女王様は意味深
「あ!」
女王様がぽろっと声を漏らす。
「どうしたんですか、女王様。」
私が聞くと、女王様が言う。そんなに聞きたいの?と。私はあ、いつものやつだ、とすぐに気づく。
「仲間集めもほどほどにしてくださいよ、女王様。私と育歩が大変じゃない。」
女王様はむくれる。でもしょうがない。育歩は料理担当、私はその料理を運ぶ係なんだから、人数が増えたら困るのは私たち。
そもそも人数を増やして女王様は何をするつもりなのか。
意味深な女王様の考えは私たちには到底分からない。
「でも、この子はきっといい子。私のために必死になってくれる、そんな気がする。」
正直女王様の勘はすごく当たるし当てになる。そんな女王様が、言ったってことはきっとその子はいい子で頼りになるんだと思う。
そうなったらきっとその子には食料調達を頼もうかしら、と思っていた私。すると女王様は、「そんなことに鳩歩を使わないで。」と言う。
その子が鳩歩って名前なのは今決まったことじゃないのでは?と思ったのは私だけかな。女王様がなぜ「歩」にこだわるのか。それもやはり意味深な女王様の考え。私たちには分からないこと、だった。