第9章 人生初の作業療法
※この連載に書いてある文章はすべてノンフィクション(実話)です。
平日の午前中は2人の作業療法士さんにお世話になって作業療法(いわゆるOT)に参加していました。毎週金曜日には昭和歌謡好きにはたまらない線付きマイクでカラオケができました。私はほとんどiPadで動画視聴をしていましたが、カラオケの日はダイヤモンドアートや裁縫に挑戦しました。私はカラオケで明菜ちゃんや聖子ちゃん、百恵ちゃん、みぽりん等々の昭和アイドルの曲をたくさん歌って(たまに振り付け付きで調子に乗っていました笑)、とても楽しい時間を過ごしました。
年越しの前には「書道やらない?」と作業療法士さんに誘っていただいて「謹賀新年」と「本年もよろしくおねがいいたします」などを書かせてもらいました。書道は別に習っていたわけでもないし、賞ももらったこともなかったので自信がなかったのですが、久しぶりにやってみたらなかなか上手にできました笑。今まで自分は苦手だと思い続けていたものも、時を経て改めてやってみると意外とできることもあるんだなと思えました。裁縫も自分が苦手なのは分かっていたものの、苦手を克服したいという気持ちから挑戦したんです。本当に簡単なものでしたが、玉結びと玉止めがようやくできるようになりました笑。そして、作業療法の時間の最後にやるダンスが何よりも楽しかったです。簡単な振り付けのYMCAをみんなで踊ったのが特に印象的でした。毎回作業療法士さんも一緒に踊ってくれて最高でした。私は退院後も同じダンスをして気分転換ができるようになっています。
ー退院前最後のカラオケで私は百恵ちゃんの『さよならの向こう側に』を歌いました。
最初から泣きすぎて1番はしっかり歌えませんでしたが、2番以降はどうにか持ちこたえて歌い切りました。入院生活前の自分、入院生活中の自分、退院後の自分のことを考えたら涙を隠せずにお別れになってしまいました笑。最後は百恵ちゃんと同じようにマイクを床に置かせていただいて深くお辞儀しました。Aさんは私を強く抱きしめてくれました。あの時にあびた大きな拍手を私は一生忘れないでしょう。
“Thank you for your kindness
Thank you for your tenderness
Thank you for your smile
Thank you for your love
Thank you for your everything
さよならの代わりに”
つづく
作業療法のことを私は一生忘れないと思います。毎週金曜日にカラオケをしてみんなの前で昭和アイドルの曲を歌うのがとても楽しかったです。今思えばよくみんなの前で歌えたなと思うのですが(笑)
辛いことも多かったけど、楽しいことも新しい出会いもあった入院生活でしたね。作業療法士さんってなんて素敵な職業なんだろう!と感激しました♪




