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私の病気  作者: にとろん
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カスタードクリーム

こんにちは、にとろんと申します。

前回に引き続き、私の病気 第二話です。

とりあえず書けそうなところまでは書いておこうと考え、この短いスパンでの更新となりました。

まだまだ上達はしておりませんが読んでいただけると嬉しいです。

お母さんと話していると病室に絵里さんが入ってきた。もう晩御飯の時間なのだ。

「あら、それじゃあお母さんそろそろ帰らないと。」

「うん、またね。」

お母さんは私の晩御飯の時間になると家に帰る。お父さんに晩御飯を作らないといけないし、掃除や洗濯もあるからだ。病気とはいえ、私のわがままでお父さんに晩御飯を食べさせないわけにはいかないのでここは寂しいのをぐっと我慢する。

「ああ、お母さまお帰りになるんですね。」

「ええ、どうか紗希をお願いします。」

「はい、我々の全力をもって…………………」

絵里さんとお母さんが挨拶をしている間に私は晩御飯を食べることにした。今日のメニューは肉野菜炒めがメインの病院食。病院食はマズイ、なんて言う人もいるけれど私はこの控えめな味付けが好きだ。それに今日はお母さんの持ってきてくれたシュークリームだってあるんだ、大満足である。

「全部食べ終わったら言ってね、シュークリームを持ってくるから。」

そう言って絵里さんはお母さんと病室の外へ出て行った。おそらくシュークリームはナースステーションの冷蔵庫に入れてくれるのだろう。お母さんのおみやげはだいたいそうしてもらっている。


肉野菜炒めを食べ終えて、おぼんを持ってベッドを降りる。病室を出てすぐの廊下に配膳用の台車があって、そこに食べ終わったおぼんを自分でさげるというルールなのだ。

「絵里さん、全部食べ終わったよ。」

ナースステーションに声をかけると、すぐに絵里さんの声が返ってきた。

「はーい。すぐに持っていくから病室で待っていてねー。」

言われた通りに自分の病室に戻る。廊下で渡すと他の子に見られてしまうから病室で渡してもらうのだ。病室のドアを開けて絵里さんが入ってきた。




目を覚ますと視界にはいつもと同じ天井があった。

「私…………また……?」

そう言いながら体を起こす。私のベッドの周りを囲う緑のカーテンも腕の点滴の針も色々な所から静かに聞こえる機械音もみんな同じだ。


私はまた眠っていた。

外を見る限り朝か昼だろうか。私はまだ携帯を持っていないし病室に時計はないので正確な時刻はわからない。

とにかく、また、寝ていた。


病室のドアを開ける音がして、そちらを見ると今日は絵里さんではなかった。服装からナースであることは間違いないけれど、はじめて会う人だ。

「はじめまして、紗希ちゃん。私は服部恵。中原さんがお休みだから、今日は私があなたの担当をするわね。」

「はあ、よろしくお願いします。」

なるほど、絵里さんのピンチヒッターということか。服部さんは絵里さんよりも少し年上だろうか。とても仕事ができそうな凛々しい雰囲気の人だ。ここで、いつものことを聞いてみる。

「あの、私は今回どれだけ寝ていたんですか?」

「ええと、君が倒れたのは昨日の夜だからだいたい半日と少しくらいかな。」

「そうですか…。」

いつもの質問をしたあとに今日はもうひとつ質問をしてみた。

「ええと、絵里さ、中原さん、は今日はどうしてお休みなんですか?」

「うーん、そういう質問はプライベートなことだから答えにくいんだけど………」

「あ、すみません………」

「いやいや、君は本当に中原さんのことが好きなんだね、君に心配されていたと伝えれば中原さんもきっと喜ぶだろう。」

服部さんは笑いながらそう答えた。今までにも絵里さんが休んだことはあった。絵里さんにだって生活はあるし、当たり前だと小学生の私でも理解している。

だが、今日は何か違和感があったのだ。何か、いつもと違うような、そんな気がしたのだ。


「点滴、代えておくね。」

服部さんはそう言いながら私の点滴を取りかえる。

病室にはなぜか少しだけカスタードクリームの香りがしていた。

私の病気 第二話を読んでいただいて、ありがとうございました。

シュークリーム美味しいですよね。今回の話でわりとオチがばれてしまってるんじゃないかなー、なんて考えています。


前回同様一応おおまかな設定はあるのでまだこのお話は続けられそうです。どうぞ、お暇なときにでもお付き合いください。

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