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大魔王の器の少女。三〇〇年後の世界で無双する  作者: 有原優


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第二十四話 助っ人

「助けに来たよ。リスリィ!!」


 オルフィが立っていた。


「まずいと思って引き返したら、まさに間一髪だったな」

「ディアスも……」

「当たり前だ。いつもはお前に助けられてるからな。今回は俺たちがお前を助ける番だ」


 そう言ってディアスは魔物達に斬りかかる。

 魔物の総数自体は桁外れに多いわけでは無い。

 これはあくまでもラベルの保険だろう。油断した隙を狙うための。


「うおおおお!!」


 ディアスが必死に剣を振るう。


「おお」


 ディアスの剣さばきが少し早くなっている。若干魔素のコントロールが上手くなっていると思う。もしかして私が寝込んでいる間に死戦を乗り越えた?

 これなら、ディアスも戦える。

 そして、一通り片づけたあと、


「一旦引くぞ」


 そう言ってディアスは私を抱えて走る。その後ろを援護するようにオルフィは私たちに襲い掛かろうとする魔物達を魔法で弾き返していく。

 オルフィの力は強い。

 だが、決定打を与えられていないように感じる。このままでは焼け石に水だ。

 しかも、村に逃げ込めたところで、その先に戦力がいるかどうかは怪しい。


「私も」


 そう、私は呟き、魔力を練る。


「無理すんなよ」


 ディアスがそう言うが、なめてもらっては困る。私は強いのだ。

 こんなだるい状態でも少しならば、魔力を練れる。

 少しでも援護を!!


「行けええ」


 雷の弾丸を放つ。その弾丸はうなりを見せ、一気に敵の魔物の中心を切り裂いていく。


「よし、見事だ」

「でも、多分連発はできない。魔力が寝れないんだもん」


 そう、流石にこれ以上は無理、限界だ。


「だから、二人にあとは任せるしかないと思う」

「おう、ここからは俺たちに任せろ」


 そう言ったディアスは剣を握る。そして、そのまま剣を振りぬく。

 その剣で、魔物達をどんどんと薙ぎ払っていく。


「ディアス……あなたは」

「流石に、ゴブリンくらいはな」

「流石ね。でも、それにやられてなかったっけ」

「うるせえ、お前を守ってやってんだよこっちは。あまり文句を言うなら、お前を放り投げて逃げるからな」

「はいはい」

「……だめだよディアス。そんなことしたら」

「オルフィ、分かっているよ」


 ディアスは修羅のごとき面相で敵を切り刻んでいく。だが、その中に黄金獣が現れた。


「任せて」


 オルフィがそう言って手から炎を放つ。その炎が一直線に飛んでいき、黄金獣を一瞬怯ませる。

 その隙にディアスは一体斬った。だが、その背後から二匹目、三匹目が遅い書かtぅてくる。


 いくらディアスが強くなったとは言え、黄金獣とはタイマンでぎりぎり勝てるかどうかだ。

 それが二体、いや三体相手。

 ディアスならきついだろう。私も戦いに加わりたいが、体が思うように動かない。

 くそ、こんなところで倒れているわけには行かないのに。


 二人が助けに来てくれたのは、喜ばしい事だが、状況が良くなったかと言えば、微妙だ。

 ラベルはおそらく来ないという点では、ありがたい事だだ。

 しかし如何せん、私以外はまだ私のサポートありきで、ようやくこの敵の大群と戦えるレベルだ。


「リスリィ。大丈夫だよ」


 オルフィがそう呟く。


「私の本職は攻撃じゃなくて、サポート」


 そう言ったオルフィの手からディアスへと光が流れ込む。


「これならいける」



 不思議な事だ。ディアスの引き出す魔素の量が上がっている。

 本来バフ魔法はシンプルに身体能力を上げる効果しか持たず、ディアスの魔素の効率を上げるなんてことは無いはずなのに。


「あはは、これならいけるかも」


 そう、私が言うと、ディアスはうおおおおお、と周りの敵を切っていく。元々の敵自体がそこまで多かったわけでは無いし、私も半分以上は倒してる。

 ここまでくれば、心配することなんて何もないだろう。


「うおおおお!!!」



 あっという間に敵が全滅した。



「本当にリスリィを迎えに来て良かった」


 そう、私をおんぶしたディアスが言った。


「まさか、買い出し中を狙われるとはな。……リスリィ、これで今度こそ依頼完了か?」

「流石にね。あの魔物達は洞窟から出て来たし、件の魔物も、ラベルだったし。……依頼書に魔族がいるって書いてくれたらよかったのにね」

「……不親切」

「だね」

「でもさ、依頼クリアできたんだからよかったもんだ。俺たち三人の初依頼だぜ」

「そう言えばそうだったわね。大変だったから忘れてた」

「おい!」

「でも、やったね!」


 そして私たちはハイタッチした。


「あ、でも、洞窟内はちゃんと確かめないと」

「そうだった」

「水を差すことは言わないでくれよ」

「ごめん。でも、たぶん大丈夫でしょ」

「リスリィ、軽い……」

「えへへ」


 そうして村に帰還した。

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