表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「お主、無限ポテチの能力と十億円、どっちがほしい?」  作者: 豚煮豚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/17

2

 

「お主、まだまだ悩むつもりか?」


「まだまだ質問したいことはいくらでもある。例えば……ポテチは何味になるんだ?この味によってはこの選択の意味が大きく変わる」


「ポテチは好きな味を好きなだけ出すことができるぞ」


 な、なに!?


 好きな味を好きなだけ出すことができるなんて……


 それを考えたらどう考えてもポテチになるような気さえしている。


「値段は関係ないのか?食べたいポテチを食べたいだけ出すことができる?」


「そうだ。のり塩もコンソメもガーリックもうすしおもとにかくどんな味だったとしても右手から無限に出すことができるのじゃ?」


「そんなバカな……もちろん、どんなタイミングでも出せるんだよな?」


「当然じゃ!」


 考えろ?


 もしも、この世界になにかおかしなことが起きた場合のことを考えろ。


 そしたら 無限に食糧を出すことができる能力はほとんど神様だ。


 もはやポテチがマナみたいな物になってしまう。


「これからの世界がどうなるのかなんて教えてくれないよな」


「その質問には当然のごとく答えられないな」


「じゃあ、ポテチとポテチじゃない物の境界線はなんだ?ポテチっていうのは元々薄いフライドポテトから始まっているはずだ。そうなるとフライドポテトすらも出せたりするのか?」


 ポテチは薄いフライドポテトばかりを欲しがる客への嫌がらせから始まった。


 つまりは、薄いフライドポテトもポテチみたいなものということだ。


 そうすると、もしかすると厚いフライドポテトもポテチみたいなものかもしれない。


「まぁ、お主がそれを本気でポテチだと思えるのであれば出るんじゃないか?」


「つまり、俺がポテチだと認識している物は全て出てくるってこと?例えばさつまいもとかのポテチは?」


「まぁ、それもやはりお主が本気でそれを思えるのであればという話だな」


 なるほど。


 これは意外と大事な話かもしれない。


 ポテチだけで生きていくことになった場合のことを考える。


 すると、ポテト以外のポテチが出せなければ大変なのは変わらない。


 死ぬことはないかもしれないが、大変なのは間違いない。


「なるほどなぁ。ポテチという認識っていうのはどういうレベルでなんだ?頭の片隅に思っていればそうなるのか?それとも心の底から思っていないと無理なのか?」


「『ポテチ買ってきて?』と言われて買ってこられてもなんとも思わないレベルのポテチじゃ」


「それは……それは難しいぞ」


 そうなると野菜チップスみたいなポテチは無理ってことか?


 なんか輪っかみたいになっているポテチもダメなのか?


 編み編みになっているアレは?


 “ザックザク”食感のアレもダメなのか?


「それは、条件が厳しくないですか?」


「ポテチを出せる能力と言っているのだからなんにも厳しくなんてないじゃろ!むしろなんで他のスナック菓子も出せると思ったんじゃ!」


「それもそうか……」


 考えろ。


 考える時間ならいくらでもある。


 なにか見逃している点はないか?


「そうだ。そのポテチはカロリーがあるのか?」


「もちろんじゃ。いわゆる普通のポテチとなる。もっといえば、お主がポテチだと思うことができるのであればゼロカロリーのポテチだって出すこともできる」


「なるほど?つまりは実現性、非実現性は関係がない?」


「まぁ、お主がポテチだと思えばな」


 もしかして、空想のポテチも出せるのか?


 そうでなくても絶対にあり得ないほど贅沢なポテチを出すことだってできる。


 他にもマンガに出てくるファンタジーなポテチすらも出せるかもしれない。


 十億円は十億円でしかない。


 しかし、ポテチには無限の可能性がある。


「これは……わかったぞ。この選択の正解が」


「な、なんじゃ?言うて見るがよい」


「今からゲームルールを変えるのはナシだぞ?いいな?」


「もちろん、そんな姑息な真似はせん」


「金箔付きのポテチを無限に出せばいいんだよ。そうしたら、俺は無限に金を手に入れることができる。そうだよな?」


 これだ。


 もう完全に正解を見つけてしまった。


 それができるようになれば金を無限に手に入れられるようになる。


 そうすれば十億円なんて安いもんだ。


「考えたなぁ。お主、ちょっとセコいぞ」


「そもそも他にも金を稼ぐ方法なんていくらでもある。その中でもっとも効率がいいのが金箔っていうだけだ」


「なら、選択は無限ポテチでいいか?無限ポテチマン」


 俺は少し考え込んだ。


 なにか見落としているところはないか?


 なにか無限ポテチマンになることによって発生するデメリットはないのか?


「……当たり前だが、ポテチは太るよな?」


「まぁ、太るポテチを出せば太るじゃろうなぁ」


「そうだよな」


 これはどちらにでも言えることだが、俺は俺をコントロールできるか?


 もしも俺がポテチの欲に溺れてしまったらどうなる?


 そうなったら必ず普通の人よりも早死にすることになる。


 俺の感情のコントロールのことまで考えなければいけない?


 そうなると、どっちの方がいい選択になるんだ?


「な、なぁ。まだか?もう決めたんじゃないのか?」


「……」


「そんなに真剣に悩むようなことか?」



応援本当にありがとうございます!!

他にもたくさん同時連載してます!

(ちゃんと書いてます!AI じゃないです!)

もしよかったらみてみてね?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ