二話「鳩の苦痛」
「あんたさ、ふざけてんの?アタシらの餌そんなに食べないでよ!」
「こいつ私の足踏んだのよ?信じらんない!」
「あんたの餌よこしなさい?アタシお腹すいてるの。」
「うちらの近くに寄らないでよ!あんたの悪い菌が飛ぶでしょう?」
私はほかの鳩仲間からいろいろ言われて、非難するべくほかの公園に向かった。
そこにはあまり鳩がいなかったので安心して餌探しをしていた。
『はとさん!このおまめあげるよ?いっぱい食べてね。』
何を言っていたかは私にはわからなかったけれど、女の子は私に餌をくれた。大豆のようだ。女の子は、基本誰にでも優しい。この子が毎日大豆をくれれば・・・・
バサバサッ
「え?」
私がその羽の音のした方を見ると、前に同じ群れで私のことをいじめていたグループの一羽の鳩が私のところまで来ていた。
そして、私のもらった餌を奪っていた。
「やめて!それ私がもらったの!」
私が言うとその鳩は言った。
「どこに言ったって一緒なのよ?あんたはまともにえさを食べてはいけない。その事実は変わらないの。分かる?あんたみたいなクソ鳩は、食べる餌がなくて死ねばいいんだわ!」
私は逃げ出した。
誰も私のことを見ていないところに。私のことをいじめない鳩の群れに。