ゆっくりとなる
夏のことだと、
それだけ
わかっている。
オリンピックは
開催されるのか。
聖火は走っている、
予選も行われている、
選手や関係者も
頑張っている。
開催されるのか。
この柔らかく、
噛まなくてもいい
ゼリーの感覚は、
ふだんの自分の
ものだった。
社会に生まれた
ゼリーの感覚、
パイ生地の感覚、
美味しいけど、
固くはなれない。
開催されるのか。
噛めるのか。
噛めないから、
噛まなくてもいい
ようにするのか。
そんな開催は、
ものすごく
しんどいことだ。
柔らかいものほど、
力の入れ様が難しい。
自分の感覚は、
今日も噛まなくて
いいものを探して、
何を考えているか
わかりにくい。
オリンピックが
ゆっくりと、
成功している場面を
見られたらいいな、
それくらいで。
仕事とかが
ゆっくりと片付く。
詩とかが
ゆっくりと生まれる。
実とかも
ゆっくりとなる。
オリンピックは
開催されるのか。
自分のそれは
開催されるのか。
柔らかく、
ゆっくりと。