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その2

 飲み物を買ってきたクロウは、ため息交じりで席についた。


「罪悪感をぬぐい去るなんて無理だってー」

「無理じゃないかもしれないだろ」

「やってみなくても解るよ。今ボクはまた赤さが増しただろうしね」


 小梅ちゃんの方をちらりとも見ずに、クロウが皮肉気に笑った。さりげなく置いた飲み物は紐が出ていることから、それは紅茶だと解る。が、あげるねも何も言わずにぽいと渡すだけなんて感心しないな・・・

 クロウのセリフを受けて小梅ちゃんに目を向けると、財布を開けてビクッとしている彼女がいた。


「あー、良いんだよ小梅ちゃん!そんな金なんて払わなくて」

「・・・それってボクのセリフじゃないの?」


 話す気のない奴は黙ってろ。

 しかし、確かにクロウの言うとおりだ。このまま彼女のためにと動くと、彼女の中に罪悪感が生まれて、堂々巡りになるそうにも思える。けど、距離を置いたり放っておくのは話が別だ。

 すると、ソラちゃんが晴れやかに笑った。


「じゃあ、私たちは迷惑じゃないってことを解ってもらえればいいんだよね!」

「ボクは迷惑・・・」


 そう言いかけたクロウの頭を全力で殴った。運動神経が良いから避けられたらどうしようかと思ったけど、当たって何よりだ。外したら恥ずかし過ぎる。

 頭を抱えてうずくまるクロウを心配そうに見ながら、小梅ちゃんがソラちゃんに尋ねる。


「でも、そんな簡単には・・・」

「プール行こう!プール!」


 一体どんなつながりで出てきたのか解らないけど可愛いからいいや。わくわくした様子のソラちゃんは、その場で立ち上がりくるくると回り出す。


「プール行ってみんなで遊べば、きっと遠慮なんかしなくなるよ!」


 ・・・それは、どうだろうか。少々疑問に思うところがあるけど、でも実際親密度を高めるには持ってこいのスポットであるのは確かだ。親密度が低ければ信頼関係なんて生まれにくいッて考えも一理あるし、いいかもしれない。それに。


 実は体質がら、プールというのに行ったことがない。だから、眼鏡をかけていれば見えなくなったと解った今、是非とも一度遊びに行ってみたかったんだ。


「あの・・・でも・・・」とクロウの方をちらちらと気にする小梅ちゃんを、ソラちゃんがじっと見つめた。


「ソラ達と一緒に行くの・・・嫌?」


 鼻血もんだよ、その攻撃は!横から見てるだけで可愛さがバンバン伝わるよ!コレ真正面からやられたらたまったもんじゃないって!

 実際、小梅ちゃんは顔を真っ赤にして「いえ!行きます!」と応えていた。

 やっぱり可愛さは正義なんだな・・・

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