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摩訶不思議な君物語  作者: 櫻坂暖依留
1/1

運命の出会いの物語


 夏。


 私は森の中へと入っていく。

 人が通る道ではない道を抜けようとする。


 「痛っ……。」


 無造作に伸びている木の枝が私の腕をかすった。

 今更ながら学校の帰り道、何も考えずに半袖セーラー服のまま来たことを後悔する。


 それでも無理やり道を進む。

 道ではない道を。


 そうすると噂に聞いた祠を見つけた。

 高さは私の腰ぐらい。

 しかし、その祠はお世辞にも祠と言えるような代物ではなかった。

 屋根の部分もうボロボロで今にも崩れてしまいそう。

 コケだらけで泥まみれのその祠はなんのオーラも感じなかった。


 これが本当に願いを叶えてくれるという祠なのか。

 しかし、この辺りにもう祠らしきものはこれしかない。

 この祠だと信じて私は手を置く。

 しかし、願いの伝え方を私は知らない。

 だから、誠心を込めてこう言った。


 「神様仏様祠様!私の願いを叶えてください!」


 ……。


 何も起こらない。


 噂はただの噂でしかなかったと思った。


 「それじゃどんな願いか分からないよ?」


 目を開くとそこには男の子がいた。





 

 この出会いが運命を変える事を、私はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -時は12日前に遡る。

 

 夏休みが終わる1週間前。

 私はこの街に引っ越してきた。

 以前いた中学校も転校しなければならず、一昨日は友達とお別れ会をしていた。

 とってもとっても楽しかった。

 その分別れが辛かったけど。

 みんなで号泣してた。

 『また会おうね。』とか言ってたけど会う時間も無いだろうし、会えないかもなぁ。

 寂しい。


 「伶乃(れの)、部屋の片付け終わったの?」


 「まだ。」


 「それじゃ、片付け終わったらお昼ご飯ね。」


 「はーい。」


 淡白に返事をし、せっせと片付けた。

 引っ越す前にもだいぶ量を減らしたけどまだまだ沢山ある。

 捨てられなかった。

 思い出深いものばかり。


 

 部屋の片付けが終わる頃にはもう2時をすぎており少し遅めの昼食をとった。


 

 「あらやだ!買い忘れしちゃった!」


 少しして夕飯の支度をしていたお母さんがそう口を開く。

 私は無視してスマホを見ていることにした。

 ここで下手に動くと厄介事を言われそうだったから。

 しかし、結局


 「伶乃、悪いけど買ってきてちょうだい?」


 そう言われてしまった。

 ここで反論すると面倒くさそう。


 「わかった。」


 そう答えておいた。


 「ありがとう!場所はスマホのマップでも見て行ってくれる?ごめんね。」


 「うん。」


 お母さんからお金を受け取り外へ出た。


 ここから1番近いスーパーは大通り沿いにあった。

 スマホを見ながら自転車を運転することは危険なので歩いて向かう事にする。


 鳥月(とりつき)という家の表札は以前いた家のものだった。


 数分歩くと大通りへの横断歩道があった。

 歩道橋はかかってないので、信号を待つ。

 こういう時間帯なのかはよく分からなかったがびっくりするほど車の影はない。

 こんなに道路がむき出しで、面白い。


 信号が青になり私は進んだ。


 しかし、私の足はそれより前に進むことはなかった。


 そのまま意識が無くなってしまった。

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 目が覚めると白い天井が見えた。


 ゆっくりと体を起こし辺りを見渡す。


 病室にいると気づく。


 「あの時……私……。」


 轢かれたのだ。


 車なんかなかったあの場所で。


 しかしここで大きな疑問を抱く。


 何故体はピンピンしているの?


 腕を見ても頭を触ってみても包帯どころか絆創膏もない。

 カサブタもない。

 傷がひとつもなかった。


 どうして……?


 私、そんな異常な回復力持ってないけど……?


 「鳥月さん。意識、戻られたようですね。」


 びっくりすることも無く冷静に対応してくれた看護師さんが適切な処置をしてくれる。


 「鳥月さん、2日間も意識がなかったんですよ。」


 「はっ、はぁ……。」


 そんな意識なかったことない。

 というか、意識なくなったことないよ。


 「原因は……?」


 「車に轢かれた事よ。近くにいた人が通報してくれたみたいですよ。」


 そう話していると、ドタドタドタっと大きな足音が聞こえた。


 「れっ、伶乃!」


 お母さんだった。


 「よく無事で……!!」


 「う、うん。無事だよ。」


 

 その後、号泣しているお母さんを落ち着かせてから事故の話を聞いた。


 私は車に轢かれ数メートル飛ばされたらしい。

 幸い過ぎるほど幸いな事に外傷はなかったそうだ。

 まぁ自分の今の状態をみれば容易に想像できる。


 

 そして2日後私は検査をしても異常は無く退院することが出来た。


 だからそう。


 私は気づいてしまった。


 私しか分からない異常に。


 どこにいてもいる人々。


 本当はそこには居ないらしい。


 人が来たから私は避けた。


 だけど他の人は避けていない。


 そう。


 私は視えるのだ。


 人ならざるものを。


 視えるようになってしまったのだ。


 もしかしたらこのまま、世界の真実までも……。


 

 

 

    ◇◇◇


 

 

 

 「伶乃!行ってらっしゃい。」


 「うん。行ってきます。」


 今日は学校。

 始業式だ。


 退院してから3日目。

 ピンピンしまくってるので大丈夫だろうと送り出される。


 ちなみに制服はセーラー服。

 前の学校もそうだったが、驚くべきことにリボンの色以外全く一緒だった。

 母が「出費がかさまずに楽だわー!」と嬉しそうにしていたのでちょっとむかついた。

 前の学校では青色だったが赤色になった。


 天気もいいし新しい始まりの日。

 周りは鮮やかな赤色が似合うが、私の心はブルーだ。

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 新しい学び舎の校門を通る。


 正面玄関に来て欲しいと前々から言われていたので向かう。


  先生はそこで待っていてくれた。

 私は会釈をし、目を合わせると先生は、


 「……っ!転校生……?職員室へいけ……。」


 何故か挙動不審。


 「……?はい……。」


 指を指された方向へ向かうと職員室というプレートがあった。

 私はドアを3回ノックし、


 「失礼します。あの……。」


 最初、少しだけどよめきが走ったが、すぐに転校生だと気づいてくれ先生が来てくれた。


 「あなたが、鳥月伶乃さんですね。」


 「あっ、はい。」


 「玄関で待ってようと思ったんですけどね、ちょっと間に合わなかったみたい。よく場所が分かりましたね。すぐそこだから?」


 「そこに、先生がたっていてくれて……。」


 玄関を見ると教えてくれた先生がいた。


 「ん?、どこに?もう行っちゃったのかしらね?」


 「え。」


 さっき話した先生はまだそこにいる。

 なのに見えてない。

 霊なのか!


 はぁ……。

 まだ見分けがつかない。

 1週間経っても慣れないのか。

 朝からこんな憂鬱な気分にさせられる。

 もう嫌だよ。

 こんな特殊体質いらない。

 気持ち悪いだけだから。


 「もう少しでチャイムがなりますね。教室に向かいましょう。あなたは2年1組ですよ。」


 「分かりました。」


 私は先生の後をおい階段をのぼる。


 「ここが教室です。外で待っていてくださいね。」


 「はい。」


 先生が教室に入っていく。


 『きりーつ、きおつけ、れい。』


 『『おねがいしまーす。』』


 無気力な声が聞こえてくる。


 『今日は転校生を紹介します。入ってきてー。』


 教室のドアが開いたので、私は入る。

 前にいた女の子を避けながら。


 「……?鳥月さん?なにを避けたの?」


 「え?」


 まって。

 またやらかしたのかな。

 クラスの人を見ると不思議がってる。

 恥ずかしい……。


 「?鳥月さん!自己紹介を!」


 先生がその場の空気を変えるかのようにそう言ってくれた。


 「あっはい。鳥月伶乃です。よ、よろしくお願いいたします。」


 クラスの人達からパチパチと拍手がおこる。


 「鳥月さんの席はドア側女子列の1番最後ね。」


 指を指されたとこの席に着き座る。

 隣は誰もいない。

 お休みなのかな?


 「学級委員長の森さん、移動教室とか一緒に行ってあげてくださいね。」


 「分かりました。」


 いかにも学級委員長ぽい真面目な女の子が返事をした。

 仲良くなれるといいな。


 「続いて、今日の始業式については放送で行います。体育館がだいぶ暑くて熱中症になりかねないからと。校長先生に感謝ですね。」


 まばらにだけど、小声で「やった!」と話している生徒もいる。

 その気持ちとても分かる。


 先生が朝の報告をしているとチャイムが鳴り、そのまま始業式に入ってしまった。

 

 

 

    ◇◇◇ 

 

 

 

 「鳥月……伶乃ちゃん?」


 「あ、はい!」


 「初めまして。私、森 千歳。よろしくね。」


 さっきの学級委員長の子だ。


 「こ、こちらこそよろしくお願いいたします。」


 「次の時間、音楽なの。移動教室だから一緒に行こう。」


 「千歳ー!あ、鳥月ちゃん!一緒にいこー!」


 千歳さんのお友達も、はなしかけてくれた。


 「うん!」


 不安だったけど、大丈夫だよね!


 

 しかし、幸せは長くは続かなかった。

 

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 「ど、どうしよう……。」


 学校からの帰り道、私は今日の出来事について打ちのめされていた。


 「千歳さんと音楽教室行った時……。」


 私は目の前にいる人を避けながら歩いていた。

 それは普通だけど。

 誰彼構わず避けていたため、勝手に変な行動をしている人に見られた。

 千歳さんたちのあの不審がってる目。

 恐怖……!


 音楽教室に入ったら入ったでベートーヴェンの目が動くし!

 最初見た時、少し叫んでしまった。

 これが俗に言う“七不思議”なのだろうか。

 怖くて仕方なかった。

 これもクラスの人達に変人に見られた。


 千歳さん達は移動の時以外話しかけてくれなくなってしまった。

 その他のクラスの人達も、私の変人ぷりに距離を置いた。

 もう終わった……。


 

 家に帰ってからもずっとそれしか頭になかった。

 

 

 

    ◇◇◇



 

 それから4日過ぎた。

 今日もぼっちです。

 話しかけられないし話しかけようとしても壁を感じます。


 今は授業中。

 正直、この時間が気楽。


 「なあ、おい知ってるか?」


 これは霊の声。

 だいぶ分かってきた。

 見分けもつくようになってきた。

 感覚的なものだけど。


 「あぁ?何をだよ。」


 「この近くの森に、祠があるんだけどよぉ。」


 「お?」


 「その祠は願いを叶えてくれるらしい。」


 「ほぉ。」


 「行ってみる価値あるかもなぁ。」


 ……。


 願いを叶えてくれる。

 もしそれが本当だったら……。

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 その結果がこれだった。


 目の前に男の子。


 「えっあ、、、う、え?」


 「だから、お願い事は?ん?あれ、君人間。生きてるね。どうしてここを?」


 不思議そうに私を見つめた。


 「あの……、その、噂を聴いて……。」


 「君、霊が視えるって事ね。僕が視えるみたいだし。」


 「え、あ、うんそうだけど。」


 何が起こってる?

 理解が出来るようで出来ない!


 「願いを教えて?」


 「あっ、はい!友達が欲しいです。」


 「叶えれるかなぁ。」


 「え!?願い叶えてくれるんじゃないんですか!?」


 「僕の専門は〈霊の願いを叶えること〉。要するに、未練を晴らすことだから。生きている人の願いを叶えることも出来なくはないんだけど。」


 「じゃぁ!」


 「霊が友だち作りすると思う?初めて聞くんだなぁそれが。」


 「要するに?」


 「そんな願いされた事ないから叶えられない可能性大!もっと言えば叶える方法思いつかない!!」


 呑気にそう答える。

 酷い!


 「あ、今『酷い』って思ったでしょ?」


 にやにやしながら私の顔を覗いてくる。


 「そうだよ!願いを叶えてくれると思って来たんです。腕だって傷がついてしまって、ってあれ?」


 腕を見ると傷1つなかった。

 あれ?


 「?傷なんてないじゃないか?良かったじゃん。」


 「そういう問題じゃないです!」


 「あははっ!君面白いね。」


 「面白くない!」


 ここに来るんじゃなかった!

 踵を返して帰ろうとする。


 「ごめんごめん。せっかくここに来れたんだし、僕と関われる人はとても凄いんだよ?話ぐらい聞いてあげるよ。」


 「ほんとですか?」


 「うん!僕は嘘はつかないよ。」


 私はこの願いを叶えて欲しい理由について話した。


 「最大の原因、霊が視えるようになってしまったことだねぇ。」


 「そうなんです。これだけでも何とかならなりません?」


 「うーん。今のところは無理かな。」


 「そうですか……。」


 変な能力にさえ目覚めなければ多分ここには来てなかったのに。

 「とりあえず君は友達が欲しいんだね?」


 「はい。」


 「少し時間を頂戴?君の願いを叶えることができる方法を探すよ。結果は後日君のもとへ僕が行く。あ、聞いてなかったね。名前は?」


 「鳥月 伶乃です。」


 「おっけ!じゃぁまた後日!」


 「は、はい……。」


 急速に話が展開されすぎてよく分からなかったがとりあえず少し期待してもいいってことだよね?


 そう思いながら来た道を帰る。


 「またねー。」


 後ろから呑気な声がきこえた。

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 「やっぱり期待しない方がいいのかな?」


 そんなことばかり考えながら帰っていた。

 歩いた跡があるので帰りやすい。


 「ん?あれ?」


 猫の足跡?らしきもの?


 そうすると目の前に不思議な生き物が現れた。

 しかもいっぱい。

 猫のような耳だが、体はまるく、そのまあるい体に手足がちょこんとついていた。

 とても可愛らしい見た目をしている。

 つぶらな瞳が、可愛さを引き立てている。

 また、色とりどりで、ピンクや水色、オレンジ、黄色。

 少し目がチカチカする。


 でも見ただけで思った。

 こいつ霊だ。

 いや、霊じゃない他の生き物?

 違う世界の生き物?

 もうよく分からない。


 まだ森の中だし、無視して進もう。

 迷子になる。

 目を合わせないようにそーっと。

 端を歩いていたが、目を合わせてしまった。


 《ロック・オン》


 そんな音が聞こえた気がした。

 そして、瞬く間に謎の生き物は私に襲いかかってきた。

 そのつぶらな瞳はつり目になっていた。


 「痛い!やめて!引っかかないで!」


 抵抗しているけど離れてくれない。

 こんな状況だからか、いつもの倍以上体力も失われていった。


 だれか、助けて!

 声も出せず願うしかなかった。


 「大丈夫。」


 そんな声とともに矢が飛んできた。


 その矢が光り、目を開けた時には謎の生き物はいなくなっていた。


 「大丈夫?傷はないようだね。」


 「え?」


 腕を見るとまたしてもキズはなかった。

 あんなに引っかかれたのに。


 「ありがとうございます……。えっと、今のは……?」


 「魔獣だよ。君を襲うように指示されていたんだろうね。」


 「どうして……。」


 「僕には分からない。」


 「……。」


 「とりあえず、祠に戻ってきてくれるかな?」

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 「単刀直入に言うね。君、変だね。」


 「酷い!」


 「あはは!ごめん。でも自分でも思っているだろう?変だって。」


 「確かにそうですけど。霊が視えたり、傷がすぐ治ったり。」


 「魔獣に襲われるしね!」


 「イキイキと言わないでくださいよ……。」


 「だって、面白くて。不思議すぎて!魔獣に襲われるなんて滅多にないよ?誇りに思っていいよ。」


 「嫌ですよ。そんな誇り。持ちたくありません。」


 何この人ふざけてるの?

 変人……。


 「あ、今『変人』って思ったでしょ?」


 「はい。だってそうですもん。」


 「まあ、ぷりぷり怒らないで?」


 「怒らせてるのはあなたです!」


 話になんない!


 「まぁ話を進めるね。僕のような霊が襲われることはあっても、君みたいな生きている人間が襲われることは聞いたことないし、見たことない。多分これは重大な事が起こっているのだろうね。」


 「……。」


 「そこで!僕と《契約》を結ばないかい?」


 「契約……?」


 「そう!これを結べば僕はいつでもどこでも君を直ぐに助けに行ける。君を守ることができる。」


 「……?」


 「僕がいればこんなことになった理由を知ることも出来るかもしれない。」


 「……!」


 「その代わり、君を脅威から守りきった暁には、君の寿命を貰う。」


 「寿命……。」


 「いつも霊たちの願いを叶えてあげる代わりに貰ってるんだ。代償だよ。」


 「何年分くらいですか?」


 「多くて5年ぶんかな。もっと多くなるかもだけど。どう?」


 「……。お願いします。契約。」


 「いいんだね?」


 「はい。」


 「わかった。準備するから待っててね。」


 そう言うと、彼はおもむろに何かを祠の中から探す。


 「おー、あったあった!」


 そして私に駆け寄った。


 「紙……?」


 「ここに名前を書いて?」


 筆も渡された。

 私は言われた通りにする。


 「書けた?へぇ!とりつき れのってこんな漢字をしてるんだぁ!」


 和ませてくれようとしているのかもしれない。

 私が不安そうにしているから。


 「んじゃいくよ!」


 《アグリーメント》


 その言葉と同時に名前を書いた紙が燃えた。


 「腕を見てご覧!」


 「え?なっ、なにこれ!」


 腕を見ると謎の印がついていた。


 「契約成立の印だよ。」


 「あの、これ消える?」


 「契約解除まで消えないよ。」


 「嘘!」


 「ほーんと。」


 長袖着なきゃじゃん!


 「まぁ頑張ってよ!」


 そんな呑気な。

 酷い。


 「後、ちょっと考えてたんだけど。」


 「?」


 「君の願いの、『友達が欲しい』ってやつ。僕の力じゃやっぱり作れない。洗脳してしまう事になる。」


 「そうですか……。」


 「だから、僕がなるよ。友達。」


 「え。」


 「この街で最初に出来た友達。どう?」


 「ほ、本当……!?」


 「言ったでしょ?ぼくは嘘はつかないよ。」


 「まぁ嫌でも陰ながら応援するし、少しは手伝うよ。友達作り。」


 「嫌じゃないです!なって欲しいです。友達!」


 「んじゃ、僕達は友達だね!」


 「ありがとうございます!」


 素直に嬉しい。


 この街に来て不安で仕方なかった。

 それが少し拭えた気がした。

 てか霊の友達って。

 摩訶不思議すぎる。

 それになんだか笑えてきてしまった。


 「あはっ、あはははは!本当にありがとうございm」


 「友達だし、タメでいいよ。」


 「え、でも年上ですし……?」


 「僕を何歳だと思ってるの?もう生きすぎて歳の概念なんて吹っ飛んでるよ。気にしなくていいんだよ。まぁ敬語の方がいいならそれでもいいけどさ。」


 うーん。

 タメでいいって、せっかく言ってもらったんだし。


 「ありがとう!」


 彼の目を見て言った。


 「うん!どういたしまして?なんか変な感じだね。」


 「そうだね。」


 「あ、この時間帯だったら見えるかも。」


 「何が?」


 「こっち来て!」


 「え?」


 彼が私の腕を掴んで引っ張る。


 「どうして触れるの?」


 「契約したからさ!そんなことより、見て!」


 「え?!!!うわぁ!!きれい!」


 私が連れられた場所は、街全体が見渡せた。

 夕陽が街を包み込んでいた。

 鮮やかなオレンジ色で。


 「どう?ここ、僕のお気にいりの場所。この時間帯だけだから。こんな景色が見れるのは。」


 私はこの景色に見とれていた。


 「気に入ってくれたみたいで良かったよ。」


 「うん……!」


 多分この景色は一生忘れないだろう。

 この出会いと共に、色あせることなく。

 

 

 

    ◇◇◇

 

 

 

 「不思議な子だね。」


 僕は今日出会った少女にの事を考えていた。


 「キュルキュル?」


 「あ、クリス。」


 クリスはこの森での話し相手。

 リスだ。

 夜はいっつもこの子と話ている。


 「なんだよ。不思議そうに。クリスだって見てただろう?」


 「キュルキュル。」


 「見てたけど興味なくて?あの子が可哀想だよ。」


 「キュルキュル。」


 「まぁいいや。でもさ、これから面白い事が起こるよ。」


 「キュル?」



 「だってさ、あの子は、……………………だから。」




こんにちは!櫻坂暖依留です!

恋愛ものが書きたくなったので書いてみました!

興味を持っていただけたら嬉しいです!

また、この作品に書かれていることは全て私の妄想、想像ですので真実ではありません!

鵜呑みにしませんよう!ご注意ください!

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