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秋の夜

作者: 緋和皐月

 さらさらした葉っぱ


 ふわふわのススキの穂


 柔らかなセーター


 あたたかな あなたの温もり



 スベスベの木の皮


 ツルツルの赤い実


 少し硬い革コート


 冷え切った わたしの指先



 優しいあなたは わたしを包み

 奥に隠れた 心に気づく

 それでも 何も 知らないふりして

「おかえり」って笑ってくれる


 優しいあなたの腕の中

 何かに気づいた あなたに気づく

 それでも 怖くて 気づいて ないふり

「ただいま」って目をそらす


「夕飯は 食べてきた」って言うと あなたは少し寂しそう

「そっか」って答えてくれるけど ひとつ ふたつ 言いたそう

 気づかないふり 嘘をつく

 今日 3回めの 嘘をつく

 言葉と意識の 嘘をつく


 気づいてないふり 知らないそぶり

 わたしは あなたに嘘をつく

 優しく無い 嘘をつく

 あなたは 嘘に気づいてる



「寝ようか」という あなたの声に そっと 頷いて


「おやすみ」と言おうとしたとき



 小さな オレンジ色の箱を見つけた

 小さな 小さな カボチャの形


「ハッピーハロウィン」


 あなたの囁き声が 闇夜に溶ける


 それは あなたがくれる幸せ


 子どもみたいに無邪気で 女性のように優しく 男性のように頼もしい

 あなたがくれる 小さな幸せ


 愛おしさが溢れる ひと夜の出来事


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