scene3
洞窟の中はひんやりとしていた。
ところどころに倒れている騎士の姿を見かける。
そっと近づき手を当てる。
「死んではいない。
重罪だけは免れそうだな」
深いため息とともに奥へと進む。
(しかしどうなってんだ?こんな寂れた洞窟にこの数の騎士って
地雷案件以外のなにものでもないな。
全員なぎ倒してるユリアも異常だし)
ダンジョンの最深部には大きな扉があった。
扉は少し開いている。
人じゃない気配。
隙間から中を覗くとそこにはユリアがいた。
大きな広間に折れた剣を持つユリア。
その前には巨大なヒドラが立ちふさがっていた。
「ユリア!」
ジンは剣を構え走り出していた。
ヒドラに剣を叩き込む。
斬れない。
ヒドラの尻尾がジンをなぎ倒した。
「くっそ...」
血が混じる視界の先、ユリアが赤く見えていた。
赤...血のせいじゃない。
マントを脱ぎ棄てたユリアは真っ赤なドレスに身を包んでいた。
「もう少し...遅く来てくれるかと思ったんですが...」
剣を投げ捨て両手を広げた。
腕輪から巨大な斧が出現する。
黒く巨大な斧、赤いドレス。
ジンの背筋に嫌な寒気が走る。
「こいつは...超地雷案件じゃねえかよ」
ユリアの斧がヒドラの首を斬り落としていく。
崩れ落ちたヒドラの前に立つユリアにジンが近づいていく。
「騙しやがったな」
「何の事かしら?」
「とぼけるな。赤いドレス、腕輪から巨大な黒い斧ダークアックス、そんな奴は世界に一人しかいねえよ。
悪役令嬢アリアナ…まさか生きてる実物が見れるとはね」
「なに?賞金でも狙ってみますか?」
「止めておこう。勝てる気がしねえ」
「だったら後はお宝ですわね」
アリアナが指さす先に青い鉱石が見える。
「あれは?」
「魔法石ですわ。それも高純度の」
「なんでそんなもんが、こんなところにあるんだよ」
「さあ?持てるだけ持って早く立ち去りますわよ
これがあなたの報酬ですわよ」
「マジかよ。カバンに詰めれるだけでも一生遊んでく暮らせるぞ」
「そう、後は無事に出るだけですわ」
バックいっぱいに詰め込んだ魔法石を持ち意気揚々と出口に向かう。
ジンの表情は自然と緩んでいた。




