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進化……です?

じ、時間がなかなか作れません……。

時間が許す限りは投稿していきますので、どうぞお楽しみください!

【スキル:『原子魔法』を取得しました】

【スキル:『水魔法』を手に入れました】



 『原子魔法』原子を結合、分解、移動させることができる。レベルに依存。

 『水魔法』水を操る魔法。レベルに依存。



 いつの間にか手に入れていた魔法スキルを見てみたが魔法陣や呪文などは使わないようだ。

 無詠唱で、イメージだけで発動できる……が、そんな生易しいものではない。

 イメージが複雑すぎる。

 『原子魔法』は今のままでは体の修理にしか使えない。空中にあると思われる原子一つ一つをイメージし、それをベクトル操作して結合、または分解などを大きければ大きいほど原子の数を増やさねばならないし魔力の消費が半端ない。

 だがこれははっきり言って反則技だ。

 結合や分解、移動は上手く扱えば武器や盾を望んだ質や形にできる。

 さらに分解にいたっては生き物に対して身体の構造さえ知って入れば必殺となる。

 心臓に穴をあければ死ぬし、脳なんてほとんどが頭にある。

 つまり変死させることができる。

 魔法の痕跡などがあって僕につながるかはわからないから今のところあいつらには使えない……というよりもそんな楽な死に方させないが……



 『水魔法』もそうだがあくまで動かすのは魔力自身であり、魔力による現象は『水魔法』ならば水を、といった具合にそこに水があらねばならない。

 つまり『水魔法』なら水、『火魔法』なら火。これらは中級魔法に属する。これはそこにあるかどうかは必然ではないからである。

 そして『土魔法』は土や石で『風魔法』は空気を使えば使えるので下級魔法に属する。

 上級魔法として名高い……というよりもほとんど廃れているのは『氷魔法』に『雷魔法』、そして『木魔法』に『金魔法』だ。

 『氷魔法』は『水魔法』に『火魔法』の複合魔法だ。

 『雷魔法』は『風魔法』の派生魔法。

 『木魔法』と『金魔法』は『土魔法』の派生魔法だ。

 あとあるのは『光魔法』と『闇魔法』だがこれはあまり使い方が理解されていない。光は照らすもの、闇は暗くするものという概念が深く根付いているために光と闇を利用しようとする方法を思いついていない。まぁ、目つぶしくらいなら……思いついているよね?

 実は今回必要な魔法がこれ以外であるのだ。


 

 『生活魔法』

 それは火種を作る、飲み水を作る、体を綺麗にするなどがあり冒険者には必須の魔法なのだがこの火種と飲み水については『火魔法』と『水魔法』に使えないなどの欠点がある。魔法で作ったものに魔力を乗せる行為はひどく危険が伴うのだがその点については僕は大丈夫である。

 それが魔法陣、呪文などの魔力を持つものに上乗せするように使うからそうなるだけで僕の『魔力操作』はそこに魔力を通わすこと、もしくは通っていればば扱える。

  


 ただ……『生活魔法』は神から授かるもの、そのためには神殿で祈りをささげねばならない。



 僕は藁にもすがる想いで片膝をつきこうべを垂れ、祈りをささげた。



「神界におわす名も知らぬ神よ、わが祈りを聞き届けてくださいますよう」



 思い浮かべるは前世の人々におじいさんの姿だった。

 神は問うた。声は聞こえないが何を意味するかわかった。



『過去と決別できるか?』



「生きるすべを与えてくださるならば、決別しましょう。時間はかかるやもしれませんがかならず決別いたします。私はもうこの世界の人間であり、前世の世界の人間ではありません」



 心がズキンと痛んだ。

 彼女の顔が思い浮かぶ。

 両親でもいいはずなのに、友達でもいいはずなのに、どうしても彼女が頭を支配する。

 それならば決別などしないほうがいいのではないか?

 甘い考えに意識が途切れそうになる。

 彼女を裏切りたくない。

 だけど自分はもっと裏切りたくない!

 まだ、目的は決まっていないけれど……今度は己の命は己のために使うのだ。



『裏切り者』


 うぁ……!

 痛い、痛い痛い痛い、イタイイタイイタイイタイ!

 心が……裂けそうだ。



 お願いだ、彼女の言葉で、彼女の声で、そんなこと言わないでくれ……!

 僕はいつの間にか泣いていた。

 今はどうしても決別なんてできはしない。



「も……うしわけ、ありません」



 俺は名も知らぬ神に謝った、謝ってしまった……。

 負けた、過去に、記憶に、彼女に、なにより、己自身に……。



「む、りです」



 なんと卑小な存在か、僕はまだ驕っていたのか?

 人間なのだ。僕はただの人間なのだ。過ちを作り、それを糧に成長する人間なのだ。

 過ちがなくなることはなく、それに決別してしまえば僕の生きてきた意味が失われるのだ。僕はこの世界の人間ではないのだ。異端分子なのだ……。

 それを認めねばならない。

 だから、



 僕は過去を決別などはしない。全部引きずってやる。忘れてはならないのだ、彼女のことを。それが僕の罪であり、この世界で生きるのが贖罪なのだ……。



【ユニークスキル:『進化の種』の発動条件を満たしました。※発動条件、身の程を知る。生きる願望がある。成長する願望が強い。】

【警告:進化が始まります! 『下等劣等種』→『下等平凡種』】

【警告:進化が始まります! 『下等劣等種』→『下等平凡種』】



【警告警告警告警告警告警告警告警告! 魂を喰らいます!】

【ERROR! ERROR! 魂が足りません!】

【漂う魂、怨念を吸収します!】



 そこで僕の意識は途絶えた。

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