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心の狭間なのです

昨日は投稿できずに申し訳ありません。

続きをお楽しみください!

 僕は深い闇の中にいた。



 周りは真っ暗。

 視界は真っ黒。

 


 僕はさまよう……



 雨が降った。



 寒いな……



 体が震えた。

 歯が噛み合わずガチガチと鳴った。

 僕は防衛本能により体を丸めた。



 闇が包む。

 僕を真っ黒にしていく。

 怖い、暗い、逃げたい、寒い、痛い、だれか、だれか……。

 ぬくもりがほしい、だれか、だれか、僕に……。



 僕の体が水没していく。

 苦しい……



 たすけて



 何かが僕を包んでいく……。

 それは少し頼りない小さなぬくもり……。

 今は、それでいい。

 僕を――たすけて。

 


 目が覚めたらそこは馬車の中のようだ。結構な頻度で揺れる。

 ゆっくりと眼をあける。

 寝起きでピントが合っていない。

 目をこすって覚醒していく。

 ティアさんの顔がとても近いところにあった。

 ティアさんはにっこりと笑って、



「おはよう」



「う……ん? おはよう……ティアさん……どこの馬の骨とも知らぬ男の子に膝枕をしてはいけません……今は……朝ですか……?」



 それにティアさんは苦笑しながら、



「スレイス君は大丈夫だよ。うん、朝だよ」



「何を根拠に……ふぁ……おっしゃっているんですか……? 水は……どこですか……?」



「う~ん……なんとなくかな? 今は馬車の中だから――って魔法使っちゃダメ!」



 僕が水を『原子魔法』で一滴つくりだし、『水魔法』で増殖させていくとティアからあわてたように叱責がとんだ。僕が首をかしげていると、



「スレイス君の魔法はふつうと違うから人目につかないところで使わないと危ないよ!」



 ……どうやらもうすぐ村に着くらしく、ティアさんたち以外にはその魔法は使わないでほしいとのこと。



 そしてマレル村に僕たち一行はついた。



 だけどここには補給に立ちよっただけなので僕は馬車の中で本を読み進めていた。

 ティアは僕に構ってほしそうにしていたけれど横で僕が貸した『魔物図鑑』を読んでいる。

 僕は『健康法』を読み進めた。

 『魔力操作』はできたので次は『気力操作』を身に着けたいがまずは健康を維持するために魔力循環のところを読み進める。



『魔力を感じ操作に慣れたら今度はそれを体内で循環させましょう。魔力循環ができれば魔力の操作がスムーズになり、魔法を発動するタイムラグもほとんどなくなります。さらに、作り出した魔法を体内に戻すこともできるようになります。この『健康法』はこれこそが極意なのです。魔法は使えば使うほど精神が摩耗していきますが、魔力でできた存在や空気中に存在する魔素を取り入れることが可能になり、精神の回復を早めることができるようになるのです』



 MPの回復方法は本来空気中に存在する魔素を徐々に取り入れるか、MPポーションと呼ばれる薬が必要らしい。だがこれは空気中にある魔素や魔力でできたものならばなんでも魔力に変換して己の体内にため込むことができるらしい。



『魔力はどれだけ吸収しようと多すぎることはありません。容量に限界が来たら体内の魔力密度を徐々に上げていくことが可能になるので常時発動させておくことが重要です。魔力密度に関しては理論的に可能なだけであり使える人はいません。よってどのような効果を及ぼすかはわかりません』



 それは体内一か所で魔力密度を保とうとするからバランスが崩れるのであって、僕のように身体全体ならば問題ないだろう。

 早速、『魔力操作』を発動させる。

 魔力を一方向に動かすのはとても簡単だ。ゴムのような感じでのばすことはできる……が循環となると難しい。すべての細胞にある魔力を一つ余すことなく動かすのだから。

 『精神統一』に『集中』を使い、細胞の一つ一つをイメージし『魔力操作』を行う。

 開始から30分経ち、魔力の移動が行えるようになった。

 開始から90分経ち、循環できないので魔力の通る経路をイメージした。

 開始から300分経ち、全ての細胞に、すべて細胞への道がつながった。

 開始から320分経ち、魔力分散によるすべての細胞の循環が可能になった。

 開始から380分経ち、それをプログラム化した。まぁプログラムと言っても『並列思考』による恩恵のおかげなんだけど……。

 まぁ、6時間20分経ってようやくものにできた。

 


 実はもうとっくにお昼は過ぎていて、ティアさんは僕の肩に頭を乗せて寝ていて、ほかの兵士の方々は僕たちを見て和んでいるようだった。レギサ姉さまは羨ましそうに見ている。

 すっごく恥ずかしくなった……。

 動きたいけれどティアさんが起きるからゆっくりと動かしていく……が、馬車の固い床に置くのはかわいそうなので膝に乗せておいた。

 生暖かい目線が増えた……っ!

 わかっていますよ、だって僕は子供だもん……。



 少し『精神統一』と『集中』を使いすぎた。

 眠気が半端ない。



 最後にステータスを確認する。


ステータス

 名前:スレイス

 レベル:5→6(BP:10)

 種族:人間【下等平凡種】

 年齢:3

 HP 150→190

 MP 150→180

 STR 150→170

 VIT 150→170

 DEX 150→180

 AGI 150→170

 INT 150→180

 ユニークスキル:アイテムボックス、ステータス表示、進化の種、ステータス偽装、魔力操作、心眼

 スキル:『ダッシュLv.6』『呼吸法Lv.MAX』『痛覚耐性Lv.10』『身体能力上昇Lv.3』『怪力Lv.1』『熱耐性Lv.1』『打撃耐性Lv.10』『集中Lv.MAX』『並列思考Lv.13』『ステップLv.7』『見切りLv.5』『格闘技・柔Lv.1』『攻撃予測Lv.3』『受け流しLv.1』『狂化耐性Lv.1』『水魔法Lv2』『原子魔法Lv.2』

 限定スキル:子供の体

 称号:異世界からの転生者、御使いの恩人、『悪魔と呼ばれし子』、『耐える者』



 レベルが上がった上に、BPとか、Lv.MAXとかいろいろつっこみたい。

 BPの説明を見てみる。



 BP:ボーナスポイント。BPを使い、各ステータス上昇、スキルを取得、スキルレベル上昇ができます。

 1BPでステータス1つに1だけ上げる。スキル入手には最低が1BPで武術や生活スキルなどのレベル1が手に入る。そこで下まで見ていくと……ユニークスキルの下にあるレアスキルなどもあり、最終的にはアルティメットスキルなどもあった。

 アルティメットスキル……究極技アルティメットスキルだが……これがまたすごい。名前だけしかわからないが『聖浄魔化魔浄聖化ルシフェル』とか『天智命動ミカエル』などなど……冗談のような名前だ……あとは『暴食魔ベルゼブブ』や『色欲魔アスモデウス』など七つの大罪なども……どういう能力かはわからないが……明らかに人に過ぎたる力ではある。究極技アルティメットスキルはほとんどが10000BPで計算すると100レベルアップしないと取得できない……今のままでは……だが。下等劣等種から下等平凡種になったからBPが生まれたとみるべきで『進化の種』による進化によって増えるのではないかと予測している。

 そこでステータスの『進化の種』とLv.MAXの欄が緋色に輝いているのがわかった



 そこで眠気が襲いかかり、微睡まどろみの中に意識を鎮めていった。

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