表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大魔王の器の少女。三〇〇年後の世界で無双する  作者: 有原優


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/52

第四十一話 ラベル


「ふう、疲れたー」


 私は部屋で伸びをする。

 想像以上にハードな仕事だった。

 もう、一日中寝ていたい。


「お疲れさま」


 レイラがそう呟く。

 優しく。

 ああ、なんだかいいなあ。人が待ってるって。


「とでもいうと思った? 暇だったわよ。この数日間部屋から出れないで、何もすることがなかったわ」


 うぅ、やっぱり嫌われてるみたい。


「まあまあ、良いじゃないの。すぐに帰って来たし」

「ご飯食べるとき仕方のしみなかったし」

「そう言えばね。今回の遠征ではね」


 話題を変えなきゃ。それに、私の中で積もっている愚痴を放出したいし。


 思えばハルステウラ討伐からレイラとゆっくりと話す時間はなかった。


「嘘……」


 レイラはそう呟いた。それは私がラベルというワードを口にした時だった。

 どうしたんだろう。


「それって、ラベル兄さん?」


 兄さん? 兄弟だったの?

 ちょっとまって、新情報なんだけど。


「兄さんが捕らわれてるの?」

「……ええ」


 そう言えばこの子にラベルの話は一切したことがなかった。


 思えば、今の私の発言も行けなかったと思う。

 マゾであるレイラに、同族を捉えたと言ったら何をするかなんて誰にでも分かる。「

 怒りの感情だ。


 段々とレイラの感情が大きくなっているのが手にとってわかる。

 完全にいらついている。


「ねえ、会いたい?」


 私は、静かにレイラに言った。

 私の立場なら、ラベルとレイラを合わせることも可能なはずだし。


「会いたいわよ。って、それよりもご主人は兄さまを捕らえたのね」

「……そうよ。でも、敵だったからよ」


 あの時は多々あくしかなかった。それにあれは後悔していない。レイラの兄だとわかったとしても。

 私はラベルを今でも許せてないのだから。


「それは分かっている。兄さまはあなたを殺そうとしてご主人様はそれを返り討ちにしたって感じでしょ」

「ええ」


 その通りだ。


「貴方を恨むとかはどうでもいい。兄さまに会わせて」

「分かった。私が取り合ってみる」


 意思確認が取れたら、あとは実行するだけだ。


「分かった、お願いね」


 真剣な顔で言われた。


「でも、一つ聞いてもいいかしら」

「どうしたの?」

「私はやっぱり大魔王様の器のあなたが魔王様に叛逆しているのかが分からない。大魔王様は魔王様たちの最初の支配者、そして人間の国をほとんど絶滅しつくした英雄。その器が、なぜ抵抗しているのか。……やっぱり認められない」

「私は認められなくてもいいよ。ただ、私には人間の仲間が沢山いる。だから。私は彼らのために戦うの」

「てことは、ご主人にはそれだけの理由しかないってことね」

「……ええ」


 どういう意図の質問だろう。

 私が魔族側に着くことはないと思うのに。



 そして私は地下牢へと向かう。

「すみません。リスリィですけど、個々の囚人を見させてもらえませんか?」

「誰ですか?」

「ラベルです」


 そう言って私は学院証を見せた。


「ならこれに記入をお願いします。……それと」


 私の前に枷が置かれる。魔力を封じる枷だ。理由は勿論わかっている。

 脱獄させないためだろう。

 まさか、わざわざ自分で捕らえておいて、逃がすような人はいないと思うけど、規則なのだから仕方がない。


 私の両手を前に拘束しいざ中へと入っていく。


 中は如何にも陰湿な雰囲気だ。

 ここの囚人たちはきっと、地獄のような責めを受けているのだろう。

 それは、ラベルも同様にだろう。


「ふう」


 軽く深呼吸をして目的の牢へと行く。

 そこには今も拷問を受けているラベルがいた。

 両の手は空につるされ、体中に棘が刺さっている。

 見ていられないような光景だった。

 きっと、レイラに見せたら人間嫌いが加速するわね。


「ねえ、ラベル」

「リスリィか。ふはは、何をしに来た」

「別に何をしに来たってわけでもないんだけど。レイラって知ってる?」

「レイラだと!?」


 声が大きくなる。やはり、レイラの兄であることは確定なのか。


「レイラをどうした人間!!」

「勘違いしないで。別に私は彼女をどうもしてない、ただ、奴隷として身の回りに置いてるだけ」

「奴隷だと」

「ああ、もう聞き訳がない。いい? 私はレイラを奴隷として保護しているの。暗い目をしていたから」

「そうか。お前が。私とレイラは兄弟だ。聞いているだろう?」

「ええ」

「あいつは俺が13の時さらわれた。村が人間に襲われたのだ。俺たちは魔王様に使えないで、必死に日々暮らしていただけなのに、魔族という理由だけで滅ぼされ、そしてレイラは奪われた。


 私はそれが許せなかった。


 だから、そこからレイラや、レイラを含む奴隷を開放する運動をし続けた。魔王の部下となり、いろいろな場所を渡り歩いて、人間にダメージを与える運動をした。私は知っての通り、魔力はそこまで高くない。だからこそ、別の方法が必要になった。


 それが。魔族召喚だ。魔族をいかにもなタイミングで生み出し、壊滅的な被害に合わせる。そうすることで、奴隷の開放にいち早くつなげられると思ったから。だが、いつまでたってもいつまでたってもレイラは見つからなかった。それがまさか貴様のところにいたなんて。もう一度聞く。危害は加えてないか?」

「ええ」

「なら良かった。なあ、レイラと会わせてくれないか?」

「……」


 ここで会わせると言ってもいい。だが、私だってこのアドバンテージをただで消費するわけには行かない。

 ならば。


「いいですよ。ただ、魔王の本拠地を教えてください。魔王メドリアの居場所を」


 会わせるには対価が必要だ。

 そう、情報という対価を。


「っぐ」

「酷な事を言うようだけど、私にはわざわざただで会わせるつもりはないの。上から起こられるからね。それに、会わせたいと思ってるのは私の意志だから。お願い、あの子に会ってあげて」


 中々ひどいことを言っている気がする。

「分かった。話そう」

「そう、分かった」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ