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住み込み就職 お仕事時々お遊び  作者: わいず
1月 とある天塚長門の行動記
57/146

番外編 長門さんの1日 4

ブォォォ……。

静かなエンジン音が聞こえるここは車の中、撮影が終った今、とある場所に移動する為に私はここにいるのだ。

クロは、私から遠く離れて窓の外を見てる、あんまり見てると酔うぞ?


あっ、因みに乗ってる車はリムジンだ。

そう、あの黒くて長い車だ。

結構乗り心地が良いんだぞ?


……と、車の話しは良いんだ。

今は夕方、撮影が終った後向かっている場所は、私の店だ。


そろそろ店に戻らないと、胡桃達に悪いからな。

今頃きっと、私の帰りを待っている事だろう。

それに、私の声を聞きたい客達もいるだろうからは、早く行かないといけない。


なんて事を考えながらスマホを弄る。

はっはっはっ、あいつらの寂しそうな顔を想像すると、私はこう思うよ。


私に出会った瞬間、客共が泣いて喜ぶ姿を!

ふふっ、ふふふふふ、あぁダメだ、嬉しすぎてニヤけてしまう。


朝の会議では、私の客との会話が迷惑だとか言っていたが、あれはデマだ。

きっとあれは、私の人気に嫉妬した誰かが流したんだろう。


だが私はそれを許そう、何故なら寛大な心を持ってるからな。

たった1つのデマで怒り狂う心は持っていない。


と、そんな事を考えつつスマホを弄り続ける。

くっ……しかしあれだな、私の客への人気は良いんだが、私のガチャ運がよろしくないな。


さっきからスマホアプリのガチャを引いてるんだが、3万円つぎ込んでSRが1つもでないと来た。


ケチな運営め、凄く腹が立つ。

私達の会社でつくったスマホゲームならそんな事は無いからな? 3万も注ぎ込まずに10連ガチャで、10個ともSRを出してるからな。


その結果、ゲームバランスが崩壊して色々と不味い事になったから、最近のアップデートで10連引いたらSR1個確定にしたのだ。

それでも、3万注ぎ込む奴はいるけどな。


しかしまぁ、この会社もそれ位太っ腹になればいいのに。

……まぁ、会社には会社なりの考えがあるんだろうな。

他の会社の事は何も言えないさ。


「はぁ……」


ため息を吐きつつ憂鬱(ゆううつ)な気持ちになりつつ、画面をタップ。

さぁ……良いの出てくれよ、これが今回15回目のガチャだ!

と言う宣言と願いと共に手を合わす。


ぴかぁっ、と玉が光って空へと昇る。

その玉が10個に別れて……地面に降りてくる。


「……全部金色、虹色は無しか」


今回、引きが悪いな。

よしっ、こんな時はこの日はこれ以上引くのは止めよう。

……15回10連を引いといて、止める決断をするのは遅い気がするが、まぁいいか。


虚しい気持ちになりながら画面を見る。

あぁくそっ、腹立つなぁ、後でこのアプリのレビューに低評価いれた後、不満の文を書いてやろう。


そう思って、スマホアプリを止めて、ポケットに入れる、その時だ。


『電話だぞ、早く出てやれよ』


イケメンボイスが鳴った。

その瞬間、どきっと心が高鳴った。

おぉ……ビックリしたぁ、焦ったぁ。

このちょっと悪めの感じの声、たったまらないっ。


最近、ダウンロードして良かったぁ、そして電話掛けてくれた人、ナイス!


『電話だぞ、早く出てやれよ、電話だぞ、早く出てやれよ……』


ふふっふふふふ、このボイスは繰り返し聞いても仕方ない。

よし……暫く聞いておこう。


『電話だぞ、早く出てやれよ、電話だぞ、早く出てやれ……プツッ』


と思ったのに、切れてしまった。

しかも途中で……なんか煮え切らない。

そんな気持ちになりつつ、誰から来たんだろう? と思ってスマホを確認する。


「…………なんだ、電話の相手は止か」


だったら早く出れば良かった。

何故なら、この後『イケメンボイスばかり聞いてんじゃねぇよ』とレインのメールが来るだろう。


と、予想すると。

ぺこぴんっ、って電子音が鳴った。

レインの着信音だ、確認してみると、案の定相手は止、内容は『イケメンボイスばかり聞いてんじゃねぇよ』だった。


全く、止はイケメンボイスの良さをまるで理解していない。

今度、その良さを言ってやろう。


あっ……そうだ、止には2月には店に出るように言わないとダメだな。

色々と世話の掛かる奴だが、止もこの店の大切な従業員、店に戻ったら、一番に止の部屋に行こう。

そして、イケメンボイスの良さを伝えよう。


思った私は、レインで『ごめん、その件は善処する』と打った後、スマホを膝に置いた。

さて皆、待っててくれよ! 今から私が店に戻るからなぁぁっ。

スーパー前向き長門さん、こんな風に人生を見据えれば、楽に生きれるのでしょうか。

と疑問に思ったけれど、なんか嫌なので地道に生きていきます。

そう思った今日この頃……。


今回も読んでいただきありがとうございました!


さて、次回からの投稿について報告があります。

次回から、毎日投稿にしようかな? と思っております。

何故なら、話のストックが貯まったからです。


まぁ、いつ毎日投稿が止まるか分かりませんが、行ける所まで頑張りますっ!

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