第48話 ピンチ
二人のメドリア。絶望的だ。まだ魔法タイプのメドリアはギリギリなんとあかんるが、それでも大ダメージを負いながら何とか攻撃を加えられるかどうかだ。
物理タイプのメドリアが前衛に立ち、魔法タイプのメドリアが後衛に立てば、もう絶望的だ。
「結局あそこで物理メドリアを倒していたほうが良かったのかしら」
「どちらにしろ一緒だろう。こうなる結末は変わらない」
そう、レアネスさんが言う。
「少なくとも、人類のためにこいつは倒さねばならん、俺たちがどうなろうともな」
レアネスさんが一気に地面をかけだし、武力メドリアに突撃していく。
その剣を武力メドリアが受け止める。
「俺にそれは効かん」と言って。
更に背後から魔法が飛んできて、全弾レアネスさんにぶつかっていく。
今のうちに動かなければレアネスさんの犠牲が無駄になる。私はそう思い、一気に地面を蹴って魔メドリアに襲い掛かっていく。
「やりたいことは分かるわあ。でも無駄よ」
魔弾が飛んで来る。その攻撃に私も貫かれる。
「まだだ」
ディアスが吠える。
そこに魔法弾が援護として飛んで来る。ミハイムとオルフィだ。
「行けえええ」
ディアスの剣が再びメドリアにぶつかっていく。
「無駄よ」
だが、その剣は見事に偽メドリアに受け止められる。
レアネスさんはというと、倒れていた。
やっぱり強い。
三百年前の魔王に比べたらけた外れの力。
そう、まさに現代の最強の魔物だ。
魔素が濃い。しかし、それを生かせない。
『お前が覚悟を決めんと、全員死ぬぞ』
くそ、リスタル。あなたの甘言には乗らない。
『人類の希望であろう、あの男』
かもしれないけど。
『はあ、我は貴様の中にとらわれているような存在だ。しかし、我にも許せないものがある。我を有すものが他の魔王に負ける事だ。さあ、力を発揮しろ、リスリィ』
嫌だ。
私はとにかく駆けだす。
もう、ディアスも倒れている。
武力メドリアも今まさにミハイムとオルフィを狙っている。
このままじゃ冗談抜きで全員死んじゃう。
「うわああああああああああ」
私はメドリアに勢いよく向かっていく。
だけど、その寸前で魔法弾に腹を貫かれてしまった。
「他愛もない。ゴミばかりだ」
ゴミ、今の現状ではそう評されても仕方ないかもしれない。でも、まだあきらめたくない。諦めきれない。
ミハイムとオルフィの方を見る。二人とも気絶している。
レアネスさんもだ。
今の状態なら。
「嫌だけど、お前にかける」
『賢明な判断だ』
嫌だいやだいやだいやだ。もう、大魔王の力なんぞ借りないと思っていたのに。
でももう仕方ないよね。これしか逆転のチャンスはないんだから。
そして私は大魔王の力を身に宿した。




