第三十七話 決着
そして一気に剣でダークデーモンに斬りかかる。
隣にはディアスもいる。そして他の人たちも。
そして、背後からオルフィとミハイムの援護射撃が来る。
うん。もう負けようがないね。
「これで、勝てる」
私はそう確信した。だって、こんなの勝ち確定じゃん。
「私は一人じゃない」
だから、リスタルは黙ってて。
私には仲間がいるんだから。
そう言い放ち、ダークデーモンに攻撃を次々に仕掛けていく。
ダークデーモンも抵抗するがやはり数で押し切っている今、どんどんと傷尾をって言っているように見える。このまま押し切れそうだ。
「馬鹿な」
上からラベルがそう言う。驚愕の表情で。
まさかダークデーモンが劣勢になるとは思わなかったのだろう。
無理もない。何しろ、私たちはハルステウラとの戦いで疲弊していたのだから。
「そりゃ、勝てるでしょ。お前みたいな卑怯者と、私たちは違うからさ」
私の剣は力が出ない。だから、剣で刺しても決定打にはならない。
ダメージは与えられても決定打には事足りない。
「ディアス。とどめは君に任せたよ」
そう言いながら、ダークデーモンの腕にしがみつく。
こんなものすぐにはがされるだろう。
一瞬しか動きを鈍らせることはできないだろう。
だが、一瞬の隙を作ることが出来たらもう完璧だ。
「行けえええええ」
「おう!」
ディアスの剣がダークデーモンを一刀両断にした。
ダークデーモンは二つに分かれ、そして闇の瘴気へと変わっていき、そして空気中に露散した。
「ふう、疲れたわ」
「そりゃな。だが、もうこれで終わりだ」
「終わりだと。まさか本当にこれで終わりだと思ったか」
ラベルのその言葉が聞こえると、ダークデーモンは体を起こす。
露散したはず。
そう思いみると、闇の瘴気が薄くなっている。
という事は、空気中に溶け込んだのは回復を待つためという事。
「だいぶダメージは喰らってたはずなのに、なんでまだ動けるのよ」
私はラベルをにらみつけた。
きっとこいつが回復魔法をかけているんだ。
何しろ、ダークデーモン本来の能力とすると、おかしいことになる。
だって、こいつにはそんな能力はないと感じたからだ。
だが、回復させたのもおかしな話だ。
本来それで終わる本来回復魔法は、こんな遠距離では使えない。
となれば、
「召喚者の特権ね」
もう、そう考えるしかない。
「はは、そうだ」
「ラベル!!」
私はがれきの山を登り、ラベルに向かって行く。
「おっと、私は倒れるわけには行かない。ここで退散するよ」
「待って!!」
「待つわけがないだろう。少しは頭を使ってみたまえ」
そう言ってラベルは姿を消した。
「くそ!!」
また逃げられた。
追わなきゃいけないのは分かっている。でも、もう体力は残っていない。
となれば、今はこいつの対処をしなければ。
「ダークデーモン」
流石に逃げたあいつがダークデーモンの傷をもはや回復できないとは思うが。
何より、そんなチート能力があっていいはずがない。
流石に召喚者でも、一定の距離内にいないといけないはず。
……待って。という事はつまり。
ラベルは逃げたと思わせて近くに潜んでいる可能性がある。
そうだ。だって、あいつは今までもそう言う手を打ってきた。
今だってそうだ。
「ディアス。こいつお願い。私はラベルを追う」
「あいつは逃げたんじゃ」
「そう言うのはいいから」
私は建物をひょいっと飛び降りた。上にはもう見えない。となれば下だろう。
下も相変わらず崩れている。だが、逆に言えば逃げやすくなったという事。
隠れやすいがれきの下。私はがれきを掘り起こしていく。
もしかしたら本当に逃げていて、もうここにはいない可能性だってある。でも、私は可能性を信じたい。
だって、近くに居なければ、ダークデーモンに細かい指示なんて出せないのだもん。
「どこにいるの? ラベル」
そんな時、がれきの下からぴょいと逃げ出す影が。
ラベルだ。
「待って!!」
私は必死で追う。
「私がよくここに居ると気づきました。でももう遅い。私はどこまでも逃げていきますよ」
「本当に逃げられると思ってるの?」
私には魔力は残っていない。でも、外は別だ。周りの魔素が復活している。
ハルステウラはあくまで城内の魔力を吸い取ったに過ぎないのだから。
「ラベル。あなたはここで仕留める」
周りの魔素を力へと変える。
そしてこのまま駆け出す。
「ラベル。私だって鍛えたの。だから、今ならあなたのスピードに追い付ける」
そして、ラベルとの距離は縮まっていく。
「捕まえた」
ラベルの身柄を確保した。
「くそ、私としたことが、こうに溺れましたね。自分の身の安全よりも、リスリィ貴方を倒すことに集中し過ぎました」
そう、ラベルが自身の敗因を事細かに語る。
「あなたは今から学園に連れて帰ります。これからは地獄がてるでしょう。でも、それがあなたの運命だから受け止めてね」
その後、城内に戻ると、ダークデーモンは倒れていた。私がラベルを捕まえたからだろう。
「攻撃しても攻撃しても回復するから焦ったぜ」
「ふふ、私に感謝してね」
「それは嫌だ」
「なんでよ」
それはともかく、ラベルを捕えたのは捕らえたんだ。
私たちは、そのまま帰路へとついた。




