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高知行き
平野が出社すると「平野。応接間に来なさい」と課長が言った。
トントンと平野が応接間のドアを叩くと課長がドアを開けた。
奥にはソファーに所長が座っていた。
所長は「平野君。君に御願いしたい事があって呼んだ。まあ、座りなさい」と言った。
平野がソファーに座ると「実はな。高知の営業所に副所長として行って貰いたい」と課長が言った。
所長は「君は実績もあり人望もある。是非頼む」と言った。
平野は「はい。でも私に副所長が務まるでしょうか」と言った。
「それは私と課長で相談して決めた。大丈夫だ。君には出来る」と所長は言った。
降って湧いた話に平野は戸惑ったが「解りました。必ず素晴らしい営業所にします」と答えた。
所長と課長は頷き、「頼むぞ」と言った。