黒髪ツインテールさんとの一時
「あぁ……2種類のチーズの酸味に負けないくらい、豊潤なストロベリーの甘味が口の中いっぱいに広がってますぅ。そして、チーズとストロベリーは、バニラアイスに良く合いますぅ」
「あはははっ、すっげぇ笑顔だな」
恍惚な表情をして、ゲームセンターの奥にある飲食スペースの長椅子に座りアイスを食べます。
あぁ……食べれてよかったぁ、この娘に感謝しないといけないですね。
「なぁなぁ、お姉さん」
「はい、なんですか?」
黒髪のツインテールを揺らしながら聞いてきます。
うっ、なんかこの娘、見た目爽やか少年なのに……今見て見ると、やはり女の子ですねぇ。
この小首を傾げる仕草が可愛くてたまりません……なんですか、この抱き締めたい衝動は……。
と言うか、この娘、小さいですけど何歳なんでしょう?
今は学校で授業を受ける時間ですし、子供じゃないですよね? いや、もしかしたら抜け出してゲームセンターに?
いやいや、だとしたら私に話し掛けたりしません。
そう言う事をする子供は黙ってゲームをしてそうなイメージがします。
「今時間あるよな?」
「え? はっはい、ありますよ?」
っと、今はこの娘に集中しないとダメですね。
と言うか、私の考え過ぎです、子供が上下ジャージ姿っての、ちょっと可笑しな気がします。
子供なら子供らしい可愛い服を着ますよね? と言う訳で私の考え過ぎです。
この娘との会話に集中しましょう。
「そか、良かった! 時間無かったのに連れ出したんかな? って思ったんだ。 いやぁ時間あるのかぁ、良かったぁ」
にぱぁって笑うこの娘、ツインテールがゆらゆら揺れて可愛らしいです。
もう一度言います、凄く可愛いです!
なんて事を思いながらアイスをパクリっ。
あぁ、本当に美味しいですぅ、幸せぇ……。
「きししっ、ほんと旨そうに食べるなっ」
と言いながら黒髪ツインテールさんもアイスを食べます。
ぱくっ……一口口に入れるとその娘は小刻みに震えて「おいしぃっ」って言いました。
…………いま、いけない感覚が湧いた気がします。
少し落ち着いた方が良いですね、アイスを食べましょう。
「ごちそう様でした」
「ごちそう様ぁ」
あらからお話をしながらアイスを食べて、今食べ終わりました。
最初から最後まで美味しかったアイスでした。
ゲームセンター限定と言わずにお店で売ってくれませんかね? そしたら私、100個は買いますよ? 良い買い手になってあげますよ?
なんて願望を抱きながら、ゲームセンターを見てると、黒髪ツインテールさんがつんつんと私の頬っぺたをつついて来ました。
「うはぁ、もちもちぃ」
「もぅっ、なにするんですか。止めてください!」
にこにこ笑うその娘は椅子から勢い良く立ち上がった後、私の手首を掴んできました。
「んじゃ行くぜっ」
「え? どっ何処にですか?」
「ゲーセンに来たらやる事は決めってんよっ。ゲーム機にレッツゴーゴー!」
「えっ、ちょっ、わぁぁっ」
強引に引っ張られる私、こっこの娘……まるで鉄砲玉ですね。
あっ、そう言えば私、この娘の名前聞いてませんね。
私も名乗ってないですし……うぅ、聞くタイミングを逃しました。
「まず何する? 格ゲー? ガンシュー? 音ゲーか? おれ何でも出来るぜ?」
その娘は立ち止まって私の方を向き、腰に手を当てて胸を張ってドヤ顔を決めてきました。
むふぅって鼻息まで出してます……うん、可愛いですね。
「えと、お気持ちは嬉しいんですけど、ここには人探しをする為に来たんです。ですからゲームしてる暇は」
ありません、キッパリ言おうとした時です。
その娘の表情が固まりました、腰に当てた手をだらんっと降ろして、じぃっと私を見てきます。
なっなんです、この目線は……。
なんて事を思ってた時です、その娘の目にぶわっと涙が溢れて来ました。
「遊ばない……のか?」
すすれた声で言ってきました。
ぴくぴくっと肩を震わせて、私を上目使いで見つめてきます。
「遊んで……くれないのか?」
「え? あっえと……あの、その……」
ぐすっ……。
鼻をすするその娘、それを見て困惑する私、その光景に気付いて集まり出すお客様……あ、これ、このまま私が何も言わなかったら泣き出すパターンですね。
そっそうなったら……きっと大変な事になります。
「わっ分かりました! 遊びましょう! 人探しは後でにします!」
慌ててそう言うと、その娘の表情が、ガラリと変わりました。
凄く嬉しそうな顔をしてます、チラリと見えた八重歯が可愛らしい……。
「ほっほんとか?」
「はい」
「ほんとのほんとか?」
「ほんとのほんとです」
「やったぁぁぁっ」
がばっと抱き付いてくるその娘、「えへへ、超嬉しいんだぜ」って言いながら私の胸に頬擦りしてきました。
……なんでしょう、私、お母さんになった気がします。
胸に頬擦りされたら恥ずかしい筈なのに、それを感じません。
なにか、微笑ましく感じます、だから何も言えません。
でっでも、全く恥ずかしくないって事はないんですからね?
「んじゃ行こうぜ、なにする?」
「えっえと、じゃ……おっお任せでお願いします」
「分かった、じゃ格ゲーしよっか。今日はおれの奢りだぜぇ!」
「……わっ! ちょっ、ひっ引っ張らないでぇぇっ」
ぎゅーんっ、って擬音が出そうな位に掛けていくその娘……。
私は抵抗できずにされるがまま、一緒にゲームセンター内を走っていきました。
あぁ、結局遊ぶ事になりましたね……。
でも仕方無いです、あんな顔されたら断れません、ここは、ちょっとだけ付き合って人探しを再開すれば良いんです。
あ、再開する前に、この娘に止さんの事を聞いておきましょう、何か情報が得られるかもしれませんからね。
……で、黒髪ツインテールさんの名前、聞けませんでした。
遊んでる時にアイスを取ってくれたお礼もかねて聞きましょうか。
黒髪ツインテールって良いですよね。
黒髪ロングヘアーも素敵ですけど、黒髪ツインテールも良いですよね。
皆さんはどう思いますか?
今回も読んで頂きありがとうございました。
次の投稿日は14日0時になります。




