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大魔王の器の少女。三〇〇年後の世界で無双する  作者: 有原優


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第五話 魔王を討つため魔王城へと

 翌日、


「ここね」


 魔王城の前に来た。壮大な魔王城が建てられており、高さ三十メートルくらいは確実にある。

 いつの間にこんなに大きい城を立てたんだ、とツッコみたくなる気持ちを抑えつつ、


「行きますか、レオニスさん」と言って中に入ろうとする。


「待て。何の準備もなしに行くつもりか?」


 怒られた。


「そんな不注意に入ったら仕掛けてある罠にあっさりと引っかかる可能性がある。それに、魔王というのは強大な存在だ。軍の一個師団を用いても倒せないという話もある。そんな相手に気楽に遠足気分で喧嘩を売ってみろ。死ぬぞ」


 確かにそうだ。

 今の私にはもう魔王なんてただの通過地点として、その先のことを考えていた。

 村で暮らすことを。


「なら、どうしたら」

「決まっている。作戦を練ろう。幸い俺は魔王城の仕組みを知っている。三年前に単騎で魔王城に殴り込みに行ったことがあるんだ」

「大丈夫だったの?」

「ああ、死にかけた。瘴気が今よりも薄かったとはいえ、無謀な戦いで、魔王の間にもたどり着けなかった」


 よく生き残ったなと思う。それだけこの人は強いのだろう。


「それで、これが大まかな地図だ」


 そう言ってレオニスさんは地図を見せてくる。

 中の構造が大まかに書かれてあった。だが、その中で一番気になるのは、


「魔王の間まで遠いわね」


 六つほどの部屋を通らなければならない。そしてその部屋には皆魔物がいるという話だ。

 となれば、魔王の間に着くまでに体力が尽きてしまうかもしれない。ただ、ここはレオニスさん大暴れして多少引き受けてくれるらしい。となれば、魔物の群れもマシになる。


 しかもレオニスさんにはほしいものがあるそうだ。


 それは、魔王の間とは逆の部屋にある英雄剣。それさえあれば、強大な力を得られるらしい。

 それは英雄ラスカルが持っていた件と同じという話だ。


 前回はそれを目の前にして引き下がったらしいが、今回は自信があるらしい。

 作戦としてはこうだ。

 レオニスさんが魔物を引き付けている間に私はこっそりと魔王のままで向かう。

 その間にレオニスさんは英雄剣を手にし、そして合流して撃退という流れだ。


「この作戦だと、俺は成功率が七割はあると思っている。後は、お前次第だ」

「分かってる。私がレオニスさん合流前に倒しきれます」

「そんなわけがないだろ。無茶はするな」

「そっちこそ」

「お前、油断してるだろ」


 呆れられた。


「私だって、真剣に戦うよ。だって死にたくないから」


 死ぬつもりなんてさらさらない。私がこの先手に入れるのは、勝利だけだ。


「分かった。だが、時間稼ぎも忘れるな。一人よりも二人の方が、魔王ラベンヌを倒しやすい」

「ええ、分かってる」


 そして私たちは魔王城へと突入した。

 中には沢山の魔物がいて、早速私たちに向かってきた。

 そりゃ、当たり前の話だ。だって、本拠地なんだもん。本拠地を守らない魔王がいてたまるかという話だ。

 地図通りだのたくさんの魔物だ。


「リスリィ、作戦通り、ここは俺が食い止める。お前は先に行け」

「分かった!!」


 私は素早く魔物達をかいくぐり、中へと、深部へと入っていく。


「ふざけるなア」


 中にいた魔族と思わしき魔物がレオニスさんに向かって行く。

 魔族。人型の魔物で、知性を持つ。厄介な相手だ。


(どうか、レオニスさん。……死なないで)


 そして背後から衝突音が聞こえてくる。

 魔族とぶつかり合ってるのだろう。

 私は先へと進む。


 ここから先は一人。

 怖く感じるものの、大魔王の力を使うならば、むしろ一人の方がありがたい。

 何しろ畏怖される恐れが少ないのだから。


「ダークウェイブ!!」


 周りの魔物を一気に弾き飛ばす。

 そのまま闇を操り、自分が触れることなく、魔物達を一掃していく。


 魔族は生き残っているようだが、それらもかなりの重傷だ。

 うん、中々私は強い。

 最後に生き残っていた魔族をあっさりと仕留め、先に進んでいく。


 正直あまり魔力を使いすぎるのはよくない。ラベンヌ戦に魔力を残しておかなければならないし。


 ただ、あまり時間をかけるわけには行かないのだ。

 早く魔王を討伐しなければ行けない。

 世界を平和にするためには。



 そのあとは、あまり魔物に出会わなかった。

 よほどレオニスさんが派手に暴れているのか、そちらに兵力を割いているみたいだ。


 レオニスさんはこの間も大変だろう。

 だからこそ、レオニスさんの手を煩わせずに私は魔王ラベンヌを討つ必要がある。


「そこをどいて!!!」


 私は勢いその場の魔物達を掃討していく。

 そうして、あっという間に魔王ラベンヌの間へとついた。

 だが、その門お前に魔物がいた。四個の手があり、それぞれに剣を有している。


「ラベンヌ様最後の盾、キルキランダ参上。魔王の間へと近づくものを掃討する」


 そして私の方へと向かってきた。

 所謂門番だろう。

 こいつを倒さなければ、ラベンヌの元へはたどり着けない。

 こいつの情報は、レオニスさんの地図にはなかった。

 という事はレオニスさんの知らない魔族という事か。


「そちらが動かないなら、こちらから行くぞ」


 四の手で、こちらに斬りかかってくる。

 まずは、闇の剣を創造して、その剣を受けた。


 だが、受け止められたのは、二本だけ、他の二本の剣が迫る迫る。 

 私は剣を跳ねのけ、後ろへと下がり剣を避ける。


「判断力はいいな。だが、それではいつまでたっても俺を倒せんぞ」


 再び四つ手で向かってくる。

 避けることはできるが、後ろに下がりっぱなしだと、いずれ限界が来る。壁が後ろにあるのだ。

 そうなれば逃げ道が狭められ、やられてしまう。


 そもそもあちらは私の侵攻を防ぐだけでいいが、私はこいつを倒して、魔王ラベンヌと戦う必要がある。

 あまり、出し惜しみをし過ぎてもいけないことくらいわかっている。が、四刀流の剣の密度が凄まじい。

 中々攻撃に転ずることが出来ない。

 どうすれば。


 ★★★★★


「ふざけるな」


 その時レオニスもまた英雄剣を守る守護者に苦戦していた。

 守護者、バリフリング。そのものは剣と盾を装備してレオニスの攻撃を盾で防ぎながらレオニスの元へと向かってくる。

 しかも恐ろしいのが、盾で攻撃もできるという点だ。剣を盾で防ぎながら、押し返す。そして、押し返した後は、深入りをしないで、すぐに守備に戻る。

 これがレオニスにとっては厄介だった。


 レオニスの目的はあくまでも英雄剣だ。

 それさえ手に入れば、バリフリングも倒せるはずなのだ。

 だが、レオニスもまた強者。バフブリングに負けるつもりは無い。


「分かったよ。本気でやる」


 そう言って剣に力を込める。

 武双術。剣に魔素を込めて、剣の強度を上げ、剣に込める力を上昇させる。

 本来ならここから先のことも考え、あまり使いたくない力だ。

 だが、出し惜しみをしていては負ける。


「行くぞ」


 レオニスは剣に全力で力を込め、バリフリングに向かって突撃する。


「無駄だ、いくら力を込めていても、この防御は破れんぞ」

「それはどうかな」


 レオニスが不敵に笑うと、その剣はバリフリングの盾を押し返していく。


「破れないなら、押し返せばいい」


 バリフリングの弱点は力とスピード不足、剣を受けながら、盾を叩くくらいは、レオニスの剣技だと可能な範疇だ。


「よし」


 レオニスは見事に宝箱を開け、英雄剣を取った。


「な、馬鹿な」

「これさえあれば」


 レオニスはそう呟き、剣をバリフリングへと向ける。その頃にはバリフリングは、剣の守護ではなく、建物の出口を防ぐ役割にシフトチェンジした。


「迂闊だった。……機転が利くやつだ。だが、俺を止められると思うな」


 レオニスはそのまま剣を振りかかる。


「英雄ではない貴様にはその剣は扱えまい」

「確かにそうだな。でも、手になじんでいるぞ」


 レオニスにはこの剣は今までつかっていた剣よりもはるかに使いやすく感じる。

 それは、レオニスが英雄だと認められたのか、それとも、単に英雄剣の性能が高いのか。


「今の俺だったらおまえを倒すことなど造作もない」


 そして剣を持ち一気に突進をかます。

 バリフリングは盾を持ち、レオネスの突進を受け止めようとするが、無理だった。

 レオニスの力が勝り、盾を突き破った。

 盾は破壊されなくとも、そこに大きな凸が生まれた。これで盾の守備力はがた落ちだ。


 そして間髪入れずに、レオニスは再び剣を振る。その剣は受け止めようと、伸ばしていたバリフリングの剣をたたき折った。


「もうお前には価値がない。行くぞ」


 武器を失ったバリフリングの横を、レオニスは淡々と進んでいく。


 ★★★★★


「はあはあ」


 数撃やり合っているが、やはり四つの剣を破るのが難しい。このまま時間をかける訳にもいかないのに。

 こうなったら一気に攻め込むんじゃなく、一つ一つの手を切り落としながら戦うしかない。


「これで」


 私は呟き、一気に球を複数個空へと飛ばす。


「そんなもの!!」


 剣ですべての球を叩き落された。でも、その隙に狙いをつけ、


「ダークボール」


 闇の球を生み出し、その弾を手に突撃する。


「そんなもので、俺の動きを止めようと? 無駄だ」


 そう言ったキルキランダが私に向けて剣を振ってくる。

 でも、それでいいの。闇の球を置いたまま、後ろへと下がる。


「何?」

「破裂して!!」


 その私の言葉で、闇の球が爆発する。


「ちぃ」


 よし、怯んだ。この隙に!


「たたき折る」


 手に向けて剣を振る。その攻撃によって二つの手を斬り切った。


「おのれ、この俺の手を。許せんぞ!!」


 残り二つの手で剣を持ち、こちらに向かってくる。

 でも、ここまで冷静じゃなくなったキルキランダ。

 もはや動きは簡単に見破れる。


「もう終わりよ」


 そう言って剣で一刀両断にした。

 だが、その瞬間違和感を感じた。斬ったはずのキルキランダの手が、あるはずの所にない。


「まさか」


 私は振り向く。すると目の前に剣を持った手がいた。

 そして、キルキランダの体からも手が分離した。


「ただでは終わらないのね」


 生命を終わらせただけでは終わらないなんて。

 ふざけてる。


「全部叩き斬ってあげるわ」


 幸い全部が乱雑に向かってくる。

 戦略性がない。これならば。簡単に倒せる。

 キルキランダの意志を介した攻撃の方が厳しかったわ。


「次こそとどめよ」


 そう言って全部の手を剣で斬り刻んだ。


「ふう、さて」


 扉まで魔物が消えた。

 この扉を開けば魔王がいる。

 勝負だ。

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