表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/51

その1

 小梅ちゃんからの許可がもらえたので、早めに昼食をとることとなった。とはいえ、同じ考えの人はそこそこやはりいるようだ。ごった返すほどではないけれど、食事処はそこそこに混んでいた。少し移動するだけでも、人ごみを掻き分けている感覚がある。


「じゃあ、席とっとくから何か買ってきてよ」


 そう言って、クロウが肩に肘をかけてくる。正直重い。ソラちゃんに密かに助けを求めてみたけど、彼女から返ってきた答えはこうだった。


「なんでもいいの?」


 どうやら、残念なことに伝わらなかったらしい。呆然とする俺をよそに、クロウはけらけらと笑って、星型のサングラスを水着のポケットから取り出してかける。


「ボクはなんでもいいよー」

「・・・・・・」


 何も言わずにじっとクロウを睨んでいると、ソラちゃんがずいっと下から見上げてきた。すぐそこまで近づいてきた美少女の距離に、不覚にもドキッとしてしまう。


「ユウは?なんでもいい?」

「あ、な・・・んでもいいです」


 ソラちゃんの目はキラキラしており、それ以上文句が言えなかった。顔が赤くなってないことを祈ってたけど、自分でもへらぁっとにやけたのが解ってしまう。悔しい、すごく悔しい。

 ソラちゃんと小梅ちゃんの背中が見えなくなってから、俺はやっと解放された。じろっとクロウをもう一度見ると、彼は何ともなかったように空席を探している。


 ソラちゃんのあの目を見た時、俺はすぐにソラちゃんが買い物係をやりたいのだと解った。もし俺とソラちゃんが買い物に行ってしまったら、小梅ちゃんはクロウと留守番をすることになるだろう。それは小梅ちゃんの視点に立ってみれば、自分を嫌う相手と凄さなければならない時間であり、もうただの我慢大会だ。逆に俺と小梅ちゃんが残ると言う提案もあるけど、先に座席をとっておかないといけないなんていう基礎ルールを俺が思いつかなかったのだから仕方ない。クロウは誰かに命令するのを好むタイプではないようだし、俺と小梅ちゃんに「買い物行ってくるから席探しといて」なんてことは言わないだろう。ご飯を運ぶ動作も労働としてはそこそこあるが、この人込みの中で空席を探すのも一種の肉体労働だ。これを女の子にさせるのも確かに気がひける。それこそ変なところを触られたって可笑しくない状況だし・・・

 クロウは、俺なんかよりずっと頭が良いと思う。頭が良いからこういうところとかにもすぐに気が付くし、とっさに最善策を打ち立てることができる。今回のだって多少は文句を言ったけれど、彼の言うとおりに動くとこうやって物事がスムーズに流れるんだ。


 あー・・・、ホント癪だ!こうなったらいつもと違う原因を、意地でも突きとめてやる!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ