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大魔王の器の少女。三〇〇年後の世界で無双する  作者: 有原優


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第51話 新たな仲間

 私はその足で隣国、アスティス王国に亡命する。

 その国は今この帝国と敵対しているが、亡命者は基本受け入れている。

 瘴気が消えるまで、森に潜み、そして瘴気を決してから国に入る。


 出来る事なら、皆に一言話しておきたかったが、それはかなわなかった。

 それに、レイラも回収できていない。


 警備が手厚くなって、そう簡単には国に戻れないようになっていたのだ。


 私は今までの事を忘れ、アスティス王国で生活しなければならない。



 だが、もしまた正体がばれ、アスティス王国まで追いやられたら私はどうするんだろうか。

 私にはわからなくなってきた。




 とりあえず、近くの宿に泊まる。


 お金は後払いだ。期日までにお金を稼がなければならない。


 私は街中でラヌアスと言う名前を見た。賞金首だ。


 ラヌアス。それは私も聞いたことがある。

 今巷を騒がしている魔王の転生体。


 あの国での魔王がラヌアスという事になる。

 人間ながら魔王の力を持っている人物だ。


 そして人間ながらこの国に対して反骨心を持ち、そして、反乱を企んでいるという。

 実のところ、私が追い出されたのも、こいつのせいという可能性がある。


 そもそものところ、なぜ、私が追い出されたかというと、これが原因でもあるのだ。

 ただ、なぜ私が大魔王の生まれ変わりだとばれたのかはいまだに謎なのだが。


 そして、逆に言えばこの国でも完全に立場があるわけでは無い。

 大魔王の魂を宿しているとばれたら絶対にスパイと勘繰られ、投獄される。



 言わばこれも賭けみたいなものだ。


 さて、この国ではとりあえず私は金を稼がなくてはならない。

 ただ、前みたいに、ただ単純に力を振るうだけではまたこの国を追われるだけだ。

 全く、ようやく自由な暮らしができると思ったのに、また仕事をしなければいけない。


「あーあ、せっかく、私のこの力が役立つと思ったのに」


 前途多難だ。


 そして私は、しばらくたち、仕事を見つけた。

 それは所謂飲食店での接客をするだけの仕事だ。


 正直、この力を持ってすることがこれかという気持ちはある。

 ただ、言いようによればこれが普通の生活だ。

 そう考えれば、何も困ったことは無い。困ったことは無いのだ。


 それから毎日働き、毎日お金を稼ぎ、毎日楽しむ生活が過ぎていく。

 その生活も別にいい。

 ただ、何か足りない。



 私はこのままで、本当にいいのだろうか。



 そんなある日。


「あなたは魔王関係者か?」


 急にそのようなことを言われた。

 私は困った。

 何を返したらいいのだろう。

 私はどんな反応をしたらいいのだろう。


 困っていると、



「いい、僕たちは君の敵じゃない。ただ、僕は君を助けたいんだ」


 そう言ったのは白髪の長髪を持つ美少女だx多。



「僕は魔王ウラハヌスを見に宿す物。名をレイアという」

「レイア……」


 なんだろう、その声は綺麗だ。

 だけど、私はし尿などできない。

 綺麗で身にスンと入るような声だが、それがむしろ怪しいのだ。


「私に何をしてほしいの?」

「僕は君には何も求めない。ただ、僕と一緒に国の建国の助けをしてほしい」

「国の建国?」


 私はひとまず彼女についていく。

 その場所に着いた途端に襲撃されるなんてことは無いわよね。


 そして歩いて施設に入っていくと、レイアが、「ラメンダメルク」と言ってドアが開く。


「合言葉?」

「いや、ただの気分さ。普通に手をかざしただけで空く」


 悪乗りじゃん。

 まあ、私そう言うの嫌いじゃないけれど。


「レイア、連れて来たか」


 そう言って現れたのは、金髪の男だ。かなりの長身で、恐らく私より頭一個、いや、二つ分は大きい。


「俺がラヌアスだ」


 そう、男は名乗りを上げた。

 あまり驚かなかった。この状況で来るのはそう言う男であることは確実であったから。

 そもそも国を作ろうとしている男なのだ。国から反抗的と思われていても不思議ではない。


「驚かないんだな」

「ええ。なんとなく察していましたから」

「そうか……まああ、それはいい。俺からこの組織の目的を伝えておきたい」


 そして、ラヌアスは前ががりになる。


「俺たち魔王の魂を宿しているものは魔王と同一視される。それはお前も味わっているだろう」

「それは……」


 私は魔王を討伐したのに、命を狙われた。そして今祖国では犯罪者のような風に扱われている。



「だからこそ、我々は今戦い続けている。魔王の魂の所持者が、平和に過ごせるように」

「それは訊いています」


 先程、来る道中でレイアから聞いた。


「そうか」

「それで、私が今訊きたいのは、どうやって国を取るかです。元々ない領土に作るのは不可能。つまりどこかの国の領土を奪う必要があります。しかし、それは難しい行為です」

「なるほど。それは簡単だ。我々は数少ない犠牲で済ます」

「それをどうやって――」

「脅すのさ」


 脅す。……つまり、どういうこと?


「俺たちは軍事力をつけ、奴らの将軍クラスの敵を倒し、人質に取る。そしてそれを糧にして領土を奪うのさ」


 人質作戦という事か。

 でも、気がかりなことがある。


「それはまさに魔王的行為なんじゃ」


 そんなことをしたら好感度は下がってしまう。

 人質を使い領土を得たとしても、今度は一気に同盟を組まれて責められるだけだ。

 今の時代、同盟国なんてものがないと、すぐに国など瓦解してしまう。


「ならばそれ以外の方法などあるか? 関挙げてみろ。我々はすでに嫌われている身。先ほど挙げた方法も唯一俺たちが犠牲無しに国を作れる方法だ。それ以外の方法だとどうしてもだれか死ぬ」

「でも、それは一時しのぎ――」

「だが、国を作った後のことは考えている。魔王の庇護に入る」

「魔王の庇護……」


 それがどういう意味をあらわしているのかはわかる。

 魔王の庇護に入るという事はつまり魔王の味方――人類の敵に入るという事。


「私はそれは認めたくない。あくまでも人間でありたくない。魔族なんてなりたくない」

「お前たちは今まで人間に何をされたか覚えていないのか? 奴らは我々を迫害した。魔王の魂が入ってるといるという理由だけで」

「……」


 確かに、迫害されたのは事実だ。

 でも、それで関係ない人類を攻撃するのは別だ。


「私は逆を訴えます」

「逆だと?」

「魔王を討伐するのです。そして我々の有用性を示すのです」

「それは一度は考えた。だが、それも難しい。信用されていなさすぎる。共謀を疑われる」


 八方ふさがりか?

 でも、まだ手はあると信じたい。


「でも、やってみない事には何も始まりません」


 という事で、今の選択肢は二択だ。

 国を乗っ取るか、魔王討伐に動くか。


 つまり人間を脅すか、人間の信頼を得るか。


 だが、そこで私の脳裏に浮かぶのはあの苦い記憶。

 魔王討伐に動いたのはいいものの、即座に味方から封印され、裏切られた記憶。

 そして今も、魔王を討伐したのに、国を追われた。


 どう考えても、魔王討伐で手柄を挙げただけじゃ、信用させるのには少し足りない

 かといって、地とを得てから魔王討伐に動いてはその間に国土が取り返される。

 ならばどうするか。


「私は……」

「どうする?」

「人間に裏切られた記憶があります。ただ、完全に人間に対して失望するにはまだ早いと思います。なので……まずはあなたたちの言った戦略でいき、国の政策として魔王討伐に動く。そお方法で信頼を得る。これでどうでしょうか」

「国の防衛と魔王討伐。両方動くという事か。……見事な策だ。……とでもいうと思うか?」


 それは分かっている。私も完ぺきな策ではないと思っている。

 何しろ、私も人間に裏切られ続けたから。

 利用するか、封印するかしかないのだ。


「俺たちの最終的な目的は、人間と分かり合う事ではない。武力による完全なる独立だ。そのためには分かり合う必要など到底必要がない」

「実は……私の策を実現するためのいい方法があります」

「急にどうした?」

「武力で捻じ曲げるのには変わりありません。しかし、完全なる武力だけだと不可能です。……でも、無垢な子供の意見ならどうか。……私の方策はこれです。教育によって人間前体の価値観を変えるのです」


 そう、子供に実は魔王の魂を持つ人たち、所謂デーモンソウル(レイアがそう言っていた)の人たちは悪くない。魔王から守るために国々を侵略したと伝えるのだ。


「その方法ならば、段々と我々の評価を挙げることが出来るのではないでしょうか。……何しろ、私たちの寿命は一般的な人間のそれよりも長いのですから」

「はははは、なるほど。段々と夢物語ではなくなったな。……レイア、やはりこいつは連れてきて正解だったな」

「ああ、僕もそう思うよ」


 そして、私とラヌアスは握手をした。

 だが、これからの方策が決まっただけだ。

 これからはそのための詳細な決定を繰り広げなければならないし、ラヌアスが夢物語ではなくなってきたという言葉通り、軽い夢物語ではあるのだ、


「とりあえずだ。結構は5日後だ。それまでは互いに練磨し合うがいい」


 そう言ってラヌアスは去って行った。

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