四話。御堂家
スズネと通話した後、俺は執事の黒沢に電話をかけた。
「黒沢、今大丈夫か?」
『何か御用ですか?』
「俺の部屋にあるVRヘッドギアを一台持ってきてくれ」
『どちらにお持ちしましょう?』
「遊作の家に頼む。その時に鈴音も連れてきてくれ」
『畏まりました』
執事の黒沢に鈴音とVRヘッドギアを頼み、遊作の家に向かう。
道中の描写は省略。
面白いことも無いしな。
○●御堂家●○
「ただいまー」
「お邪魔しまーす」
遊作の家に到着。
「お帰り〜!伊吹くん、いらっしゃい」
出迎えてくれたのは遊作の母である桃音さんだ。
遊作を15才で出産し、その二年後に鈴音を。
言ってなかったが俺と遊作は18才だ。
桃音さんは高校生の息子がいるのに33才という若さを誇っているのだ。
ママ友達の間ではダントツだろう。
「伊吹くん、今日もカッコいいね〜」
「ちょっ、母さん!やめてよ。息子の親友にベタベタしないでよ!」
俺の母さんも見た目20代だがこの人には負ける。
あっ!ヤバい!
「だ、ダメですよ。いつも間に...」
「ペタペタすりすりクンカクンカ」
いつの間にか俺の制服のボタンが外れ、桃音さんが張り付いていた。
「ゆ、遊作!!何とかしろっ!」
「母さん離れてー」
「い〜や〜よ〜!私の伊吹君が〜!」
引きずられてフェードアウトしていく桃音さん。
助かった。
遊作、グッジョブ。御堂家で常識があるのはお前だけだ。
登場していないが遊作の父も非常識な人だ。
15才の桃音さんに手を出したロリコンである。
ゴミだ。
そして...変態だ。
まぁ、いいや。
俺は鈴音の依頼を完遂して家に帰ろう。
ゲームをしなければ。
仮想現実の世界が俺を待っている。
○●フェードアウトしたふたり●○
「遊作!伊吹君にペロペロしなきゃいけないの!離してぇ〜」
「ダメ。伊吹は僕のだから」
「ずるいよ!」
「これだけは譲れないよ」
伊吹...フフッ
○●鈴音の部屋●○
「...!? 何だ?急に寒気が...」
何故だろう。
遊作にけつを向けて寝てはいけない気がした。
疲れてるのか?
おっと!
作業、作業。
鈴音のベッドにVRマシンを取り付けていく。
VRマシンにはヘッドギアタイプやベッドタイプ、ソファータイプなど沢山の種類がある。
鈴音はヘッドギアを持っていたがベッドタイプがいいと言うので融通したのだが取り付けが面倒だったようだ。
…女の子のベッドを触ってるってあんまし良くないよな。
いや、頼まれた事をしてるだけだ。
俺は変態じゃない。
おしっ!作業完了!
帰るか。
帰ろうとしていると、ちょうど黒沢が車で鈴音を連れてきた。
俺の家は一応、大金持ちだから車はリムジンだったりする。色は黒。
一刻も早く帰りたいので普段はするおふざけを行わず、さっさとリムジンに乗り込む。
あー。やっと帰れるぜ。
○●自宅●○
「ただいま」
「おかえり~」
母さんに出迎えられて家に入る。
「イブくん♪お弁当美味しかった?」
「うまかったよ」
うーん。やっぱり母さんがゲームを作るような人に見えない。
ほんわか女子大生みたいな母さんに厨二病の塊であるRPGが作れるのだろうか?
技術面で言えば母さん意外、DDWを作れる人は居ないと思うが。
まぁ、いいや。
母さんの謎なんて考えても解るはずない。
それよりゲームだ。