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新手登場?

 久しぶりに連日投稿できた!

 待って下さった方に感謝です!

「んあ?」



 俺はベッドの上で目を覚ました……が、



「またか」



 俺の隣やら上やらには女性たちが寝ていた。

 そろそろ暑くなってくるというのに……。

 俺は起こさないように抜け出して庭に出て身体を動かす。

 領主の仕事をしていると気が滅入って仕方ないのだ。

 早く代官を見つけたいけど……ミルがという婚約者の存在が俺の決心を鈍らせる。

 まぁ、スレイスト家のことを知るためには貴族の方がいいし、その点は問題ないのだがこのまま結婚してしまえば貴族としての将来が確定しているために少し悩んでいる。

 ミルのことは好きだし結婚は……まぁ彼女が好いてくれるならそれも嫌ではない。

 ただ、俺は復讐のために生きているといっても過言ではない。

 復讐のためには死ねる覚悟はある。

 しかし、今のままではダメだ。

 俺は規格外の力を持ってはいるが今このときに何の役にも立たない。

 俺は権力も力も持っている。女もアエリアたちがいる。

 傍から見たらそれはとても魅力的に映ることだろう。

 だが俺にはまだ足りない。



「何が必要だ?」



 考えろ、考えろ、考えろ。

 何をする?

 復讐だ。

 どうしたらいい?

 まずは……



「情報がほしいな……」



 そうとなれば……忍みたいな存在がほしいな。



「しかし俺には忍の育て方なんて知らないしな……」



 槍を震脚に合わせて振り下ろした。



 ドゴゥッ!



 俺を中心に風が舞い上がるが無視。

 それから流れるような武を考え事をしながら行使する。

 前方に敵がいると仮定して何度も突く。

 最後は石突なども使用しながら何度も何度も何度も、相手を殺す。

 相手は神たる存在。

 または人の身なれど中身は外道なる存在。

 我が道に阻む者あれど、



「超えてみせよう」



 我が存在は神を超えし存在なる化身なり。

 我が身は鋼より硬く、木の葉のように軽い。

 我が目的は……仇名した存在の排除。

 心よ、死せよ。

 我に必要たるは圧倒的な力。



 何もない空間をにらみ、さらなる力を求めし我は愚か。

 ゆえに我はまっすぐ進むのみ。

 魂を、身体を、心さえも喰らって見せよう。

 己らの身に余る光栄を、存在を世界に刻んでミセヨウ。



 屋敷にあるセバスが用意した風呂に入った後、アエリアたちが起きてきた。



「おはよう」

「「「……おはよう」」」



 みんな眠そうに目をこすっておりパジャマの姿と相まって可愛らしく見える。



「さて、今後の方針を決めておかないとな……」



 朝食を食べながらそんなことをつぶやき、考える。

 内政に関してはほとんどやった。

 これ以上やることもできることはできる。

 それこそ銃の造り方まで。

 しかし過ぎたる力は身を滅ぼす。

 銃は作り方さえわかれば作れるし、問題なのはこちらの世界の概念を破壊することだ。

 今以上の強い武器を作ることができる。

 魔法より、魔術よりも役に立つ存在がある。

 そうわかった瞬間に魔法の存在意義は薄れてしまう。

 それどころか無辜の民たちが武力をもち、国を崩す結果になりかねない。

 改革のためならばそれもやぶさかではない……のだが、国が一つにまとまっていない今、そんなことを起こせば他国に蹂躙されること間違いない。

 俺としてもいたずらに人間を殺すほどゲスではない。

 むしろ俺は信念に基づき、殺す。

 話がそれてしまったが俺ならば全ての国をまとめることはたやすい。

 むろん、禍根を残すならば……だが。



「迷宮にも……いかねばならないしな」



 そう、七大迷宮のあと六つにもいかねばならない。

 俺の左手の人差し指にはまっている怠惰の指輪……これのほかの大罪シリーズを探さねばならないしなぁ……。



「ルム……元気かな……」



 迷宮を思い出したらあの子狼を思い出してしまった。

 召喚すればそれはそれでいい。

 でも、ティアたちのことを思えば何かあった時のためにルムを置いておくことだし……。



「……ナナシ」



 仕事も終わってテラスで黄昏ていると横にネスアがやってきた。



「ネスア? どうした?」



「……えへへ」



 なにこれかわいい。



「ど、どうしたの?」



 鼻血を出しそうになりながらポーカーフェイスで問う。



「……呼んでみただけ……えへへ」



 も、もうダメです。鼻血を抑えるために鼻を抑え、上を向く。



「……どうしたの?」



 不思議そうに首をかしげる姿がかわいい!



「な、なんでもないよ? そうか、呼んでみただけか」



 ネスアが俺の肩に頭を乗せて一緒に黄昏る。



「……ずっとこうしていたいな」



「……そう、だね」



 でもそれは叶わない願い。

 俺は復讐に生きると決めている。

 過去に縋る亡霊だけど、それでも許せないんだ。

 俺の大切な存在を奪った存在を、だから俺は修羅の道に入るだろう。

 だけど彼女たちを巻き込みたくないのは強欲だろうか?

 彼女たちを守りたいと思うのは傲慢だろうか?

 それでも我を貫きたいと思うのはどうなんだろう?



 シニタクナイ!



 幻聴が聞こえる。



 タスケテ!



 俺が奪った魂が叫んでいる。



 オマエサエ……!



 俺に――



 コワシテヤル!



 壊れてくれって……。



「あぁ」

 


 俺は胸を押さえる。

 抉るように、深く、深く……。



「そんときゃ、お前たちも道連れさ」



 自分に言い聞かせる。

 まぎれもない己の魂に。

 


 背負っていくさ。

 お前たちの魂、殺したお前らと一緒に、ずっと、ずっと、未来永劫。

 地獄の底まで付き合ってやるからな。



 天にそびえる塔の頂点。

 そこで女が一つの絵本を胸に抱きながらつぶやく。

「愛しの君」

「今すぐ会いに行きますゆえ」

「どうか、どうか」

「妾を救うてたも」



 罪、問うて、

「名を」

 妾を、殺す名を、

「教えてたも」

 叫んだ。



「バアル・ゼブル様ぁあああああああああ!!」



 うっとりとした顔で彼女はその者の名をまたつぶやいた。



「バアル・ゼブル……様」

「どうかどうか妾を喰らうてたも」

「貴方様の魂の色に染めてたも」

「我が楽園エデンに連れて行きますゆえ」



 上気した顔でよだれをたらしそうにまでなっただらしのない女は満月に祈りをささげる。

 己の魂を高め、魂を創る(・・)。バアル・ゼブルと対をなす存在。

 喰らうならば創る。



「一つになることが妾たちの使命にして存在意義。妾だけが貴方様の渇きをいやしてあげられます」



 天に向かい、独白する。



「一つになるとき、天終フィーニアはあなたを歓迎いたします」



 天に終わりは本来存在しない。

 だが、ここには存在する。

 天に終を置く存在。

 箱庭と言われる場所。

 そこには天たる神にもっとも近き場所。

 そこは神たる身にもっとも近き者が集う場所。

 武しかり、智しかり、心しかり……

 崇高たる存在ゆえにもっとも力を求めし存在。

 天に終をなす序列第一位。



 名を白夜女王クィーン・オブ・ザ・ミッドナイト・サンという。

 感想お待ちしております!!

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