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第1章 やりすぎ!抱えすぎ!悲劇のヒロインになりすぎ!

※この連載に書いてある内容はノンフィクション(実話)です。内容が重たいので、無理しない程度でお読みください。

大学2年生の後期。前期よりも格段に授業が少なくなり、私は部活動、アルバイト、ボランティア、防災ゼミにようやく全力投球できると張り切っていました。

しかし、私の理想と現実は全く違うものでした。

部活動では部員たちと全く馴染めず、アルバイトでも(家庭教師とフリースクール)「自分のこの指導はこの子たちのためになっているのだろうか?」「私、子どもたちに全然好かれていないよな。子どもたちの変化にも気づけないことが多いし。どうしよう、教師になれないかもしれない。」と考えたり、フリースクールではバイト先の人ともなかなか馴染めず、大学で授業を受けに行っても誰とでも話せる友達がまぶしく見えて「いろいろな人と話せていいな、それに対して自分は全然いろんな人と話せない。」と大きな劣等感を感じていました。深い孤独感と疎外感が私に付きまといました。

そういうことが重なりに重なって、信頼できる家族や数人いる友人、大学の先生方、旧友にも自分の苦しみを話すことができず。

私はフリースクールのアルバイトから帰ってきた夜に思いました。

「私は他の人と話せない。人と話すのが怖くなってしまった。人と話せないなら私はもう死ぬしかない。」

私は翌日この世を去ることを決めて、夜中に遺書を書きました。

遺書を書いた理由は、「私が死ぬのは誰のせいでもなく、ただただ私の複雑な性格のせいだ」と家族や友人たち、旧友に伝えたかったからでした。

こうして私は死に向かっていきました。

翌日、私は朝に母とハグをして笑顔で母を見送りました。これが最期だと思いながら。

遺書を家のテーブルに置いて自宅のマンションから飛び降りようとしたものの、なかなか勇気が出ず。(私は絶叫系の乗り物や注射も怖いほどビビりな性格なんです。)

母や旧友に「今までありがとう」といった内容の連絡を入れてしばらくして父からかかってきた十回ほどの電話にも出る勇気も出ず。なぜかというと、死ぬのを引き止められたくなかったからです。

マンションの階段の踊り場に立って身を乗り出そうとしたら、いつの間にか父に自分の名前を呼ばれていました。父は何か危ないものを感じて仕事を早退して家に帰ってきていたみたいなんです。父に抱きしめられて保護されてから家に戻ると、すぐに警察官が家に入ってきました。

「よかった、見つかったんですね。」

警察官のおじさんが言いました。私は放心状態でおじさんの顔を全く見れないまま、ただただ涙が止まりませんでした。なんということだ、警察沙汰になってしまったのかと思いました。

それから警察官のおじさんに私の遺書を写真に撮られて、父が事情聴取をされている間に母と姉が家に帰ってきました。母は「生きててくれてありがとう…。」と床を這って泣き叫びながら過呼吸になっていました。姉も泣いていました。2人とも仕事を早退して帰ってきたのです。

いつの間にか警察官の方がもう1人家に入っていて「今すぐ精神科の病院に行った方がいい」と違う部屋で話している声が聞こえました。その時、最初に来た警察官のおじさんがしゃがんで私にこう言いました。

「実はおじさんの娘もね、あなたと同じ行為をして入院したことがあるんだ。でも娘は入院したあと、また人生を歩みだしたんだよ。だから、あなたももう自分で自分の命を絶たないっておじさんと約束してほしい。」

私はうなずけませんでした。死にきれなかった自分を責めていたからです。

こうして私は父と姉と(母は過呼吸で動けず家に待機することになりました。)以前行ったことがある精神科の病院に行き、自分から「今の自分は何をするか分からないので入院したい」とお医者さんに話して、お医者さんの勧めもあり、入院が決まりました。


ーでも今の私なら警察官のおじさんに大きくうなずけます。そしてこう伝えるでしょうね。

「もちろんです。必ずその約束を守ると誓います。私は自然に自分の命が尽きるまで自分の人生を全うします。たとえどんなに辛くても苦しくても、私は一人じゃないから。」


つづく


次回は第2章、いよいよ入院生活についての幕開けです。乞うご期待(^-^)

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