転校生現る
次の日眼が覚めると昨日のことは夢だったのかと思ってしまうが小夜に蹴られた腹がまだ痛い事で夢じゃないと思い知らされる。
そして顔を洗いに鏡の前に立つ。
ん?なんかおかしい。よく見ると瞳の色が青くなっている?怖くなって目をゴシゴシした。あれ?気のせいだったのかな?次に見たらいつもの色だった。
「おはよー」
「なんだ?今頃起きたのか。朝食はそこだ、とっとと食って学校行け」
俺には母がいない。いないと言うのは前にはいたのだ。だが俺が中学の時に事故で死んでしまった。今は父と暮らしている。
「今日仕事行かないの?」
「今日は休む。有給でな」
「いいよなぁ、俺も今日は学校休みたい気分なんだけど」
「学生のうちからサボりぐせはつけるな、とっとと行け」
「ちぇー」
学校に着くと友達の啓太が話しかけてきた。
「おっす!宗」
「おはよー、啓太」
「なんだ?元気ないな宗」
「まぁ色々あって」
「好きな子にでも振られたのか?」
「殺されかけただけだ」
「そいつは災難だったな」
小夜‥見た目はとても美しい女性だった。だけどそれ以上にヤバいやつだ。できれば今後は関わりたくないが俺を監視するって言ってたな。まだしているんだろうか?
そうこうしているうちに担任がやってきた。
「急な話だが今日から転校生がこのクラスに入る。みんな仲良くしてやってくれ。入っていいぞ」
するとそこには見たことある女性が現れた。
そして俺をチラッと見ると
「今日から皆さんと一緒に勉強することになりました水無月小夜と申します。よろしくお願いします」
「ということだ。席は宗の隣が空いてるな、そこに座ってくれ水無月」
「はい」
そう言うと小夜は俺の方へ座ると
「これからよろしくね?宗」
と小声で言ってきた。
俺は内心震えていた。本当に監視する気だ。
もう俺の学校生活は終わりだなとその時思った。
「なんで俺の学校きてんだよ?監視するって言ったからもっと遠くで見ているとばかりと」
「いいじゃない?それに私の他人ぷりなかなかだったでしょ?まぁ本当に他人だけど」
「宗、君が化物になったら周りに見つかる前に私が殺す事になるんだからね?」
もう念押ししなくてもわかったよ。俺は深い溜息を吐いて空を見た。




