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○▽□  作者: 巫女さん
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かけおち

丸野花通は走っていた。

真っ白なウェディングドレスをドロドロに汚しながら。

履いていた白いハイヒールはどこかで落としてきたらしい、コンクリートが直に足の裏を刺激してくるのが分かった。


同じく、柴 隆國も走っていた。

彼は特に正装という格好ではなく、いつもどおりのくまのイラストがプリントされたTシャツに、真っ黒のスウェット、運動靴、というどこにでもいる服装だった。


ふたりは、駅に向かっているのである。


駅には赤い軽自動車が止まっていた。


「遅い、遅い!」

先に駅に着いたカク、こと柴 隆國は息を切らしながら車の運転席に乗り込んだ。

しきりに後ろを確認しながら少し待つと

「すまん!!おそなった!」

と、マル、こと丸野花通が後部座席に乗り込んだ。


赤い軽自動車はまっすぐ海に向かって走り出した。


「大丈夫だったか?」

カクはハンドルを軽く握っていた。

「あかんで、ナンバー見られてたかもしれんくらい近いとこにいた!結構路地とか入って撒いたつもりやったのに!!」

マルは頭に乗せたヴェールを乱暴に外し、足を組んだ。

「そういえば、私の着替え持った?」

トランクに積んだ旅行カバンを漁る。

「お前のパンツは入れたぜ」

「ほんまにパンツしか入ってへんやん!あんた駆け落ちする気あんの!?」

「あるある、愛してるぜ、マル。」

「分かった分かった、やからちゃんと前見て運転してや。途中でしまむら寄って欲しいんやけど。」

「はいはい、しまむらとかあんのかな、俺らが行くとこに。」

「それは知らん。」


赤い軽自動車はまっすぐ海に向かって走っていた。


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