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第11話 日常と闇

 エリスの『赤子ライフ』は、女神としての矜持を忘れるほどに温かく、満ち足りたものだった。


 しかし、神の魂は暇を嫌う。彼女はハイハイをしながらも、世界の記憶を覗き、失われた権能を再構築する日々を過ごす…。


 神臓から『神力』を生成し、肉体を神格魂に適合する『神格外装(神の体)』へと作り変える。


 一歳を過ぎた頃には自力で立ち上がり(普通)、テティアとミモラを『まぁま』、『ばぁば』と呼び大層喜ばれ、順調に4人に神力の扱いを教えた。


 二歳を過ぎる頃には神力は全盛期の四割にまで回復し、女神だった頃の姿に戻る事ができ、4人に大層驚かれ、舌足らずで話す事も出来るようになり、その愛らしさに使用人から溺愛されていた。


 今や魔法薬など不要。創生術式一つで髪や瞳の色を自在に変え、誰にも悟られず神のことわりを振るう。


 だが、エリスには困ったことがあった。


(……この『幼児の体』は困ったものじゃ。じっとしておれんッ!!)


 溢れ出す力と幼児特有の多動性が混ざり合い、エリスは家中を駆け回り、木に登り、夜な夜な転移術式で『魔の森』へ繰り出しては魔獣を乱獲する野生児と化していた。


 当然、夜遊びは家族にバレてこっぴどく叱られた。


(ぐすっ……仕方ないのじゃ。体が勝手に動くのじゃ……。それに……お母様に叱られるのも、構ってもらえて嬉しいのじゃ♡)


 精神が幼児に引っ張られ、テティアの胸に顔を埋めて甘えるエリス。そんな幸せな日常の中、事件は起きた。


~~~~~~


 テティアがサリウス領の視察に向かう朝。


「エリスちゃん、今日はお留守番よ」


「いや! いや! お母たまといっちょ! おちごと、しゅゆのー!!」


 床に転がり、手足をバタつかせる盛大なイヤイヤ期の発動。


(な、なんじゃこの拒絶反応は!? 妾の意志ではない、生存本能が『お母様と離れるな』と叫んでおるッ!!)


 結局、涙目で縋りつくエリスに折れたテティアは、彼女を連れて街へと向かった。


 母の仕事ぶりに感銘を受けたエリスは、すぐさま『広域探知術式・改』を展開。街の死角に潜む『不浄な反応』を察知した。


「おかあたま!こっち! こまってゆ人、いっぱいいゆよ!」


 エリスが指し示したのは、一見廃屋に見える不自然な倉庫。


 テティアとメアリーは瞬時に空気を読み、『不可視』『隠密』の術式を重ねて潜入を開始した。


「鍵がかかっているわね……」


(『開錠アンロック』)


 エリスの思念一つで、魔法の錠前が粉砕される。


「地下に道があるわ……。」


(『隠蔽解除リベラ』)


 二人が探す手間を省くように、エリスが次々と仕掛けを暴いていく。


 テティアとメアリーは、もはや「何でもありね」と苦笑いするしかなかった。


 地下に降りると、そこには無数の檻。三人は唖然として固まったが、目の間の不条理に対し、湧き上がる衝動を抑えることが出来なかった。


 中に閉じ込められていたのは、怯えきった女性や少年少女たち、襤褸を纏い、腕が枯れ木のように、肋骨が浮き上がり、生気の無い窪んだ目で虚空を見つめていたのだった。


 この世の不条理を煮詰めたような光景に、三人の怒りが沸点に達する。


「「「ぶっ潰す(ぶっちゅぶちゅ)!!」」」


 かくして、サリウス領の母娘は、大陸の深き闇を白日の下に晒すべく牙を剥いた。


~~~~~~

サイド:???


 一方、全てが白き無窮の世界。


 かつて虚無に横たわっていた『うつろなる存在』は、今、熱烈な彩りに恋い焦がれていた。


 世界の果てから届く、虹色の輝き。


 それはまちに待った主か、あるいは新たな可能性か。


 存在は地平を駆け、空を裂き、一点の色彩を目指して突き進む。


「待っていて……。今、貴方の元へ――」

いつも読んでくれて嬉しいのじゃ!


ゆ、許せんのじゃ!妾のかわいい写し身達にこんな非道は!跡形も無く消し去ってくれるわ!


応援してくれる読者の為に…妾は…

妾は…張り切って頑張るからのう!

(*´ω`*)/応援これからも頼むのじゃ⭐

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