表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/51

その3

「だ、大丈夫ですか?!」


 流石の俺も「うわぁ・・・」となってしまったが、飛んできた駅員の慌てぶりを見て冷静さを取り戻した。

 少女は相当体調が悪いみたいで、俺の腕にぐでっと倒れこんでしまっている。気を失ってはいないようだが、ちょっと放ってはおけない状況だ。


「俺は大丈夫です。でも彼女が・・・」


 病院に連れて行かなければならないだろう。が、それを察した少女が、俺の制服をつかんだ。とても困る行為なのだが、全然離れないため、相当行きたくないようだ。

 俺が「彼女」という言葉を使ったせいもあるだろう。完全に誤解した駅員は、駅の医務室に来るよう提案をしてきた。けれども彼女はそれも断る。一体どうすればいいんだか・・・

 困ったのは駅員も同じようだった。ぐっだりと俺にしがみついている彼女の目線に合わせて話す。


「大丈夫だよ?彼氏君も一緒に来てもらうから」


 なぜか俺まで行く形になってる。というか、だから彼氏じゃないですって。

 とはいえ、彼女を放っておけない自分もいるんだな、これが。

 しかも彼女は医務室にすら行きたくないと言い、仕方ないのでホームのベンチに座らせることになった。ここの方が嫌なんじゃないかと思うところだけど、まあ、仕方ない。本人の意思だ。

 ベンチに彼女を運ぶと、駅員が笑顔で尋ねてくる。


「服のサイズ、聞いてもいいかな?」


 そこで思い出して、思い出した途端に異臭が鼻を突く。そうだ。今俺凄い状態なんだった。多分制服を貸してくれようとしているのだろう。一度着てみたい気もするが、状況的にそんなことをしていてはいけない気がするので、カバンからジャージを取り出した。


「大丈夫です。ジャージがあるんで」

「そう?じゃあ、駅前にコインランドリーがあるから、洗ってこようか?」


 つくづく人のいい駅員さんだ。このままでは確かにひどいので、素直に頼むことにした。流石に公然でパン一になるのは抵抗があるので、トイレで着替えさせてもらうことにする。


 着替えの途中でポケットに携帯を入れていたことを思い出し、吉野にメールだけ送っておいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ