第50話 逃亡
メドリアが消滅し、私は大魔王の力を解除した。
幸い短時間で決着を付けられた。
そこまで私の瘴気は濃くなってないだろう。
私は「ふう」と、胸をなでおろし、少し歩き出す。
「これはどういう事だ?」
背後から声がした。
「これはどういう事だと聞いているんだ」
そこにいたのは、レアネスさん。
彼は剣を抜き、私に斬りかかってくる。
「っ一体どうしたの?」
私は叫ぶ。
「お前が大魔王だったのか」
「っそんなこと言われても」
「大魔王だったのかと、訊いているんだ!!」
威圧感を彼は漂わせている。
ここは、言い訳はできない。
「私は大魔王の力を確かに持っています」
覚悟を以て私は話した。
「なるほどな。魔物を引き寄せていたのは貴様だったのか」
「っそれは誤解もいい所です」
「お前が学園に来てから何度か大魔王の瘴気が確認されている。お前の事だったのか」
「っ」
「お前の瘴気が魔物を引き寄せていたのか」
そんなの完全に言いがかりだ。
私は魔物を引き寄せてなんて、いない。
言いがかりにもほどがある。なのに、私は言い返せない。
そのような力がないと誰が証明できる。
誰も証明できないでしょ。
「我々を憚りおって」
私はこの言葉にどういえばいいのだろう。
「ごめん、なさい」
「ごめんで済むと思っているんだ」
やっぱりレオニスと変わりがないんだね。
名前が似てて、血筋がつながっている。それだけで、こんなに煮るんだね。
「っ待って、私は頑張って魔王を討伐した。それだけじゃだめなの?」
「だめだね」
そんな、それじゃあ私に打てる手は本当にゼロじゃない。
そこに新たな冒険形が入ってきた。
しまった。まだ大魔王の瘴気は消しきれていない。
「こいつが、大魔王だ。我々をだましていたのだ」
「なに」「なんだと」
「こいつを滅ぼせ!!」
その言葉に合わせて兵士たちは私に向かって攻撃を仕掛けて来る。
『これが人間だ。我の時もそうだった。これでも人間を信用できるというのか』
私はその大魔王の言葉に何も言い返すことは出来なかった。
私は、ただただただただ逃げ続けた。
その攻撃から逃れるように。




