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ポーション作りのお手伝い 13

 アリシアさんのポーション作成における秘密の配合を知ってしまったわたし。またも悪人から狙われる要素が増えてしまった気がする。


 幸いな事に、これまでわたしは大して話題になるような事もしていない為、他領どころか領内でも注目されるような事は無い筈だけれど、今後もずっとそれが続くかどうかは分からない。


 いや、むしろ少しくらい注目されるくらいでなければ、当初の『元の世界に帰る』という目標を達成する事は出来ないような気もしないでもない。


 だって、冷静に考えると誰からも注目されないような人が、世界の壁を飛び越えるなんて出来るはずが無いと思えるのだ。

 それが出来るようなら、どこかの町でひっそりと暮らす町娘だって世界の壁を飛び越えることが出来るって事になってしまう。


 そういうわけで、目立ってしまう事になるのはしょうがない。だけど、それは今じゃない。

 まだ何も成し遂げていないわたしが、無駄に注目されるような状況になるのは勘弁してもらいたいのだ。


「あ、でも……アリシアさんと同じ薬草を使ってもアリシアさんと同じ品質のポーションは作れないって言ってましたよね? それってどういう事ですか?」


 使う薬草の種類が同じというだけでは同じ品質のポーションが作れないというのなら、薬草の種類自体はそれほど重要じゃ無いのかも?


「言葉の通りですよ。アリシア師匠がポーションを作ると、何故か他の人よりも高品質な物になるんです。何が違うのかは僕らにも分からないんですが……」

「えぇ~~……」


 それじゃ、わたしがアリシアさんにポーションの作り方を教わって何十年も修行したとしても、アリシアさん同じレベルのポーションを作れるようにはなれない可能性もあるって事?

 それだとアリシアさんレベルのお金は稼げないって事になっちゃうのかな……。その分、数をこなせば良いのかもしれないけど、それをやるとやっぱり魔力の出所を探られちゃうかもしれない。


「ポーションに限った話では無いんですが、人それぞれなんです。アリシア師匠は薬師としてポーションを作る際に効果の高い物を生み出すことが出来るのですが、これが魔道具となると、性能の高い物を作れるというわけではありません。逆に高性能な魔道具を作れる人も、効果の高いポーションを作れるとは限りません」

「それって、魔力の違い……ですか?」

「おそらくは。アリシア師匠の育てた薬草を使うと、僕もアリシア師匠と同程度のポーションを作り出せるので」


 レンヴィーゴ様の話を聞いて、思わずわたしが手伝ったポーションを見てしまう。


 近隣の領でも評判になるアリシアさんのポーション。それって近隣の薬師の中では屈指の実力者という事だ。

 そんなアリシアさんと同じレベルの適正がわたしにもあるとは思えない。


「さっき、わたしがお手伝いしたポーションは大丈夫なんでしょうか? 飲んでも効果が無かったなんて事には……」


 アリシアさんの作ったポーションに比べて効果が低いのは仕方がないとしても、効果が無いなんて事があったりしたら大変だ。


 大怪我を負ってしまった人が、わたしがお手伝いしたポーションを飲んで全く効果が出なかったなんて事になったら、それって、まるっきり詐欺だもんね。


「大丈夫だと思いますよ。たしかに作った人によって効果に差があるのは間違いないですが、全く効果が出ないという事はありませんから」


 レンヴィーゴ様の言葉に、ほっと胸を撫でおろす。

 お手伝いをしたつもりが、邪魔をしてただけなんて事にはならないみたいだ。


「ですが、出来栄えは気になりますね。一度試してみましょうか」


 なんだろう? なんだかすごい嫌な予感がするよ。


「せっかく急いで作っていただいたポーションですが、幸いな事に使わずに済みました。つまり、数には余裕があります」


 そういって笑ったレンヴィーゴ様はマッド・サイエンティストのような笑みを浮かべていた。

 いや、マッド・サイエンティストなんて実際には見た事ないけどさ……。


「ポーションは6本、ここには4人。全員で試してみましょう」


 その言葉に、血の気が引いていく。


 やっぱり! そんな事だろうと思ったよ!

ゴールデン・ウィークが終わってしまいました・・・

ついでにゴールデンなウィーク中に、また一つ、年を重ねてしまいました (´;ω;`)ウゥゥ

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