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大魔王の器の少女。三〇〇年後の世界で無双する  作者: 有原優


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第42話 ラベル2


 結果、私がレイラを連れてきたらラベルが話してくれるという事になった。

 その事を、レアネスさんに報告すると。よくやったと、言ってくれた。

 そして、その翌日。


「会わせられることになった」


 そう私はレイラに言う。すると、

「本当!?」


 そう、レイラは珍しくテンションが高い声で言った。


「だが、その前に一ついいかな?」

「どうしたの?」

「私が出した会わせる条件として魔王の居場所を教えるという条件を出したの。もしそれが嫌だったら会うのをやめてもいいけど、どうする?」


 あくまで、レイラをだまして情報を得る、なんて形にはしたくない。

 レイラにもちゃんと情報を与えなくては。


「私は……魔王様には申し訳ないけど、それでも会いたい」

「分かった」


 あくまでも忠誠よりも家族愛か。


 そして私はレイラを地下牢へと連れていく。


「お兄さま」


 レイラは口を抑えながらラベルを見る。そりゃそうだろう。

 私でさえ、結構きついのに、肉親であるレイラの目からはきっと見ていられないほどだろう。


「すまないなレイラ。もっと早く会いに行けないで。きっとお前も苦労したんだろう」

「ええ、苦労したわ。だって、私は……」


 レイラの目から涙がこぼれる。


「私はずっと奴隷として、あちこちを渡り歩いてきた。私の能力が使いたいと言ってきた。でも、私は必死で拒んだ。だって、私は人間が嫌いだもの。人間のために誰がこの力を使ってやるかという思いで拒んできた。でも、それも無駄じゃなかった。お兄さまに今日会えたんだもの」

「そうか、リスリィよありがとう。妹に会わせてくれて。……ありがとうなんて聞きたくないだろうが」

「ええ、私とあなたは敵だもの。それは今でも変わってないし、貴方を倒したのも間違ってるとは思わない」


 それがレイラの肉親であったとしても、私達人間の敵だ。


「それが戦争という物だからな。さて、魔王上の場所だが、ここから西に3000メートル進んだ先のレーテル砂漠。その中に魔王様の居城がある。だが、知っての通り、かなり強い部類の魔王に値する。ハルステウラよりもはるかにな。私的にはそこで全滅してもらいたいものだ。だからこれ以上余計なことは言わない」


 あくまで最低限の情報をという事か。あくまで私が求めたのは、魔王の居場所のみ。そこあmで教える義理はないという事。


「そのスタンスを受け取って。私からも何も聞かないわ」


 そのスタンスは好きだ。

 私とて、人間を大量に虐殺したラベルを許そうという気はない。


「分かった」


 そしてその後は、二人の時間を二時間程度取った。



 だが、その対象として、いつでもレイラのとの面会を許可することにし、ラベルには無期刑の処分が下された。

 死刑は取り消され、レイラとの面会もできるようになった。

 結構な減免と言えよう。



 だが、ラベルは死刑こそ免れたものの、この先延々と牢獄で暮らすことになる。

 それはどうにもならないことだ。


「ご主人。お兄さまを開放することはできないの?」


 判決が下された二日後。レイラはそのように問うてきた。


「私にとっては敵だからね。どうしようもない。それに、解放したら今までラベルに殺されてきた人間たちの無念が晴らされない。いくら戦争と言っても、彼に殺された人間が多い以上解放なんてどうやってもできない」


「なら、私が捕まりに行く。だったら、お兄さまを一人にさせないでしょ?」


 レイラは私の首をつかんできた。


「お兄さまと一緒の牢に収監されるの。そして死ぬまで一緒にいるの」


 首が閉まるけど、私はいまさらそんなものでは死なない。

 首に軽く魔素を集中させれば、それだけで首は固くなる。

 兄を一人きりにさせないために、地震も習慣を望む。確かに、理にかなっている。

 訳がない。


「待って、一緒に収監はされないと思う。考えればわかる事よ。牢に多くの人数を収監すると、それだけ脱獄リスクが高まるし。……そもそもあなたのお兄ちゃんはそれを望んでると思ってるの?」

「……それは」


 そんなことをラベルが望むはずもない。


「だから悪いことは言わない。幸せに生きてほしいと思ってると思うよ」

「そう……」


 レイラは自身のあらぶった髪を軽く整えてから言った。


「決めた。お兄さまの後を継ぐ。私は人間と魔族が共存し、奴隷も解放される世界を作る」

「共存……」

「ええ、そして奴隷になった同胞たちを開放するの。そしたら私みたいな人はいなくなると思うから」

「……」


 今更共存なんて無理だとは思うが、それでもレイラの決めたことだ。否定なんて出来ない。


「分かったわ」


 私もうなずいた。


「応援する」


 そう言うと、レイラは不器用な笑みを浮かべた。


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