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第8話 語られる想い

 遮音結界の中、赤子の姿をした女神は、静かに世界の真実を語り始めた。


『この世界は妾の死後、その残渣によって形作られた箱庭なのじゃ。』


──数十億年という、永い孤独の時を経て、この星に依り代となる器を見つけたこと


 その時の歓びの感情を吐露し、過去の記憶を母テティアと精神世界で共有し語り合ったこと


 想いが認められて、お母様の子供として転生したことを思念と記憶を共有し包み隠さず三人に語り聴かせた


 三人は絶句した。そのスケールの大きさに、そしてエリスが抱えてきた孤独の深さに。


『妾が何故死んだのかは分からぬ。ただ、妾の魂が生きとし生ける者の魂の源流となり、妾の魂の欠片が生命を生み、神気が世界を形作った。……特に母上には、悪いことをしたのぉ。妾の都合に巻き込み、多くの苦難を背負わせてしもうた……』


 念話を通じて伝わる、エリスの深い悔恨と悲しみ。


 それを遮るように、テティアは涙を流しながら娘を強く抱きしめた。


「エリスちゃん!! あなたは何も悪くないわ! 私を母親に選んでくれて、本当に嬉しいの。たとえあなたが世界を創った神様でも、私がお腹を痛めて生んだ、最高に愛しい私の子よ! だから……謝らないで!」


「そうよ。おばあちゃま(呼び名をいたく気に入ったミモラ)も同じ気持ちよ。私の可愛い孫には違いないわ。唯一無二の家族なのよ」


「お嬢様、悲しまないでください。不甲斐ない私ですが、この命に代えてもお守りすると誓いました。それは神様であっても赤子であっても変わりません」


 ミモラ、メアリー、そしてシルビア。四人の無垢な愛に触れ、エリスの瞳から一筋の涙が溢れた。


 神としてではなく、家族として受け入れられた喜びが、深く傷跡を残す魂を癒やす。


『あ、あり、がとうのぉ……みんな……』


 五人が一つに重なり、絆が結ばれたその瞬間――テティア以外の三人の右手の甲が、熱く脈動した。浮かび上がったのは、八つの翼を象った神威ある紋章。


 聖母テティアに次ぐ、女神直属の『使徒』としての証であった。


 「「こ、これは……」」


 三人は紋章を見つめ、自身の魔力の高まりと魔力と異なる力が溢れ出したことに驚愕した。


 『妾の家族としての証じゃ。まだ、きちんとお母様にも説明しておらなんだしのう。ここらで、説明しておくかのぉ』


 エリスは、四人に加護の説明をした。母テティアには『聖母』の称号と『陽神』の加護を、おばあちゃまには脳筋よりでバランスをとるため『知神』の加護を与えたこと。


 メアリーには、戦闘の素質があるため『戦神』の加護を、シルビアには地属性の適性が高いため『地神』の加護を与えたことをはなした。


 ただ一人孫娘の説明にショックを受けた者がいた……


「の、脳筋……。」


~~~~~~


 魔赤竜のステーキで腹を満たし、英気を養った一行は、二日間の工程を何事も無く、ついにサリウス領の邸宅へと到着した。


 新たに建てられた新館と少し離れた所にある旧館は古びてはいるが、歴史の重みを感じさせる館があった。


 ミモラは速やかに代官代理で父マリオの側近をしていた老齢なミツルギから引継ぎを行い、シルビアとメアリーは屋敷の掌握に動く。


 だが、この四人は既に以前の彼女たちではなかった。


 加護によって身体能力は跳躍し、エリスからはサリウス領に向かう間に魔法の次元を超えた『創生術式』を学び始めていたのだ。


「テティア様……このお肌のハリ、やはり加護の力なのですね」


 訓練の合間、メアリーが自分の頬を触りながら感嘆の声を上げた。


「ええ。私たちは『不老』になったらしいわよ。一生、この姿のままなんですって」


「不老!?……ということは、テティア様と一緒に、あんなことやこんなことを……一生楽しみ続けることができるのですか!?」


 鼻息を荒くするメアリーに、テティアは少し呆れたように、けれど頬を染めて囁いた。


「……自覚あるの? 私たち、エリスの真横で愛しあってたのよ?」


「はっ!?……そ、そうでした! お嬢様は女神様でしたっ!!」


 顔を真っ赤にするメアリーを、テティアはクスクスと笑いながら宥めた。


「安心なさい。エリスは『処女性を保ったまま愛を貫く……それもまた一つの極致』だと言っていたわ。私たちが愛し合っている間、あの子、わざわざ遮音結界と浄化をかけてくれていたらしいから」


「な、なんて気の利く女神様……! むしろ推奨されている……!?」


「あの子も私達にように処女性を保てる番を見つけるか、生涯独身を通すつもりらしいから、せめて私たちの幸せを眺めていたいのかもね。……これも、私たちが選んだ運命だと思いましょう?」


「はい……! テティア様、一生、いいえ、永遠についていきますわ!」


 サリウス領を包む夕闇の中、女神の加護を受けた『最強の女系貴族』たちの新生活は、あまりにも甘く、そして波乱に満ちた幕開けを飾ったのである。

いつも読んでくれてありがとうなのじゃ!


記憶を思い出そうとすると、何故か頭が痛くなるのじゃ!そして、胸が苦しくなるのでのう。考えるのはやめじゃ!


また、本編でのぅ〜またのぉ〜評価⭐も待っておるのじゃ〜(*´∀`*)/

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