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その8

 バスの中での会話はそれくらいで、すぐに目的地のプールに着いた。

 更衣室に入るために男女で再び別れることになる。


「いやぁ~!!市民プールのわりにずいぶんと大きいと思わない?」

「まあ、ここらじゃプールはここだけだもんな」


 そう言って揃って服を脱いでいく。行きは服を脱ぐだけだから楽でいいよな、うん。

 すると先に服を脱ぎ終えたクロウが、ロッカーの隣にあったポスターを指差す。


「パープル、凄いよコレ!ウォータースライダーだって!」


 確かにそこには俺がテレビでしか見たことのないような巨大な滑り台の写真が飾られ、そこを水と共に流れている女性が映っていた。とても楽しそうだ。

 っていうか、いやにこいつはしゃいでないか?もしかして・・・


「あのさ、お前もプール来たことないの?」

「ん?あるよ。でもこんなのがあるプールは初めてでね」


 なんだろう。この表現はすごく失礼なことだって解ってるんだけど、想像付くんだけど・・・

 こいつ、やっぱ高校生だったんだ。

 ふだんの斜に構えた感じとか、妙に達観した感じとか、そういうのを見てると、たまに「こいつが同い年なのか」ってつい考えてしまうところがある。今日初めて、こいつが同年代なんだって感じた気がするな。


「早く行こうパープル!ほらほら」


 訂正。こいつは同い年じゃない。いつもの少し大人びた感じから、同年代通り越してガキだ。面倒くさい。

 ・・・しかも。

 思わずクロウの体を見た。俺だってイケメンとして、体くらい鍛えてる。肉体のたるんだイケメンは女性を失望させる元だし、あってはならないものだと俺自身が思ってるからだ。でも、運動神経がいいことは知っていたとはいえ、クロウの体は同年代の男子として憧れるくらい綺麗に引き締まっていた。


「・・・お前さ、腹筋とかしてる?」

「え?特に何も?」


 俺の努力の上を軽々と飛び越える。あーもう、やっぱりこいつは嫌いだっ!

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