怒り狂うお姫様
ピアート王国を発ってから半日後。
「しっかり捕まっていろ」
エーファ一行はナティア王国の近く――――人気のない森に到着した。
そこに降りた理由は一時間程度歩けば、王国にすぐ着くからと、人気のない所だったのでゲイルを見られる心配もないからだった。
……たが、問題が一つだけある。
「あててッ! あ……ここ、ケガしちゃった」
鬱蒼とした森だったのだ。それでも、少し怪我をしたものの、上手く降りれるゲイルを、エーファはすごいと思った。
着陸した途端、ユタが彼女に近付いて、怪我した箇所をすぐに魔法で治療をする。
エーファは彼に微笑みながら、礼を言うと、ゲイルを見つめた。
「で、ゲイルはどうする? ユタはともかく、あなたは見られるとちょっと…………。 ここに残る?」
木に当たらないように、上手く羽をたたんで、身を縮めたゲイルがなぜか、いたずらっぽく口元を緩める。
「――その必要はない」
そう言ったかと思えば、ゲイルが何やら手を複雑に動かす。すると、彼の全身が白い煙に包まれた。
そして、その煙がすっかり消えると――――。
「えっ? ええぇーッ!」
エーファはゲイルの変わり果てた姿を見て、思わず声を上げる程、驚愕した。
がっちりとして、強そうな銀色の体はその色を残したまま、短い髪へと変化している。そして、奥に意志を秘めていそうな黒い瞳はそのままに、ゲイルが少し端正な顔立ちの人間と化していた。
魔法使いに化けているつもりなのか、足首まである紺のローブを着ていて、名残なのか、赤い糸でドラゴンの翼の刺繍がその右胸にされていた。
……エーファはその時考えた。ピアート王国に行く途中、老夫婦に泊まらせてもらったが、きっと彼らとゲイルは人間化繋がりで知り合ったに違いない、と。
「ゲイル、そんなこともできたの? ドラゴンが人間化するなんて知らなかったわ」
ゲイルが首を振ると、「いや」と口を開いた。……ちなみに、声は変わっていない。
「できるのは力あるドラゴンだけだ」
エーファはふぅんと相づちを打ちながら、何度も納得したようにうなずいた。
魔王に無理やり連れて来れたのだ。ドラゴンの中でもかなり力を持っていたのだろう。
「ま、ゲイルが力強い味方だってことが分かったのは勉強になったわね。 じゃあ、行きましょう」
数分後、ナティア王国の入り口へと続く街道に出た途端、エーファはがっくりとうなだれる羽目になった。
ざわざわ。周りの旅人やら国民やらが人間化しているゲイルをじろじろと凝視して、騒いでいる。
最初、彼の横にユタがついているので、そのせいなのかと彼女は考えていたが、人々が騒いでいるのはどうも、彼の容姿のせいらしいことに気付いた。
……銀色の髪にそこそこの顔立ちであることを考慮すれば、仕方ないことだと思うが。
エーファは顔を上げて、ちらとゲイルを見た。人目に付いているのが気になるのか、不機嫌そうに眉をつり上げている。
またうなだれると、エーファははぁと一つため息をついて、当の本人に聞こえないよう、小さくつぶやく。
「……もしかしたら、元の姿の方があんまり目立たなかったかも」
それからしばらく、ゲイルの注目は途切れることがなかったが、入り口に着いた頃には大分ほとばしりが冷めていた。
少し安心して、エーファは王国の中に入ろうとしたが――――。
「待て! 入国には旅券が必要だ、提示せよ」
入り口の両脇に立っていた二人の兵士に止められた。
エーファは少し考え込んだ。婚約する前にはこんなことはなかったはずだと。高い身分である彼女自身も旅人も皆区別なく、中に入れていたのだ。それなのに、どうしてこんなことになってしまったのだろうか?
ふと、エーファは王子様が政治を行っていたことを思い出した。彼の父親が国のことをほとんど考えずに自分勝手な政治をしていたからだそうだ。
そうなると、今、この王国に彼はいないということになる。……確かめなければ。
「私はピアート王国の姫、エーファ・ピアートです。 事情があって、旅券を持っていません。 けれど、どうかここを通して、王族の方に謁見させて下さい」
エーファが名前を口にした途端、突然周りにざわめきが走った。
兵士達は顔を見合わせ、周りの国民らしき者達は口々に何か言い合っている。旅人達だけは要領を得ない様子で小さく肩をすくめていた。
当の本人である、彼女も全く訳が分からず、首を傾げる。とりあえず、兵士達の方を見た。
ふと気が付くと、その内の一人がいなくなっていた。彼女はどこに行ったのだろうと、辺りを見回す。
するとすぐに、その兵士が見付かった。だが、彼の背後にいる大勢の兵士達を見ると、エーファは嫌な予感を感じて、一気に青ざめる。
そして、彼女の予感は的中し、その兵士が彼女の前に着いた途端、開口一番にこう高らかに叫んだ――――。
「その者を捕えよ!」
「ねぇ……なんで?」
「さぁな」
あれから、何時間後。エーファがため息混じりにそう疑問をつぶやくと、律儀にゲイルがそれに答えるというやり取りが何度も何度も続いている。
あの後、彼女達は抵抗せず、兵士達におとなしく捕まり、連れて行かれた。
さすがに牢屋には入れられなかったものの、逃げ出せそうにない、高い塔に幽閉される羽目になっている。
最初、ユタが以前と同じように、鍵を開けてみようとしていたが、開く気配は全くなく、何度試しても同じだったので、今はふてくされて、隅で落ち込んでいた。
エーファは窓まで歩いて行き、外の景色を見る。
そこから、ナティア王国を見下ろすことができた。
あまり見えないのだが、彼女には以前と違いを一つ見付けていた。昔は活気付いていたのに、今はほとんどの人々が王国を歩いていないのだ。
「――前は旅券なんかいらなかったし、全員が中に入れた。 商人とかが来るから、経済も発展してたし、治安だってしっかりしてたのに……」
今はどうなのだろうか――――人々が外に出ていないということは治安が悪くなってしまったのではないだろうか?
こうも王国の様子が変わったということは――――。
「王子様はここにいない」
振り返ると、エーファはそうつぶやいた。
見ると、納得したかのようにゲイルがゆっくりとうなずいている。
それならば、ここにいる意味はなくなった……ということになる。
「何が、『何か知りたいのなら、彼の故郷に行ってみるといい』よ。 何も分からないし、余計に謎が増えただけじゃない。 おばばのばかぁーッ!」
そう思い切り叫んだエーファはふと、視界の片隅に眩い白の閃光を見たような気がした。
そして、不思議に思って首を傾げていると、肩をぽんと軽く叩かれる。
「呼んだかい?」
ギクリとして、彼女は背後を振り返った。……「あの」魔法使いがにやりと笑いながら、そこに立っている。
「ギャ――――っ! で、ででで……出たぁ――――――ッ!」
「『出た』とは何じゃ、『出た』とは!」
魔法使いが不満そうに唇を尖らせると、ふんとそっぽを向いた。
「あぁ……ごめんね、おばば! びっくりしただけで悪い意味じゃないのよ! ……って、おばば、何で来たの? 今のは呼んだんじゃないわよ!」
慌てたせいか、エーファは混乱した様子で口走る。
それでも、彼女の言葉を一つ一つ聞いて、理解した魔法使いがきちんと答えた。
「ま、悪気がなかったのならいいがね。 私が来たのは用事があるからとお前に危険があるからじゃ。 そうそう、言っておくがのぉ……まだここに留まった方がいい」
その言葉を聞き、エーファは首を傾げる。彼女にとっては王子様がいないと分かっただけで十分だった。……それなのに、ここにはまだ何か隠されているというのだろうか?
「前に言ったじゃろ、何か知りたいのならここに行ってみろと。 今からそれが分かる。 だがの、危険を伴うから、私はこうして来たんじゃ」
魔法使いの言葉を聞き、エーファは一層首を傾げながら、訝しげに思った。それに「危険が伴う」という言葉が妙に引っ掛かるのだ。
「なんなら、私が元の姿に戻ることでここを潰して、逃げることだってできるんだぞ」
横から、ゲイルが口を挟む。エーファは彼をちらりと見たのたが、その口元がいたずらっぽく歪められていることに気付く。
「……いくら人が少ないからって言っても、さすがにそれは目立つわよ。 いや、そうじゃなくても絶対目立つから、止めてちょうだい」
ふむと相づちを打って、彼がまだいたずらっぽく笑いながら、口を尖らせて、「残念だ」とつぶやいていた。
そんな彼を放っておいて、エーファは魔法使いの方に向き直る。
「分かったわ、おばば。 もう少しだけ残ってみる」
満足したようにうなずいたかと思うと、魔法使いが眉を潜め、扉の方をじっと見つめた。そして、すっと姿を消す。
それでも、魔法使いがちゃんと側にいることがエーファには分かっていた。
改めて、エーファは部屋の中を見回す。横は何メートルぐらいあるのだろうか、少なくとも、一万程、いや、それ以上の人が入っても楽にいられそうだ。それに、天井はものすごく高い。ずっと見上げていると首が痛くなりそうだった。そして――――。
彼女は目を細めて、部屋の前方を見つめた。そこにはナティア王国の王が立っていて、脇に控えていた、黒いローブを身に付け、フードを深く被った者に何かを話している。
その者に見覚えがあった――――いや、むしろ彼を知っているような気がするが、今はそれどころではない。偶然、拾い聞きした内容が信じられないものだったのだ。彼女は耳を済ませて、二人の会話を聞こうとした。
そして、間もなく息を大きくのむと、前方へと歩き出した――――怒りを眉間に刻み込みながら。
「……どういうことなの! あなたが魔王に私を“売った”なんて! 一体王子様をどこへやったの!」
後ろで、エーファの味方達が彼女と同じように息をのんで、嫌悪の目を王に向けた。
エーファは荒い足音を立てながら、前方に歩いて行く。
「答えてッ!」
王がこちらを見る。かと思えば、突然、笑い出した。
彼女は立ち止まると、後ろに掛けてあった弓矢に手を伸ばす。
「その通り、私がお前を“売った”。 ピアートの姫達は能力を持ってるって聞いたんでな。 だから、お前も何か特別な力を持ってるはずだって、魔王に情報を売ったのさ!」
目を細めて、彼女は王を見つめながら、その言葉に答えた。何だか様子がおかしい、そう思ったからだ。
「誤解よ! 私はあらゆる生物と話ができるだけ――――特別な力なんてないわ!」
王が「いいや」と首を横に振る。そして、こちらに向かいながら、また口を開く。
「そんなことはない。 魔王はお前が確かに特別な力を持っていると言っていたからな。 魔王が約束してくれた――――私がお前をさらう手引きをしたら、“報酬”をくれる、と。 それがあいつとお前の婚約の日だ。 だがな――――」
「あいつ」とは王子様のことだろう。そう考えながら、エーファは黙って、話を聞いていた。
「あいつは裏切ったんだよ! 私と同じようにこのことを知っていたっていうのに! 今は魔王に抵抗しようと必死なはずだ!」
……やっぱり、様子がおかしい。前はもう少し優しい人だったのに、今は人が変わったように邪な考えを持っているみたいだ。それに、自分の息子を「あいつ」呼ばわりしたりするなんて、どうかしている。
そう思いながら、エーファは内心ほっとしていた。なぜなら、王子様がこの王と同じように、彼女を“売ろう”としていないと分かったからだ。それどころか、魔王に抵抗しようとしていることも分かった。どこに行ったかは分からないものの、それだけで大きな収穫だった。
しかし、魔王が彼女に特別な力があると言ったことも気に掛ったのだ。本人としてはそんなつもりはなかった。まさか、生物と話せること自体が特別なことなんだろうか?……とてもそうは思えない。
エーファが考えている最中に、王がまたもや口を開く。
「……だが、そんなことはどうだっていい。 問題はお前が逃げ出して来たってことだ」
その次の瞬間、彼の隣にいた者がうごめいた。
それに気付くが否や、彼女は早業で弓矢を構え、その者を射る。
――が、矢はその者を射ることができず、ただするりと通り抜けただけだった。
「幻!」
悔しそうに、エーファは叫ぶ。……いや、実をいうとそんな気がしていたし、魔王と関係がある者だとも予想がついていたのだ。
その者が何事もなかったかのようにまたうごめくと、すっと姿と消した。
そして、王の背後に現れて、何かをその耳元でささやく。
すると突然、王の目付きが獣に似たものへと変化し、こちらに走って来た。
「わっ!」
その次の瞬間、エーファは後ろに強く押し倒された。すぐ目の前に王がいる。
まるで特別な獲物を見つけたかのように、彼はにやりと笑っていた。そして、顔を近付けると、荒い吐息を吹き掛ける。
エーファは気持ち悪そうに顔を歪める。
「いや、いやっ、いやあーッ!」
そして、じたばたして、何とかうつ伏せになると、必死にその場から離れようとする。……ふと、彼女は視線を感じた。
「……!」
急いで、その視線を辿る。――ゲイルだった。彼が何か言いたげにこちらを見ている。
ふと、彼女の頭に、「なんなら、私が元の姿に戻ることでここを潰して、逃げることだってできるんだぞ」という言葉がよぎった。
改めて、エーファは部屋を見回し、その広さを実感する。ゲイルの言おうとしていることが分かった。
「ゲイル!」
彼女は短く、名前だけを呼ぶ。それだけで伝わると思ったのだ。
その証拠に小さくうなずいて、ゲイルが胸に当てた後、手を高く上に上げる。すると、その手が眩いばかりに光り輝き、その光が彼を包んだ。
――――グルルァ――ッ!
雄叫びを上げ、羽を広げながら、銀色のドラゴン――――ゲイルが姿を現した。
ゲイルを見た瞬間、王が声も上げずに青ざめて、後ずさる。
その隙に、エーファは横に逃げると立ち上がり、頭を下げていたゲイルに飛び乗った。
頭を上げて、彼が王に襲いかかろうとした時――――。
「お待ち!」
制止の声が上がった。
振り返ると、姿を現した魔法使いが怒りを露にして立っていた。
「王よ、お前は魔王に魂を渡したのか!」
――――カツカツカツ……!
怒りを含んだ声で叫び、激しく足音を立てながら、彼女が王の方に早足で歩いて行く。
そして、杖を魔法で呼び出し、高く上げると、短く詠唱をする。
「“清光”」
すると、杖が強く、白い光を発した。それを確認した魔法使いが、とても老いているとは思えない俊敏な早さで、王の元まで走って行く。
杖を彼に叩き付け、彼女がその背後にいた者を睨み付ける。
ぶるりと震えたその者がすっと消えた。すると、王がその場に倒れる。気を失ったのだ。
「……死んじゃった?」
エーファはゲイルから降りると、思わずそう聞いていた。
なぜなら、王が死人のように青白い顔で倒れているのを見たからだ。
魔法使いが「いや」と首を横に振り、口を開く。
「死んではおらん。 “売った”という言葉から察して、本当にこの王はお前を魔王に売ったようじゃ。 そして、その時点で魂を渡したか、取られたかしたらしいのぉ」
エーファは納得したようにうなずく。
「人が変わったみたいだったもんね。 ……後半、獣化してたし。 それで、どういうことなの?」
最後は色んな意味を込めた質問だったが、それを察したようにうなずき、魔法使いが答えた。
「あの魔法は邪になってしまったモノを光で清める魔法じゃ。 たまに効かない時もあるが、大体は効く。 目が覚めたら、正気に戻っておるだろう。 そして、王の後ろにいたのは魔王の分身みたいなものじゃよ。 ……それがどういうものか、私にもさっぱり分からんがのぉ」
おばばに分からないなんて、魔王はよっぽど強い力を持っているんだろう。エーファはそう考えながら、納得したという意思表示をするため、こっくりとうなずいた。
「あ、そう言えば! おばば、用事があるって言ってたけど、それって何だったの?」
魔法使いがはっとしたように顔を上げると、懐をゴソゴソと探る。そして、少し経ってから、目的の物を見つけて、エーファに差し出した。
彼女は何だろうと首を傾げながら、それを受け取る。
それは紙切れだった―――くしゃくしゃに丸められ、しかも、ボロボロだ。
彼女は丁寧にそれを開くと、目をざっと通した。
それには物の名称と、国の名前と思われるものが魔法使いの字で書かれていたのだが――――。
「コレ、何? ココに書いてあるのって国なの?」
エーファには知らない物だらけだった。
彼女の反応を見て、魔法使いが情けないと言わんばかりに強く額を片手で叩き、ゲイルがふっと鼻で笑った。
やれやれと頭を振った後、魔法使いが口を開く。
「あぁ……そうじゃった。 世間のことについて、お前はまだ勉学中だったの。 それは国名、その隣に書いてあるのが魔王にも通用すると言われている道具じゃよ。 エーファ、世間のことを学んだ後、それらを見つけに行きなさい」
しばらく、その紙切れと魔法使いを見比べながら、言われたことが理解できないというように首を傾げた後、やっと思考が追い付いたのか、エーファは目を見開き、慌てふためいた。
「えぇッ?! なんで? さすがに勉強しなさいっていうのは分かるけど……だって、私、世間知らずだし。 だけど、その『魔王に通用する』ものを探しに行かなきゃいけないのはどうして?」
「逃げ出して、そうやっていつまでも、のこのこと歩き回っている訳にはいかんじゃろう? 王子を見つけに行くのではないのか? 私が思うに、彼はきっと魔王を倒す考えを持っておる。 それらを見つけながら、彼を探す。 そうして、彼と再会し、魔王と対峙する時には役立つじゃろう? それに、王国の者達も助けたいのではないか?」
魔法使いの言葉を聞いて、エーファははっと息をのみ、うつ向く。確かに、いつまでもこうしてる訳にも行かない上、王国の人々を助けたかったし、王子様も探しに行くつもりだった。魔法使いが言うのだから、王子様が魔王を倒すつもりなのはほぼ当たっているだろう。けれど、もしも彼女の言うような場面に遭遇し、自分がいたところで、何の役にも立たないのではないだろうか?
しばらく悩んでいると、ふとゲイルが隣に頭を降ろした。そして、こちらに目を向けると、口元を緩める。
「何を悩んでいる? その道具を探しに行くといい。 私ももちろん手伝わせてもらおう。 大丈夫だ、お前は“強い”からな」
彼なりの励ましに、エーファは何だか嬉しくなった。そして、また考え込んだ後、彼にうなずく。
「分かった、探しに行く。 王国の皆を助ける!」
ゲイルがうなずき返すと、「それでこそ、私の『気に入った』姫だ」と言った。
エーファは苦笑いしながら、魔法使いの方を向く。
「おばば、私、行く!」
魔法使いが満足そうに笑うとうなずき、魔法陣を描き始めながら、口を開く。
「よし。 それなら、まずは勉学じゃの。 ある人を紹介しよう……彼の家までお前達を送ろう」
その間にゲイルがまた人間化し、それが終わった時、全員が魔法陣の中に入り、ナティア王国を発ったのだった。