俺と父さん
ああ、やっぱり私じゃここまでか。でもこれで少しは時間が稼げるかな。
こんなことになるんなら宗ともっとイチャイチャしたかったなぁ‥‥
宗と一緒の未来を見てた私ってこんな所で終わるのか‥こんな化物と‥‥
私は体から力が抜けて化物の両目に食い込ませた鎖鎌から手を離し、崩れ落ちた。
え?宗?
どうしてここに?私死にかけてるから幻覚を見てるのかな‥
だがすぐさま宗は私を抱き抱え、化物から離れた。
幻じゃなかったんだ‥
バカ‥宗どうして来ちゃったの?
私力加減間違えちゃったかなぁ‥
今の状態だったらあの化物を倒せるかもしれないけどそんなことしたら宗の人生に一生影を落としてしまうことになる。
「宗‥なんで来ちゃったの?」
「小夜と父さんを放っておけるわけないだろ!」
「宗はお父さんと戦うことを望んでなかった‥‥だから私‥」
「いいんだ、小夜。わかってる」
「宗、そこにいるのか?」
「ああ、ここにいるよ父さん」
「聞け宗!母さんと約束したんだ、宗を見守ると!あれは事故などではない、化物どもが俺と母さんを襲い、そして俺も化物になった。俺は周りの化物を取り込み我を忘れて母さんを殺した。正気に戻った時俺は後悔して母さんに約束したんだ、アハハハハッ、ハハハハハッ!」
宗のお父さんはもう正気など保っていなかった。知能は消え去り本当の化物になっている。
「父さん、今までありがとう。俺は小夜と生きるよ」
目の見えない化物は闇雲に宗に襲いかかる。そして自ら宗の間合いへと足を進めあっさりと宗の剣が化物の頭に突き刺さる。
「さようなら、父さん」
化物は粒子になり10近くの勾玉を残して消えた。
「小夜!大丈夫だ、きっと助かる」
「ごめんなさい、守るとか言って結局宗に辛い思いさせちゃって‥」
「小夜、俺がやらなきゃいけないことだったんだ、俺の方こそごめん」
「いいの。宗の辛い事や苦しい事、私も背負うから、だから宗1人で思い悩まないで。私宗を愛してる」
「俺もだ!だからこれからずっと俺と一緒に居てくれ!」




