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はじまり。
千年の昔から、この国では人と人ならざる者が争っていた。今は冷戦中であるが、それでも関係は険悪なまま。そんな時代を生きるのが時代をさかのぼった少女と彼女を拾った少年。これは、そんな二人と、その二人に運命を変えられた人たちの物語。
(R15は念のためです)
”____最初から、私に味方などいなかったのかもしれない。
でも、願わくば、
少しでも幸福を感じられたあの頃に戻れれば_____”
女帝マーガレットの手記より
この手記が発見されたその時、女帝はこの世を去っていた。
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その路地に入ったのは、ほんの出来心だった。
こんな明らかに面倒な事態に直面するくらいなら絶対に入らなかったのに。
そこにいたのは、五歳かそこらの白銀の髪を持つ少女だった。
「最悪だ、、、」