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ひとつめのはなし

むかしむかし あるところに

まっくらな まっくらな

やみ が ありました

そこには あかい めを した

くろい くろい けものが すんでいました


そこには だれも

いのち ある ものは

だれも ちかよらず

いのち なき ものも

なにも ちかよらず

ずっと ずっと まっくら でした


ところが あるひ

まっくらで ものおと ひとつ

しないはず の やみに

おと が ひびいたのです


ふしぎに おもって けものは

その おとに ちかづきました

そこには にんげん と よばれる

いきもの が いました

けものは それが にんげん だと

ひとめで わかりました

なぜか あたまの なかに

ちしき が あったのです


けもの は にんげん に はなしかけて みました


「ニンゲン ニンゲン ナゼ ココ ニ イル?」


にんげん は こたえません

けもの は こたえを まちました

こたえを まちました

こたえを まちました

けれども にんげん は こたえません


「ニンゲン ニンゲン ナゼ ヒトミ カラ ミズ ヲ コボシテ イル?」


その ことば を きいて

にんげん は はじめて かお を あげました

けもの の ことば が

ふしぎ に かんじたから です


「かなしい から だよ」


にんげん は こたえました


かなしい

かなしい とは

なんだろう

なぜ め から みず が

こぼれる のだろう


と けもの は ぎもん に

おもいました

にんげん を みても

にんげん は とおく を

みている ようでした


「カナシイ トハ?」


「むね が いたく なること だと おもうよ」


「ケガ ヲ シテルノ?」


「いや けが は してない」


けもの は ますます わからなく なりました


「ナゼ カナシイ?」


にんげん は すこし

ま を あけて いいました


「たいせつな もの を なくしたんだ」


「タイセツ ナ モノ?」


「そう」


けもの には わかりませんでした

たいせつ とは なにか

なぜ たいせつ な ものを

なくすと むね が いたくなるのか

りかい することが できなかったのです

かんじる ことが できなかったのです


けれども にんげん は

それ いじょう なにも

いう き は ないようでした


けれども けもの は

まだ はなし を したかった

ので にんげん に ききました


「ココ ニ イル?」


にんげん は こたえ ました


「ああ ここにいる」


それは

まっくら な まっくら な

やみ の なか の おはなし


つづく




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