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その16

「じゃあ、僕の髪の色は解る?」


 クロウはソラちゃんといとこ同士ということもあって、同じ真っ黒な髪色をしている。当然答えは黒なのだが・・・


「・・・・・・」


 彼女はなかなか答えなかった。目をぎゅっと凝らして、もはや睨みつけるようにクロウを見ている。どうしたんだ?どんなに目が悪くても、色は解るんじゃないのか?実際俺のも解ったわけだし。

 やっと彼女が口を開いた。が。


「赤茶?」

「「・・・え?」」


 思わずソラちゃんとハモってしまった。だって、ソラちゃんの真っ黒な髪が見えて、俺の微妙な髪色も言い当てられたのに、なんでクロウだけ間違えるんだ?

 俺たちの反応に小梅ちゃんは未だに何故驚かれたのか解っていないようで、きょとんとした顔をしていた。可愛いんだけど、今はそうじゃない。


「小梅ちゃん・・・本気?」

「え?赤茶じゃない?だけど、赤っぽいよね・・・?」


 全然赤くない。なんでだ?例の赤い靄が、クロウにかかっているのか?だとしたら、何で・・・

 そこでふと思い出した。


『彼女のことが嫌いだ』


 まさか、自分のことを嫌っている人物が解ってしまうとか、そういう能力なのか?だとしたらとても酷な話だ。言動を不快に感じたときに、いちいち赤い靄がかかっていたりしたら、怖くて話せなくなってしまう。それは、とても辛い。

 何も知らないソラちゃんが、とっさに尋ねた。


「小梅ちゃん、クロウにも赤い靄がかかってるの?」

「え、あ、はい」

「クロウにだけ?」

「いえ、紫合ゆうださんにも少し・・・」


 え、俺にも?疑問点が振り出しに戻される。だって俺は小梅ちゃんのことが嫌いじゃない。そりゃ吐かれた時はびっくりしたけど、体調不良なんていくらでもあることだ。そんなくらいで女の子を嫌いになっていたら、俺は独身貴族まっしぐらになってしまう。

 悶々としていると、ソラちゃんがクロウを見た。珍しく、少し怖い顔をしている。


「クロウ、小梅ちゃんに何かした?」

「流石は僕のイトコだね!勘が良い」


 可愛い子の剣呑な顔は正直怖い。が、クロウはそれを淡々と受け止めて笑った。

 ・・・というか、ちょっと待って。俺だけついていけてないんですけど、解らないんですけど!!

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