新顔
何度か平和な狩りが続いた。
それはいい事だ。俺も若干だが少しだけ動けてきた、常人レベルだけど。しかも逃げる方向で。
まぁ小夜に余計な心配をかける事は少なくなってきたかな。
そんなある日。
「うーん、やっぱ変なのよねぇ。たまに宗の家に送りに行くと宗の目が反応してるのよ」
「まぁ俺も朝起きると目が青くなってる時はあるけど」
「え?そうなの?それを早く言いなさいよ!」
「言ってただろ?なりたてだとそんな事あるって」
「私まで反応してるのよ?やっぱりおかしいわ。今日私宗の家の付近で監視するから」
「覗かれてるみたいで嫌だな」
「なーに言ってんの?もう初日から覗いてたわよ」
ストーカーかよ!
でも小夜まで反応しているとただ事ではないのかもしれない。
「じゃあ決定!宗はいつも通りにしててね」
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その夜、私は宗の家に向かった。ここら辺でいいだろう。宗の家の2つ手前の家の屋根でこっそり伺おう。
どうして反応するのかなぁ?
何時間か経ちこのまま何もないのかと思った矢先。
「あれー?気配が感じると思ったらこんなとこにお仲間さんじゃない」
背後から声が聞こえ急いで飛び退く。
気付かなかった、もし相手がその気だったらやられてたかもしれない。
両手にアーミーナイフのような物を持っている眼鏡の女?
「あんたがずっと宗のこと見張ってたの?いつから?」
「あなたのこともよ?」
「通りで‥‥」
「しばらく観察してたけどここら辺で狩りまくってるようね。ずるいじゃない。何度か横取りしようかと思ったけど敵の分析はしないとね。あなたの力はもうわかったしそろそろ頃合いと思ってね。
あっちのあなたのペット?大した力も持ってない大ハズレのようだけど。残念ね、初めてあった仲間が欲張りさんなんて。あなたは油断できそうにないから死んでもらおうかしら?」
うーん、どうしよう?なかなか強そうだし私の勾玉を分けて平和的に終わらせようかしら‥
「あ、そうそう。面白そうだからあなたを殺してあなたのペットを私が飼おうかしら?」
あ‥やっぱダメだ。カチンときた、この女殺すしかないや。宗がいなくてよかった。
「どこの誰かわかんないけど宗を巻き込むつもりなら容赦しないわよ?」
「あなたの手の内はわかってるのよ?正気とは思えないわね」




