第52話 デート
そして、その翌日、
「わーい、僕とリスリィのデートだ」
「私もレイアも女でしょ?」
「そーだけどさー」
レイアとのお出かけだ。
実のところ顔がばれているのが今のところラヌアスしかいないらしい。
とはいえ、変装は必須だ。
私もレイアもいつ襲われてもおかしくはないのだから。
「僕ね、リスリィともっと話したかったんだ。だって、初対面の時結構警戒してたでしょ?」
「そりゃ、するわよ。だって、急に話しかけられたんだもん」
「そりゃ、そっか。でも、これから距離を知事めていけばいいもんねー」
そう言って私に抱き着いてくるレイア。
うん。正直この子苦手かもしれない。
だって、距離感近くない?
しかもこの子結構胸あるのに、それを押し付け来てるし。
……しかも、悪気がないところが……。
天然なのかな?
とはいえ、今のこの時間で好きになっていけばいい話だろう。
「それで、今日はどこに行くの?」
「ふふふ、それはね」
そう言ってレイアは歩き出す。よくわからないけど。向かって行くしかなさそうだ。
そしてついに、目的地と思わしき場所にたどり着く。
だが、その場所はいかにも異様な場所だった。
まさに、そこがその目的地だなんて一見全く分からないほどだ。
「ここって、別の隠れ家だったりする?」
「ううん、違うよー」
違うと言われてもますます謎が深まるだけ。
本当にここはどこなの?
「ここはね、僕の研究室なんだ」
研究室。
確かに色々と飾ってある。
「ちなみにここはラヌアスでさえ知らない場所なんだ」
「へー」
ん?
「ラヌアスさんでさえ知らない?」
「そうだよ。それくらい大事な場所なんだ」
「なら、なぜそこに私を連れてきたの?」
「僕はね、知ってるんだ。君がただの魔王継承者じゃないって」
確かに私は魔王ではなく、大魔王の魂継承者だ。
そして添えはラヌアスにもレイアにも告げてはいない。
なら、なぜ赤ったのだろうか。
「簡単な事だよ。僕の持っている魔王の能力だ。他人の詳細な設定を知ることが出来る。例えば血液型、例えば性別、例えば年齢。例えば継承してる魔王を」
「……だから、あの時私が魔王の魂を持っているって分かったのね」
「そう言う事。それで、ここからが本題。君は魔王の上の大魔王だ。そして、今のままだと君が大魔王継承者だとは知らないラヌアスは君を部下として扱うだろう。でも、僕が君のことを大魔王と訴えれば君は王に慣れる。どうしたい?」
「私は王になりたいわけでは無いです。だからラヌアスさんが王になればいいと思う」
「はは、そう言うと思ったよ。でもね、僕は君が王になった方がいいんだ。ラヌアスよりも君の方が御しやすいからね」
「つまり自分の利益を求めての事ですね」
「ああ、そうさ。さて、ここからだ。君が王になれば、僕はできるだけのサポートをする。だが、君が王にならないなら、僕は君には何のサポートもせず、他人のようふるまうだろう」
「それは脅しという事ですか?」
「どうだろうね」
確実に脅しだ。
でも、不思議だ。なぜ、私に選択を仰いだのだろうか。選択させずにいやおうなしに王に仕立て上げたらいいはずだ。
という事は、やはりラヌアスさんは私に石を解いてくるのだろう。
そしてその時のために私にイエスと答えさせようとしているのだろう。
ならば私はどうする?
正直王になりたいわけでは無い。私は王には不向きだと思っている。
だが、彼女がこういっている理由を考えてみれば、彼女は私が王になった方が御しやすいと言っていた。
でも、本当にそれだけだろうか。
「私の方が王になった場合、御しやすいと言っていましたけど、それ以外にも理由はありますか? 御しやすいのなら、言わない方がいい気がしますけど」
「そうだね。僕にっ手はラヌアスには悪いけど、君の方が大魔王の器であることからもうかがえるように、潜在能力は高い。もしかしたら今の時点でラヌアスよりも強いかもしれない。それを王にしないでどうするのか」
「なるほど……。つまりあなたはより良い部分を追及してるという訳ですね」
「そうだな。ついでに言えば、僕は君しか王だと認めない。ラヌアスは暫定の王として見ているからね」
こういわれたら、もう王になるしかない気がする。
ここでレイアほどの実力者をなくすのはもったいなさすぎる。
何より、勝てなくなる。
「分かった」
不本意だけど。
「王になるよ」
「やったー!! ありがとうリスリィ!!!」
そう言って抱き着いてくるレイア。
やはり胸がぐっと当たる。
やっぱり、私への当てつけなのかな。
「ねえ、レイア」
「どーしたの?」
「胸を押し付けてこないで」
レイアを無理やり自分の体からはがすのであった。
「それでここが僕の研究室って言ったよね」
「ええ」
「ここはまさに、僕の知的欲求を満たすとともに、魔王の魂について調べている。ここにいる魔王の魂の継承者は、みんな過去から魂を飛ばされてそれを受け取ったものだ。そこで、僕はその魂について調べている。……君も恐らく魔王と対話したことがあるだろ?」
「ええ……ピンチの時に」
「まず、僕がしたのはその対話を常にする方法だ。つまり魔王の魂を表に、そう心の中に健在させる事。これ自体は上手く入っている。今や僕は魔王ウラハヌスとも心の内で自在に会話ができるようになっている。
実際これはラヌアスでさえ実現できていない事だ。そう、そこが問題なんだよね。僕はできても、他の人はできない。でもね、僕は大魔王の魂を持つ君ならばできるんじゃないかってにらんでいるんだ」
「それは関係ないと思うけど」
「いや、絶対に行けるはずだ。そして、僕の実験に役立ててほしい。僕の持論は間違っていなかったって証明してほしい」
そうは言われても……。
「だから、君は今からしんどい事になると思う。だけど、大魔王と会話して欲しい」
「大魔王と」
リスタルはたまにしか現れない。わたしから自由に求める事は出来ない。
出来ないのだけど。
「分かった」
それならば、頷ける。
「ありがとう。では、もう準備はいい?」
「っまだ」
「まだ、ね。なら準備が出来たら言って」
「うん」
私は怖い、
ほんとうに大魔王リスタルと会話してもいいのだろうか。また、心を取られることになったらどうしよう。
だけど、分かってる。そうすれば私は大魔王リスタルの力を十全に発揮できる。そうなれば私は無敵になれる。
分かった。
「準備はいいよ」
そして、わたしはそう告げた。
もう逃げない。そして、わたしは
「ありがとう」
そして、私の体は器具によって拘束されていく。
「行くよ」
魔力をンぶつけられる。その瞬間私の意識は闇に消えた。




