その11
いきなり引き留められたソラちゃんが、目を丸くして俺のことを見た。いやいや、驚かないでください、そこで。
「どうかした?」
どうかしたじゃない、どうかしたじゃ。どうしたら俺みたいなイケメンを流せるわけ?ちょっとでも自分のことを待ってたんじゃないかとか考えてくれないわけ?
「そ、ソラちゃんを待ってたんだって」
聞かれると思ってただけに、自分から言うのがいたく恥ずかしい。俺ってこんなに受け身な男だったっけ?
言葉にまた驚いて、ソラちゃんがぱちぱちと大きな目で瞬きをする。
「へ?何か用?」
男がだよ?しかも俺みたいなイケメンにだよ?昇降口でずっと待たれて、帰り際を引きとめられて、「君を待ってたんだ」なんて言われて、なんで「何か用?」なんだよ・・・。普通なら「え!もしかして告白されちゃうの?」とか思って顔を赤らめる反応なんじゃないの?それが可愛い女の子なんじゃないのか?
ダメだ。ソラちゃんにそれを求めるのはもうよそう。彼女は俺に気が無いんだ。俺が悲しくなるくらいに。
「ちょっとね。いつものカフェテリアに寄れる?」
「ニジイロレンジャーの依頼だね!解った、大丈夫だよ!」
だから何なんだろうな、ニジイロレンジャーって。クロウとか明らかに黒だろ。虹色に黒は無いじゃないか。ソラちゃんが可愛いからいいけど。
「そう。今朝ちょっと、同類の女の子を見つけてね」
「わあ!ユウ凄い!」
目を輝かせてはしゃぐソラちゃんが可愛すぎる。もう可愛い=ソラちゃんで通っていいんじゃね?
ニジイロレンジャーの仕事だと解るやいなや、彼女のやる気がいきなり上がった。掴まれていた腕をぐるりと回し、俺の腕を逆に掴んでくる。
「ユウ!行こう!」
「ちょ、ソラちゃん?!」
俺はそのまま引っ張られるようにして、学校を出た。




