真実の真実の愛
「※」については後書きで脚注として記載しております。
人間が書くAI小説というよりAI小説作家をおちょくっている小説って感じかもしれませんが……
「ひ、聖女と、ま、真実の愛に気がついたからだ!」※1
……全くの想定外の言葉に、私としたことが反応がきませんでしたわ……
この国の王子の婚約者として私が選ばれたのは三つの理由がありますわ。
我がマリトート家と王家の繋がりのため。
極東の皇国の皇族との血縁を繋げるため
そして王子のお守……お世……えーっと、サポートのためですわ。
最後の理由は、私じゃないとできないということで私個人が名指しで選ばれましたわ。
私は決して天才でも女傑でもないですが、相手の王子、目ぼしいスペアがいないのでこのまま行くとほぼ王太子が確定している彼は、おろか……ぐど……浅り……えーっと、ちょっとおバカでして、二代続いたら国家が滅びるレベルとも言われていますわ。
そこまでわかっていても血縁や継承などいろいろな理由で「他の人物にしよう」とできないのですわ。
そこでしっかり彼を制御できることを期待されて私が選ばれたのですわ。
私はその期待に今までしっかり答えてきましたわ。彼はおバカで何をするかわからないところはありますが、行動が予想できないことと、制御できないことは一緒では無いですわ。
赤ちゃんわんこがぴょんこぴょんこ跳ねる軌道は予測できなくても、ちゃんとゲージに閉じ込めて置けている、みたいな感じですわね。
今日も婚約者としての交流として定期的に開かれているお茶会にて、
「君との婚約を破棄したいと思っている」と言ってきたのですわ。
彼は劣等感と承認欲求は人並みに持っており、それなりの頻度で拗らせて婚約破棄なり婚約解消なりを言ってきます。その都度よしよりと宥めるのも私の役目ですわ。
こう見えて私、このおバカな王子をそれなり以上に愛おしく思っておりますの。
なので今日も、「婚約破棄」については想定内でしたわ。問題は1行目の「婚約破棄の理由」ですわ。※2
赤ちゃんわんこがゲージから飛び出した気分ですわ。
とりあえず、何を言っているかわからないので確認しないといけないですわね。
「聖女との愛とはどういうことですの」
「定期的に神殿に行っているだろう? 二人で行くこともあれば別々に行くこともあるだろう? 先日、私が行った時に君がすでにいて聖女と仲良くしているのをみた時に気がついてしまったのだ」
……どうしましょう……全然話が見えませんわ……
「きみが勧めてくれた、この本……」
そ、それは交易船の管理者に頼んで極東の皇国から定期的に取り寄せている本、イチジーンヤシロが出しているシリーズ物の一冊……
……私が勧めたもの、ちゃんと読んでくれたんだ……
「……愛しあう女の子同士の邪魔をする男は許されざる存在と学んだ……」
「待って! 待って待って! ……お待ちくださいませ、何をおっしゃっているの?」
……危ないところでしたわ、口調が荒れてしまいましたわ……
でも状況は把握しましたわ。
聖女の名前はヒルデガルト。
そして、私の名前は、真実・マリトート。
極東の皇国の皇族の傍流であり、マリトート家の遠縁でもありますわ。そして政治的ないろいろあってマリトート家の幼女になりましたの。
つまり、この短編の1行目のセリフ※2
"「ひ、聖女と、ま、真実の愛に気がついたからだ!」"
はルビをつけると
"「ひ、聖女と、ま、真実の愛に気がついたからだ!」"
となるわけですわね、何も間違っていないですわね。
決して**聖女**の**聖**が*ひじり**って読むから間違えたとか、**真実**の**真**が**まこと**って読むから間違えたとかでは無いですわ。※3
「だから、聖女と君の仲を応援するために、僕は身を引くと決めたんだ」
「……彼女は十歳ですわよ、そんなロリ百合、私は履修しておりませんわ」
ヒルデガルドは十歳、まだまだぷにぷにのほっぺの可愛い女の子ですわ
ロリ百合はよくあるジャンルだとは聞いておりますけど、彼女との百合は私の趣味じゃありませんわ……
「……では、私は百合に挟まる男ではないのだな」
「そうですわ」
「君の婚約者でいいのか」
「そうですわ」
「君を愛していていいのか」
「……愛してくれているのですわね」
「あぁ、婚約破棄も、私の責任に寄せるつもりだった」
「……責任に寄せる、という表現はおかしいですわ」
「そうなのか、place responsibility on、の placeを寄せるに訳して出力されたものを貼り付けただけなのだが」
「不自然な翻訳みたいになっていますわ、ちゃんと自分の言葉で書いてくださいませ」※4
「すまない、それから、婚約破棄後、一人になって、そうしてできた空席を前に、王子としての努力をしようと思った。空席は、少なくとも返事を遅らせないから」※5
「……はぁ、だいぶ心身に負担をかけてしまったのですわね、私の勧めた本の所為と考えると責任を感じますわ。空席が返事って何を言っているのですか? 遅らせるも何も、空席はそもそも返事をしませんわ。返事を待つという意味では、永遠に返事をしないのですから、空席は返事を遅らせ続ける、のほうがまだマシな表現ですわよ」
「すまない、言葉すら満足に話せないな」
「教えてあげますわよ、これからも、ずっと」
※6
おバカな王子サマですが、私にとってはとっても愛おしい王子様ですわ
「わ、私のあ、愛は、ま、真実との、し、真実の愛だ」
「真実の真実の愛も貴方とのものですわ」
<真実の真実の愛 完>
※1:「こ、今度ね」を「い、今度ね」などと、一文字目の感じの読みがおかしいのはAI小説の特徴。本作のメインテーマ
※2:「3話から泣いてない」などの唐突なメタ記載はAI小説の特徴。本作では2回出ている。
※3:アスタリスク2回使いはAI小説の特徴
※4:日本語としておかしい言い回しパート1。AI小説の特徴。英語翻訳が内部処理として挟まっているからと予想している
※5:日本語としておかしい言い回しパート2。AI小説の特徴。何かしらのキーワード設定でもしているのだろうか?
※6:セリフとセリフの間に一行空いて、ってのが延々続くのもAI小説の特徴。読みにくいのはもちろん、はっきり言って書きにくい。自分で書いてないから気が付かないのだろうな……
スペシャルサンクス:「ま、真実の愛」というAI小説の特徴について「聖女とマミの愛に挟まる王子」という感想だかコメントを読み、それがこの作品の元になっています。直接お礼を言いたいところですが、何でみたのか発掘したのですが見つからなくて、ここでお礼させて頂きます。




