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第2話  愛ライフ

 エンケラド辺境伯邸のタウンハウス。


 案内された客室は、亡命者の身には過ぎるほど豪華な、主賓室と侍女室が繋がったスイートルームだった。


 無事に歓迎の晩餐会を終えたテティアは、身を清め、娘のエリスを腕に抱いてベッドへ横たわった。


 長い一日が終わろうとした、その時。隣室からメアリーがオドオドとした足取りで現れた。


「テティア様……。あの、今夜だけは、隣で眠ってもよろしいでしょうか……?」


 俯き加減で願うメアリーに、テティアはどこか懐かしさを覚えた。


「珍しいわね。昔はよくこうして一緒に寝たわ。……おいで、メアリー」


 テティアがエリスとは反対側のシーツを叩くと、メアリーはそっと布団へ滑り込んだ。


「私に話せないこと? 無理には聞かないわ。でもね、貴女は私の、たった一人の大事な家族よ。……心配くらいはさせてね」


 テティアがメアリーを優しく胸に抱き寄せ、その髪を撫でた瞬間――エリスの術式が、メアリーの理性を完全に焼き切った。


「……テティア様……ずっと、ずっと、お慕いしておりました。……愛して、おります!」


「ええ、知っていたわ。貴女がそういう目で私を見てくれていたことは……」


「!?……いつから、ですか?」


「貴女をあの闇市から救い出した、あの日からよ」


 メアリーの瞳から、堰を切ったように熱い雫が溢れ出した。


 テティアを独占したい、エリスへの嫉妬、そして溢れ出す情愛。術式によって肯定された「欲望」は、もはや誰にも止められない。


「好きです! テティア様……!」


 潤んだ瞳で見つめ、メアリーはテティアの唇を奪った。


「……んんっ!?////////」


 驚きに目を見開くテティアだったが、甘く切ない口づけを重ねられるうちに、思考は白濁していく。


 互いの舌が絡み合い、吐息が混ざり合う。


 いつの間にか寝間着は脱ぎ捨てられ、月明かりの下で二人の白い肌が重なり合った。


 官能の渦の中で、二人は互いの存在を確かめるように求め合い、やがて絶頂の果てに泥のように眠りについた。


「…………………。」


(……お母様、妾の隣でやりおるのぉ。術式が効きすぎたか。……だが、清らかな魂同士が結ばれるのは美しきこと。女神として祝福してやろう)


 エリスは溜息をつきながらも、部屋全体に『浄化』と『遮音』、そして『健康増進』の術式を展開した。


(おやすみなさい、お母様……。ほどほどにするのじゃぞ)


~~~~~~


 翌朝。微睡みの中でテティアは目を覚ました。


 隣には、全裸で幸せそうに眠るメアリー。


 昨夜の記憶が奔流のように押し寄せ、テティアの全身は火照り、顔は朱に染まった。


 だが、不快感はなかった。


 むしろ、男との冷え切った生活では決して得られなかった『満たされた幸福感』がそこにはあった。


(……男との愛は懲り懲り。けれど、彼女となら……。これは、ありだわ)


「メアリー、起きなさい」


 テティアが愛おしそうに彼女の髪を掬い、口づけを落とす。


 目を覚ましたメアリーは、昨夜の『大暴走』を思い出して半狂乱になった。


「て、てててテティア様! 死んでお詫びを! 私はなんという不敬を……貝合わせをぉぉ!!」


「……メアリー、責任を取りなさい」


「はい! 死にます! すぐに死んで……えっ?」


「一生、私を愛しなさい。……いい? 浮気は許さないわよ」


 テティアの頬を染めた微笑みに、メアリーは魂が抜けたような顔をした後、歓喜のあまり涙を流して頷いた。


~~~~~~


 メアリーが仕事モードに切り替え、侍女室へ戻った後。


 一人残されたテティアは、ふと娘の視線に気づいた。


「……エ、エリスちゃん! 今のは……今の、全部忘れてえぇぇ!!」


 目を回して懇願する母を見つめ、エリスは赤子特有の無邪気な笑みを浮かべた。


(気にするなお母様。処女性を保ったまま愛を貫く……それもまた一つの極致じゃ。妾もいつか、そのような番を見つけるとしようかのぉ)


 かくして、生後数日にして『極めて偏った恋愛観』を持つ最強の女神が、この世に誕生したのであった。

いつも読んでくれて難有いのじゃ!


あわわわわ!た、大変なのじゃ!あれが、あーなって、こうして、こうなって!妾の隣で…。

ま、まあ、ええじゃろ。中々に興味深いのじゃ……。


応援してくれる読者の為に…妾は…

妾は…張り切って頑張るからのう!

(*´ω`*)/応援これからも頼むのじゃ⭐

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