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文系だけど異世界で活躍できるよね?  作者: 葵流星
はじまりは突然に
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基礎知識ではじめる竹栽培

心は高校生・・・身体は子ども・・・。


これ以上はやめとこう・・・。


宇宙そらから女の子が降って来ると思うか?。


答えは簡単さ、「「降ってくる」」


・・・何、考えているんだろうな。


なんにせよこのギャップを埋めなければならないだろう・・・。


とりあえずそこら辺のガキと喧嘩でもするか♪。


・・・あとが大変だが。


「レイジ何をしているのですか?」


「いえ、ただ空を眺めていただけです」


「そうですか・・・」


シェスカさんはどこか悲しそうだった・・・。


まあ、そうだろうな・・・。


「「転生」」したって、信じられないだろう。


彼女のためにもそれを証明しなければならない。


「「心」」はそこまで頑丈ではない。


でも、言った方がいいはずだ。


「あのシェスカさん?」


「はい、何ですか?」


「あの驚くかもしれませんが・・・」


「転生したのでしょう驚きましたよ。けど、悪い人はなさそうですね」


「そうですか?」


「はい、あの後私にも神託がありまして可能な限り手伝ってあげなさいと・・・驚きましたよ本当にそんなことがあるのだって・・・あのもしかして元の世界に戻りたいですか?」


「いいえ、もう身体は無いと思いますので」


「そうですか・・・すいません」


「いえ、こんなこと言っても信じてもらえないものだとばかり思っていましたから・・・」


「ふふ、頼っていいですからね」


「お世話になります」


「ええ、あなたも立派になってくださいね」


「はい」


立派になるかあ・・・。

厳しいなあ、俺にはそんなこと・・・。


その後もただ空を見上げていた。

雲の形が変わるのは面白くはあるのだが・・・さすがに退屈だ。


基本RPGとかなら拠点は確保するものの動かないという選択肢はない。

さすがに町くらいこの辺にもあるだろう、それか市場くらい。


「・・・市場にでも出かけるか」


文字はこの三週間で覚えられた。


神父さんも大したもので、この世界の「「神」」という意味の「「レイ」」と、そして「「焔」」という意味の「「ジ」」を合わせたものが俺の名前「「レイジ」」だった・・・。


「「焔」」はプロメテウスということだろう。


正直なところこの名前を気に入っている。


「シェスカさん!」


「はい?何ですかレイジ・・・さん?」


「街に出たいです」


「はあ・・・そうですか、行ってらっしゃい」


教会の扉を開け、俺は街へと向かった。


「いらっしゃ~い、今日はいいもの入ってるよぉ!」


街は活気で溢れていた。


露天商も多い。


この世界は文明のレベルがほとんど中世ヨーロッパのものと酷似している。

違うところは、魔法具というモノがあり、それが俺がいた時代のものと同じくらいに高度な技術を持っている。


例えば、「「活版印刷術」」まあ、新聞のことだ。

これは、神父殿が読んでいたためわかった。

協会の書庫も手書きではなかったため間違いはないだろう。


次に「「缶詰」」だ。

これも発明されたのは古いから正確にはわからない。

しかし、シェスカさんが「「缶切」」を使わないで「「きり」」を用いていたため、「「缶切」」よりも前のものだとは思う。


プルタブなんかないや・・・。


けど、調理用の魔法具があるらしい。

金はかかるが・・・。


あとは、「「柵」」かな。

木製だった・・・。

どうやら測量の技術はあるようだ。


「銃」は・・・無かったな。

代わりに「「剣」」とか・・・。


俺は「「槍」」が好きです!。


あっでも加工技術はあまり無いようです。

どうせ魔法の加護だろうと思ったらさっき露店で売ってた。

予想通りだったよ・・・。


そうやって何となく歩いていると花屋を見つけた。

切ってあるものではなく「「鉢」」ごとだ。


俺が目にとめたのは何もない鉢だった。


「お兄さん、この鉢何にも入って無いよ?」


子どもの真似をして何も知らない振りをする。


けっこう恥かしい・・・。


「おう、坊主!それは、れっきとした売り物だ!バンブーって言うんだ!」


日本でいう「「竹」」だ。

英語での呼び方が彼の言っているそれだった。

発明王エジソンの電球にも使われていたくらいだからな。


「こいつは西洋のものでな、珍しいだけでよくわかんないけど買ったら何にも入ってねえの!どうしてくれんだ?」


「いつ手に入れたの?」


「ああ、今朝だ。船から取り寄せた」


おそらく珍しいものだと聞き買ったのだろう・・・。

ちょうどいい・・・。


「これいくら?」


「580フェイスだ」


「はい」


「おう、持ってけ」


そういうと、店の主人は接客の応対にでた。


前述の通り、距離や重さといった単位は存在するのだ。


580フェイスは580円。


子どものお小遣いくらいだ。


距離は1メートル、1フット。


重さは1グラム、1シード。


イギリス語が混ざっているもの、何のことかはわかる。


さて、この竹をどうしたものか・・・。


教会に持ち帰ろう。


・・・・・。


・・・・・。


教会にたどり着くとシェスカさんに持ち込んではいけませんと言われたので協会の裏の池の方に向かった。

池というよりは沼が正しい。ただぬかるんでいるだけだ。

後から気がついたが粘土だった。釉薬をかければ磁器になるだろう。


まあ、水源は確保できたのであとは植えるだけだった。


この世界には魔法があるため、植物の育ちやすさもそれによるそうだ。

魔力とはエネルギーでそこら辺を漂っているらしい。

パワースポットと考えて、日の当たる場所に竹を植えた。

あとは、水を与えるだけなのだが・・・。


・・・服に含ませるのはダメだよね。


魔法を使うか・・・。


実際のところ使うのは簡単らしい。

そう本に書いてあった。


ということで根拠のないまま魔法を使うわけなのだが・・・。


「・・・わからぬ」


触媒式なのか、リソース式なのか・・・それとも操作式なのか・・・まったくわからない。


「とりあえずリソースで試すか・・・」


太陽光がいいだろうこの世界の人は考えられないはずなのだが・・・。


「・・・集まりが悪いな」


誰か他にも俺と同じようなことを考えている人がいるのだろうか。

困るなあ・・・。


まあ、それでも貯まったので使うことにした。


何の音もなくプラスチック製のジョウロが顕現した。


・・・なんかこう・・・エフェクトが・・・なのだが。


水入りのものが現れたので良しとしよう。


「ここら辺でいいよな」


適当に穴を掘ってジョウロで水をあげた。


「さてと、それじゃあ帰るか・・・」


そして、この日は教会に戻った。


けど、知らなかった・・・。


異世界の「「竹」」の成長がこんなに早かったなんて。




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