寄せられ、私はその女の人についていった。このときは気持ちがいっぱいいっぱいで気がつかなかったが、なぜその女の人が鳩がわかる言葉でつまり鳩語でしゃべれたのか。それは永遠にわからない謎なんだと思う。
その女の人についていくと、ついたのは不思議な雰囲気のある洋館だった。魔法使いが住んでいそうな、そんな感じ。女の人はその洋館の中に何の抵抗もなく入っていく。私をココに連れてくるのが目的だったのだろうな、そんなことを考えながら私は洋館の中に入る。
ギィ・・・・・
その洋館の中に居たのは・・・・