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「お主、無限ポテチの能力と十億円、どっちがほしい?」  作者: 豚煮豚
無限ポテチか、十億円か

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「お主、無限ポテチの能力と十億円、どっちがほしい?」


「はぁ?誰だよ、アンタ」


「だから、どっちがいい?ポテチか金か」


 俺は真っ黒な謎の空間で謎の老人に話しかけられた。


 そして、それ以前の記憶がなんにもない。


 俺がどんな環境で生きていて、何をしていたのか。


 なんにも覚えていないのだった。


 そもそも無限ポテチってなんだよ。


「で、どっちにするんだ?どっちでもいいし、いくらでも悩んでいいぞ」


「なに?十億円と、なに?『無限ポテチ?』なにそれ」


「無限ポテチとはポテチが右手から無限に出るようになるという能力じゃ。それはもう質量保存の法則だの、エネルギー保存の法則だのは当然のように無視できるぞ。なぜならば、無限だからな」


 なんで右手からポテチが無限に出るんだよ。


 てか、なんで俺は十億円か無限ポテチが貰えるんだよ。


 そんなのお金に決まって……いるとも限らないのか?


「なんで俺がその能力を貰えることになったんだよ」


「そんな質問はいらん。とにかくどっちかを選べ」


「これ、他にも質問はできるんだよな?」


「もちろん、答えられる範囲であればなんでも答えてみせよう」


 まぁ、別に本気でこの能力が貰えるわけもない。


 軽い気持ちで考えればいいんだ。


 まず、十億円の方がから考えるか?


「十億円っていうのは今すぐに貰えるのか?家に帰ったら現金がそこに置いてあるってことか?」


「違う。なんやかんやあってお前に十億円が手に入ることになっている」


「なんやかんやってなんだよ。てことは、税金も取られるのか?実質五億円くらいなのか?」


「いや、真水で入ってくる。ちゃんと十億円キッカリ入ってくることになるぞ?」


 十億円が手に入った場合、間違いなく人生は楽になる。


 俺がどんな状況にいるのかは知らん。


 が、どうせなにかしらの仕事はしないといけないんだ。


 世間体っていう物があるはずだからな。


「十億円が手に入ったことはみんなにはバレるのか?」


「そんなことはない。もちろん、銀行員など一部の職業の人間にはバレることにはなるが、基本的にそれは身内にもお主が知らせない限りは知られないことじゃ」


「なるほどなぁ」


 十億円を銀行に預けることになるのか?


 そんなに預けていたら利息のせいで確定申告をしないといけなかったりするのか?


 というか、なんやかんやっていうことはそこには面倒な書類作業もある?


「なにかしら、俺がやらないといけない作業はあるんだよな?十億円を手にするとなった場合には」


「それはそうじゃな。まぁ、一年くらいは書類など書いたり、判子を押しまくったり大変かもしれん」


「ちなみに無限ポテチに手間は?」


「そんなんあるわけないじゃろ。元に戻ったその瞬間から無限ポテチマンじゃ」


 ――無限ポテチマン!?


 これって悩まなかったら十億円になるはずだ。


 でも、よくよく考えたら無限ポテチマンの方が魅力的かもしれない。


 だって、十億円を手にするの意外と面倒そうだし。


「十億円をいきなり“パッ”と出してもらうことは不可能?」


「不可能じゃな。お札には番号が書いてあるじゃろ?それの整合性を合わせるのが無理なのじゃ。まぁ、偽札でいいなら出せるが、捕まるかもしれないからなぁ」


「銀行口座にいきなり増やすとか?」


「銀行だってお金の動きくらいは見ておるわい。どこかからいきなり十億円が送金されたりなんかしたら面倒なことになるぞ。それはそれで」


 まぁ、送金された場合は税金を払わないといけないしな。


 税金払うのはいいんだけど、書類が面倒すぎる……


 十億円ってそんなこと言っていられるお金じゃない?


 俺が変になってるだけで十億円一択なのか?


「ちなみに、過去におんなじ質問を他の人にしたことは?」


「ないわい!お主が初めてじゃ!」


「そうだよなぁ。『無限ポテチマン』なんて聞いたことがないからなぁ」


 人類史上初になれるのは無限ポテチだ。


 人類という歴史を考えれば十億円なんてそんな大した価値じゃない。


 でも、十億円があったらいろんなことができるぞ?


 いや、しかし、リスクもあるのか。


「この十億円っていうのは誰かに盗まれたり騙し取られる可能性もあるのか?」


「もちろんそれはある。だから、もしも十億円が取られてしまったらなにも残らんな」


「じゃあ、十億円を使って新しいビジネスでも……いや、でも、元の世界の俺の状況がわからない」


 もしも元の世界の俺がもうすでに十億円を持っていたら?


 そうなった場合、価値があるのは無限ポテチだ。


 そうでなくても、もしも刑務所に入っていたら?


 やはり普遍的な価値があるのは無限ポテチのように思える。


「やっぱり元の世界の俺のことを教えてもらうことは難しいか」


「それはできないことになっておる。どれだけ聞いても無駄じゃぞ?」


「……日本円が使えなくなってる……なんてことはないよな?」


「それはないと言っておこう。お主が想定している価値を持つ十億円がお主の手に渡ることになる」


 なるほど。


 やはり十億円か?


 無限ポテチなんて選ぶもんでもないか?


 そもそも無限ポテチってなんだよ。


応援本当にありがとうございます!!

他にもたくさん同時連載してます!

もしよかったらみてみてね?


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