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その10

『で、用はそれだけ?』


 かろうじて聞きとれた声で、ふと我に返る。が、気になるから少し探ってみたい気もする。そこで、電話を切ろうとする彼に、慌てて告げた。


「今日の放課後、空いてたらいつもの喫茶店な」

『?いいけど、何かあったの?』

「同類を見つけたんだよ。少し相談したいから」


 そういうと少しの間があってから、『解った』とだけ返ってきた。そのテンションが異様に低い気がして、違和感を覚えたが、問いただす前に通話ボタンを切られてしまった。何を誤魔化した?何を黙った?


 俺はこの疑問を、放課後まで引きずることになった。



 放課後。俺は下駄箱前で靴を履き換えた状態で立っていた。携帯をいじりながら、下校していく女の子たちの顔を見ていく。まあ、俺みたいなイケメンがこんなところであからさまに誰かを待ってたら、注目をされてしまうのは仕方ない。まったく、罪な話だ。

 下駄箱に現れた一人の女の子が、俺を見つけて駆け寄ってきた。


「ユウ!久しぶり!」


 黒いポニーテールの絶対的美少女、空木空うつぎそらだ。ソラちゃんとは春の一件以来、二、三回は会ったものの、残りは電話やSNSでのやり取りばかりで、久しく顔を突き合わせてはいなかった。

 それなのに、俺を見つけるなりこう挨拶してくるところが可愛い。「何してるの?」とか「え、彼女とかいないよね?」とか聞いてくる子がほとんどなのに、一発目が「久しぶり」なんだもんな。いや、「何してるの」とか聞いてくるのもとてもかわいいんだけど、俺に興味を持ってるってことでさ。


「久しぶり」


 そう言って笑いかけると、彼女も満面の笑みを返してくる。もうそこらのアイドルよりずっと可愛い笑顔だ。生で見てるからとか、そういう影響もあるのかもしれないけど、そういうのなしにしてもめちゃくちゃ可愛い。

 が。


「それじゃあね」

「ちょっ・・・!」


 慌てて帰ろうとするソラちゃんの腕を掴んだ。せめて「どうしたの?」とか、「誰待ち?」くらい聞いてくれてもいいんじゃねぇの?あまりにも俺に関心が無さ過ぎるんじゃない?

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