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小夜の家

今日学校終わったら私について来なさいよ?

そう小夜に言われた。てか小夜と帰るのは目立つ。見た目が可愛いから俺なんかと一緒に帰ってるとかえって目立つので一旦帰って待ち合わせにしてもらった。


「まったく私に口答えするなんていい度胸ね、宗のくせに!」


「だってお前と帰ったら目立って仕方がない。明日から学校でお前もどうでもいい質問攻めにあうんだぞ?」


「‥あー、それはちょっとうっとおしいかも」


「大体なんだよ?学校内でのあのキャラ設定?素のお前見てると無理ありすぎるだろ?てかどうやってうちの高校に入って来たんだよ?」


「はぁ?私に喧嘩売ってるわけ?つい昨日まで助けてー!なんて言ってたくせに!学校なんて簡単よ。1人知り合いの便利屋がいるのよ。そいつに頼めば大体オッケー」


「あれ?ていうか小夜って年いくつ?」


「今年で18よ、それが?」


「それなのに高校1年生‥‥‥プッ」


「死にたいの?」


ヤバい、怒らせすぎた。

「ごめんなさい、冗談です」


「宗のくせに私に冗談言うなんて生意気!」


「さーて!気を取り直して私の家に行くわよー!」

マジかよ、こいつの家とか色々ヤバいだろ‥‥何されるかわかったもんじゃない、悪い意味でな。


「何よ?その顔は!私の家に行くのがそんなに嫌なわけ?こんな美少女の家に行きたくないの!?」


「だってお前外見だけで中身は凶暴じゃねぇか!」

途端に拳骨がふってきた。マジで痛い‥


「女の子にそんな事言うもんじゃありません!本当に殺すわよ?」

女の子だったらそんなに乱暴しないでくださいよ?


そしてしばらく歩いていると‥

「ここよ」


「え?一軒家という事は家族も一緒?だよな?」


「私に家族なんていないわ」

そういう小夜はいやに悲しそうな表情をしていた。


「なんか意外だな。秘密の基地的なのを想像してたから」


「なーに言ってんの、そんな目立ちそうなとこに住むわけないじゃない?ここはご近所とも少し離れてるから何かあっても丁度いいのよ」


「この家を手配したのも例の便利屋とやら?」


「そうよ?」


なんかやっぱり闇側の人間っているんだなとつくづく思う。


「さっさと入りなよ、目立つから」


家に入るとリビングに連れていかれた。

うん、なんか普通の家っぽくて少し安心した。


「で、小夜の家に連れてこられたのはなぜ?」


「そんなの決まってるでしょー?なんでかわからないけど勾玉が昨日あんなとこに落ちてたんだよ?何かおかしいわ。勾玉は仮に私たちの同族が倒したなら絶対回収しておかなきゃいけない。それが放置されていた」


「ふんふん、ていうか同族っているの?俺たち以外にも」


「いるでしょうね、かなり少ないと思うけど宗で2人目」


「もう1人は?」


「死んだわ」

小夜はさっきの家族の質問の時と同じ悲しそうな表情をした。これは地雷だな、あまり触れない方がいいだろう。


「じゃあ同族以外でなんかあり得る事は?」


「あるわ、少し厄介だけど。化物同士が殺し合う事もあるのよ。そして倒した方が一方の勾玉を吸収する。すると途轍もなく強くなる。まぁ勾玉を見ればわかるんだけどこれはそんな形跡もないってことは化物同士で殺し合って結着がついた所に私の気配を感じて急いで逃げたんでしょうね」


「逃げた所で俺がそれを拾ったわけか」


「ただ宗がいつから私と同族だったのかもわからないしね?なんとなーくわかるんだけど宗にはそれすら感じなかったし、宗は謎だらけね。それを兼ねて私と一緒に狩りに出かけましょう?」


「あんな怖い思いはごめんだから俺帰る」

と言った途端首筋に鎌の刃先が触れる。

だからどこから出してるんだよ!?


「本当に殺すよ?殺したってどうにでもなっちゃうんだから」

拒否権なしなんですね?本当にありがとうございます。


「わかったよ、そのかわり俺は危ないことしないからな?それでいいなら行く」


「もとから宗の事なんてアテにしてないわ。だって何もできないじゃない‥ププッ」

この野郎‥


「安心さなさい。綺麗で頼りになるお姉さんがついているじゃない?」


「自分で言うか?それ。暴力女の間違い」

ドカッという音とともに頭に激痛が走った。また拳骨しやがって‥‥



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