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第8章 担任の先生から届いた一枚のハガキ

※この連載に書いてある文章はすべてノンフィクション(実話)です。

私は大学でも辛い思いをたくさんしたので、こんなに休んでしまったという気持ちも強く(後期の授業をすべてキャンセルしてしまったのです)、とにかく大学に戻りたくありませんでした。スマホを手にしてから他の職種を探したり大学中退者の就職について調べたりしていました。気持ち的にメールもLINEも開けませんでした。周りの人から遅れを取っている現実と向き合いたくなかったのです。

しかし入院してから1か月ちょっとが経って、大学の担任の先生から一枚のハガキが家に届いたと家族が教えてくれました。

そこにはとても綺麗な字でこんな内容が書いてありました。

『ご体調はいかがでしょうか?突然入院したと聞いてとても驚きました。少しでも早く回復してまた大学でお会いできることを楽しみにしています。K先生』

私はこのハガキを見て思いました。

「大学にこんな私のことを待ってくれている人がいるんだ。」

担任の先生には1年生の頃はお会いする機会が多かったのですが、2年生になってからはほとんどお会いしていなかったので私の中で存在が薄くなっていました。このハガキが届いてやっと「そういえば担任の先生っていたな。」と思ってしまったのです汗。

私はそれから大学に戻ることを決心しました。そして、メールやLINEも開けるようになりました。メールで担任の先生にも御礼を申し上げ、入院理由も包み隠さずに話しました。

私が入りたいと思っていた研究室の先生にもメールできました。その先生も私の話を受け止めてくれて「人生の中でそんなに長い時間じゃないからゆっくり休んでください。」と労いの言葉をかけてくださりました。

私はメールではなく、わざわざ家にハガキを送ってくださった担任の先生にとても感銘を受けました。そして、心から感謝しています。

私は元々手紙を書いたりもらったりするのが好きでした。たしかにSNSを使えばいつでも誰にでも伝えられる世の中だけれど、手紙って手元に残るし手紙を書いている間は相手のことを思い浮かべながら書きますよね。それってすごく素敵なことだと私は思う派なんです。

私は担任の先生が私を思い浮かべながらハガキを選んでくれてハガキに書く文章を考えてくれてハガキを送ってくれたーその”過程”がとても嬉しくてありがたくて胸がじんわりと温かくなりました。

私はこのハガキを一生のお守りにしようと思いました。


ー大学の友人に入院理由を話し、担任の先生からハガキが届いたことを伝えると、友人はLINEでこのように送ってきました。

「私も手紙を送りたかったんだけど、住所が分からなかったから送れなかったの。」

私はLINEで住所を教えました。その子はすぐに手紙を書いて送ってくれました。

その手紙を読んで私は自然に涙があふれ出てきました。

『みんな何も変わらないまま、あなたの居場所は心地よいすきま風が吹くように、ポッカリ空いた穴でもなく埋まったわけでもなく自然なままずっとここにあるから。あなたが存在していることが美しく幸せなことなんだよ。』

こんなに綺麗な言葉をくれる私の友人こそが美しいですよね。


つづく

メールでなくハガキをくださったこと、それが私にとって大変光栄なことでした。こうやっていろいろな人が支えてくださって私は大学に戻る意欲を戻せました。皆さまにもきっと困ったときに助けてくれる人たちがいることを願っています。

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